棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

2-展示会 旅人シリーズ

2015-10-03 15:39:17 | 山郷の暮し
旅人シリーズ 1970年代(25-30歳後半)

私達の世代(70歳代)にとっての青春時代は、ベトナム戦争をぬきにして語ることはできません。
当然 当事者として関係をしたわけではありませんが、様々な要素から影響は大きく、
精神構造の一画をなしています。反骨と挫折。
正義・真実への願望は、やがて精神世界への旅へのあこがれとなって行きました。
私自身の心の変遷を正直に表し得ないかと、いつしか禅林世界での「牧牛図」的な表現を志していったのです。

「旅人シリーズ」は若かりし頃国内各地を彷徨い、やがて海外の辺境の地に旅を始めた25歳ころから、10数年間の心のありようを真っ正直に描いたものです。
今から思い出しても、決して楽しい旅ではなく、いったい何のためにこんな苦辛をしてまでと、
疑問と苦悩しながらの旅でした。それ故に今日まで未発表の作品でしたが、
今なお創作活動の骨幹をなしていると、改めて気がついております。

蛇足ながら画中の犬は、迷い苦しみ自問自答する自身の精神状態を表しています。
それは最新作の「私は何処より来たり・何をなしたか・私は何処に至るや」
迷い苦しむ不安定な精神状態と、満足し安心しきった平穏な心を表しています。
「旅人シリーズ」を意識したわけではありませんが、
いつしかそのようになっていったのです。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本