棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

ジジ・ババが守る文化財

2008-05-30 18:39:41 | エッセイ・随筆
写真家の兄の撮影助手の一日だった。
助手といっても何もできるわけではありませんが、雑誌社の方と機材運び。
長野県の文化財写真集の取材・撮影だ。
カーナビもお手上げの山道を行く。
今は戸数が10数軒となってしまった、山中の廃寺の仏像撮影だった。

お年寄りが、床の抜けそうなお堂を管理していた。
真言密教系の寺で、人知れずひっそりと守られていた、といえば絵になるが
「最低の年金生活のジジ・ババが、こずかいだしあって守ているだけせ。
県の宝といったて、俺たちにゃさっぱりわからねーわい。
俺なんか、かくれんぼのときにゃ、この仏様の下にもぐりこんだもんだじ」
真新しい鍵を預かっているお爺さんは県宝と盛んに力説、子供の頃のはなしをしてくれた。

濃い緑の樹木に沈み込んだ集落は、お爺さんが悪がきだった6-70年前は、かなり活力のあった所であったろう。
人手がはいらなくなっていく久しい畑が、樹木に埋もれていた。
場所については盗難の危険があるのでご容赦ください

写真集のご案内は後日に・・また、冒頭の写真は小生のバカチョンで、非文化財指定

こいのぼり

2008-05-05 08:24:34 | エッセイ・随筆
私の絵は、正直チョット小理屈をつけたところから出発しますが、ただただ「わーーいいなー。描きてーなー」と、素直に製作をするのがこいのぼり
今でも忘れません。描き出すきっかけは、1980年、児童画コンクールの審査依頼の折、幼稚園児の「こいのぼり」のお絵かきに感動。
「オレもそのまんま描いてみよう。」
以来、うれしい・たのしい・わーすごいと、そのままの気持ちで描く対象になっています。

アメリカの友達に男の子が誕生し、お祝いにマーケットで売られている、ちっちゃな「こいのぼり」とその風景写真を送る。いたく、気に入られました。

絵は130X160cm油彩 光を腹いっぱい食べたこいのぼり

子供のいる風景

2008-05-05 07:40:51 | エッセイ・随筆
遠くから子供の声が響いてくる風景は、平和でいいですねー。
「おかーさーん」と、昔のコマーシャルではないが、裸電球のうす赤い光の下で、ちゃぶ台を囲んで食事をした時代に誘われます。
イベントや遊園地でなく、たんぼのあぜ道を子供たちが遊んでいる景色、この花の谷に久しぶりに見ることができます。

絵は数年前に挿絵として描いたもの。
昨日のアルプスの写真撮影より、15Kmほど南の地点。
槍ヶ岳がみえます。絵の藁葺き屋根のお宅は、今はありません。

平等院--飛天

2008-05-04 14:00:06 | エッセイ・随筆
連休の初日でしたが、久しぶりの京都はやはり印象深いので、もおすこしお付き合いを・・。
京都は幾度も行っていたが、醍醐寺は初めてでした。
駐車の心配も無く確保でき、広い境内は新緑の真っ最中。
がっしりとした、骨っぽい男を感じる建造物。イイデスネー。観ていて元気になってくる。
大好きな「如意輪観音」は、ドイツ展に御出張中で、御会いできなかったのは残念だった。

足を伸ばし平等院に行く。
ようやく駐車ができ、ぞろぞろと人並みに加わり入場。
時間制限か人数制限かわからないが、堂内には入れなかったのは残念。
改めて申すまでも無いが、平安期の雅で華やかなたたずまいは、正に華麗な女性美だ。
男っぽい醍醐寺の建造物を拝観した後だけに、一層つよくかんじた。

目当ての雲中供養菩薩--伎楽飛天--は鳳翔館(宝物館)に展示されていた。
改めて、日本の木彫のリアリズムのすごさに、ヨーロッパにはない、写実の捕らえ方の違いを感じた。

飛天はインドから日本へと様々な飛天を観てきた。
敦煌の魏から周時代の飛天は、現代絵画を思わせるスピードと簡潔な表現。
日本は、ふんわりとした浮かぶ表現だ。
平等院の飛天は、平面でなく立体で表されているすごさがある。
蛇足ながら、ヨーロッパの飛天(エンジェルにあたるのでしょうか)は、肥満体の子供に、ひよこの羽と、とても浮かぶとはおもえませんね。

美術書では気がつかなかったのだが、飛天が上部のものほど大きく作られている。
仰ぎ見たとき、同サイズに観える工夫であろうか。床に座ってみると、絵画的に観える。

この宝物館は築山のようになっており、なかなかの設計で、現代建築のよさがある建物です。

絵は今年の年賀状でした

怪しき色--すみれ色

2008-05-02 10:43:45 | エッセイ・随筆
雑草と総表されてしまう、新緑の草花が広がりが、なんとも言いがたくボーーとした色を放ってます。
目を凝らしてみれば、小豆大の小さな花の群がりです。
その多くの花の色が、スミレに代表できる紫色系がおおいのです。
一花一輪は淡い色合いで、鮮やかな新緑や強い色に飲み込まれそうでいて、ボーーと輝く。時には怪しいまでの色合いを感じます。

紫色は大変難しい色で、青から赤まで、幅の広い色彩です。
印象派の色づかいは、正に紫色を見出したともいえます。
言いがたい色彩の効果に、ついつい使い過ぎてしまい、ダメにしてしまいます。

油彩絵の具にモーブという「薄紫」の素敵な色があります。
バイオレットではなく独特な紫色は、それじたいは下塗り的な色でありながら、透けて観えるときは、草むらのスミレの花のようです。

桜の木の下の新緑の草花に、ひらひらと桜の花びらが散り落ちています。
淡い色の世界から、強い太陽光に負けない、主張する色の季節になっていきます。

ようやく完成した作品(90-90)散りゆき変身する美しき時(人生とも)を表す

京都の銭湯

2008-05-01 09:51:47 | エッセイ・随筆
宿屋は「島原」の小さな素泊り旅館。
国宝「角屋 すみやもてなし文化美術館」まで歩いて一分。
角屋については下記のHP-神社仏閣と一味違う見所でした
島原と言えば「遊郭」だった地域ですが、今は古い京都の町並みで、まったくそのような雰囲気はありません。
近間で一杯でもと路地を行けば、路地の一本一本にあるのではないかと思うえるくらい、やたらと銭湯がある。
宿屋近くの銭湯にいけば、あるある「電気風呂」が。
私がこの風呂を知ったの最初が京都だった。

同行人に「これは最高に疲れが取れる風呂だ」と勧める。
ドボンとはいった瞬間、ギヤーともヒェーとも奇妙な声を出し、飛び出す。
そうです。私も初めてのとき、全身に電気ビリビリに飛び出たものだった。
風呂場は地元連と大笑いになってしまった。
遊郭だった島原、銭湯も多いのもうなずける。
水が良いのか、柔らかなお湯で、少し熱め。
湯が零れ落ちる上には、小さな観音像がおかれている。
地元のオッチャンは、ゆったりと電気風呂につかり、足腰をもんでいる。
京都は職人の町でもある。

写真は町屋が続く路地から見える、懐かしき煙突。

私は国内旅行では、必ず大衆浴場--銭湯にいくことにしている。
まずは、地域の情報を聞き、地元の人たちが行く、夜のお遊び場所を聞き出す。
案内パンフや情報誌では得られない、裏が見えてくるのです
10数年前の思い出になってしまいますが、九州一円の銭湯。
北陸・東北地方の銭湯。それぞれに地域性があって面白い。

旅行には、ホテルや旅館ばかりでなく、地元の大衆浴場にお出かけください。

財団法人角屋保存会http://www16.ocn.ne.jp/~sumiyaho/

都おどり

2008-04-30 11:08:01 | エッセイ・随筆
京都--都おどり
一日4回公演は、団体や個人客など次々来るお客の対応に、大変なことだと見て取れた。というのは、毎年のこと、もう少し合理的に運びそうだと・・。
ただし、スタッフといっていいのか、案内係・接待係などなど、ともかくいっぱいいます。
これは想像ですが、若い子達は全てが修行の場として、対応しているのでしょうか。
入場料のほかにお茶を希望すると(500円)、待ち時間のときに舞妓さんが「おうす」をたててくれる。
京都風にゆったりと というよりも、かなりたてこんだお客(100人近い)やスケジュウールらしく、立ち振る舞いはしなやかに、雅に、ではあるが、これこそ合理的に運ぶ。
そこはかなく聞こえてくる「そーどすなー」などの京言葉に、相好がくずれてしまう。
私たちには特等席プラスお茶がセッティングされ、お茶席風景も自由に撮影ができた。
茶菓子のお皿は記念に持ち帰られる。
まーーたいした物ではないが記念にはなります。裏に都おどりとある。

絵は襟足の化粧が面白がったので、記憶の中で描く。

京都 都おどり に誘われて

2008-04-29 10:18:15 | エッセイ・随筆
金曜日の夜中、写真をやっている兄から電話。
「祇園での舞妓さんの撮影許可がおりたので明日京都に行くが時間があるか」
ある、在るどころではない。都おどりはかれこれ20年ぶりの観劇。
それどころか、生きた京人形のような舞妓さんを目の当たりにできるのだ。
オッチャンはじっとしていられる訳がござんせん。
日曜日に花見宴会を予定していたが、身内一人を危篤にして急きょ中止にした。

写真家の兄は、3年ほど前から「京都」をテーマに取材。
そのなかで、どうしても舞妓さんの舞台裏の撮影がしたく、ようやく一人の舞妓さんを一年前から追ってきたようだ。
彼女が今回始めての舞台。いわば初陣の撮影である。

「丸円○○ー肖像権といろいろあるらしいので匿名」チャンはひときはかわいらしく見えるのは、単に贔屓目でもない。つまり、写真写りがいいのである。
演舞場(祇園甲部)での化粧・着付けなどの舞台裏は、出入り禁止。
舞妓さんは彼女だけでない。後々いろいろな問題がおきてしまうことも、あるようだ。
ピシットしまった「おかあいん」に、撮影も正装姿の舞妓としての姿 だけにしてほしいと、ヤンワリト釘を打たれた。
撮影は控えの楽屋裏、といっても特別なこともなく、事務所の廊下である。
それではあまり良い絵にならないが、現実がそうなのです。

舞妓さんはほとんどが10代後半。同級生たちが花束を持って激励に来る。
印象に残ったのは、Gパンに鎖をたらした今どきの若者二人が、たぶん中学同級生であったろう彼女を訪ねてきた。
作り上げられた美形に圧倒されてしまったのか、ただ目を見張っていた。
わかるなーー。そんなとき男は、ただただとまどうだけなんだ。

都おどりはヨーイヤサーの、華やかで威勢のいい掛け声から、バッ!!と始まった。

写真は廊下で打ち合わせをする舞妓さん

ワイン怖い

2008-04-25 13:44:04 | エッセイ・随筆
昨夜は晩酌用の芋焼酎が事切れていた。
前日は殊勝にも「休肝日」としていたが、たまには連休にするかなーとおもったが・・・。
そおだ、いただいたワインが寝かせてあったのだ。
93年もので悪くはないのだが、オレは泡盛か芋かウイスキーがいい。
と思いつつ、散りゆく桜を惜しんでいる間に、カラに成ってしまった。

ワインといって、特にうれしくないのは「ワイン怖い」という体験がある。
甲府ワインの本場、勝沼の醸造元の祭りに招かれ、泊りがけで記録的に飲んだ。
翌日、おいしく朝食をいただき、10時頃だったか・・。
にわかに悪寒が走り、其の後は七転八倒の苦しみ。
結局ピーーポーーとなるテイタラク。

醸造元のご家族は、何時そうなるか予期していたらしい。
というのは私ばかりでなく、酒に強い人が(酒に卑しいともいえる)おちいることらしい。
それ以来、ワインは目の敵になったが、他になければ、打ち勝つためにも飲むのだ。

ツイデながら、フランスに滞在したときは、ホンニつまらなかった。
安バーでウイスキーを飲んでいると、安ワインでフラフラになっているおちゃんから「ウイスキーは体に悪い」
と言われてしまった。
またまた次いでですが、ビールも好きでなく、本場ドイツでも同じよう事が・・。

桜散る散る

2008-04-24 10:29:02 | エッセイ・随筆
天気予報の通り雨が降り、気温も低め。
桜の木も刻々と色を変え、花額の濃いいろになったかと思うと、いよいよ新緑になっていきますねー。
日曜日に花見宴会ですが、満開の花は過ぎても、心は満開でパッ ! といきましょう。

ふっと、歴史的に桜を楽しみだしたのはいつごろだろうか。源氏物語では、桜をどんな扱いにしているのか気になりました。
検索してみますと、やはり描いていたのですね。
万葉集などにはどお歌われているのでしょう。http://evagenji.hp.infoseek.co.jp/takekawa1.htm


制作にはいりますと、いつも思ってしまうことなのですが、一夜明け最初に見た瞬間「そんなこと、あるわけがねーしなー」
と、自分の空想に苦笑してしまう朝です。
といいますのは、、製作中の絵が、夢見たように完成しているのではないのかと、願い夢想してしまうからです。
歓喜と落胆の繰り返しなのです。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本