棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

月遅れの端午の節句

2015-06-05 09:23:07 | 山郷の暮し
先日の久しぶりの慈雨以来、何となく朝は涼しい。
曇り空の今日などは薄手の上着を着ての散歩であった。

お隣のおバーチャンが、50センチほど伸びた菖蒲の葉とヨモギをひと掴みずつ束ねている。
「???? 」尋ねてみれば、信州のひと月遅れの「端午の節句」だという。
そうだ・・以前はよく行く浅間温泉でも、しょうぶが浮かんでいたし、我が家でも飾ったことがあった。
若い人に「コレなんですかね??」と尋ねられた時、ここぞとばかり説明をしてあげたものだったが、すっかり忘れていた。

おバーチャンの話によると、もっと以前の茅葺屋根のころは、菖蒲とヨモギを交互に刺して飾ったという。
それがいつの間にか一緒に束ね、玄関先に飾るようになった。
想像してみよう。
分厚い茅葺きの玄関先に、菖蒲とヨモギが垂れ下がり、チット若草の香りが漂う。
いいね~~~。

そして、しょうぶ湯にしたという。
まーー薬草湯のひとつで、よく温まるらしい。
昔ながらの行事がひとつ、またひとつと忘れられていく。

おバーチャンの話はもっと続く。
5年ほど前まで、知り合いの老人ホームの所長さんから菖蒲を頼まれていたが、
今は音無だという。
今の若い人は知らないし、無関心たよね。ナンカ寂しいねー-。

ryusun

つぶやき

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