棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

3-おふくろ--明治女のど根性

2008-07-01 07:46:26 | エッセイ・随筆
前述したように、私は産めよ増やせよの時代からの、5男中の末っ子。
物心ついたときは疎開先の信州で、東京での父親が経済的にも学閥的にも絶頂期の、戦前を知らない。
戦後は全ての資産・地位をうしなった父は、精神世界に一層まい進し、教理から実践生活に入っていった。
といっても、厭世的なものではなく、自己完成にひたすら向かった、というところか。
と、なると、腹ペコがきを支えるのが「おふくろ」であったろう。
小町と称され、奥様と呼ばれ、戦後のナニモナイ時代に「おかあさん」として、がんばりぬいたのである。

「我が家は戦争で全てを失って、おふくろも大変だったんだろねー」
と、判ったような私の言葉にきっぱりと、母は言った。
「あの時代はみんなそうなの。お父さんは学者だから、家庭のことで心配をさせてはいけなかっただけのこと!!」
明治女のど根性を感じた。

イヤ・・・。男はもともと女の手の内に踊っているものかもしれないと、近頃はおもいます。
それでいいのだ!!!
母の80歳代の肖像

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