山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

橋下妄言問題あり2011票、問題なし7713票?「たかじんNOマネー」

2013年05月31日 08時07分56秒 | Weblog
 6月1日(土)、テレビ大阪の「たかじんNOマネー」を偶然見た。普段はたかじんの番組はほとんど見ないのだが。
 そこでは橋下妄言をめぐって大谷昭宏がメインになって議論をすすめた。全体としては橋下妄言を認めない発言が多かった。番組では視聴者から「橋下発言問題あり、問題なし」の電話票を呼びかけた。
 途中集計が、「問題あり1600」「問題なし4900」だ。わたしも、テレビに出演している面々も、「ええっ?」という声をあげた。下二桁は記憶できなかったが、1対3の比率だ。これが番組終了時点での集計は、なんと「問題あり」2011、「問題なし」7713に達した。1対4近くだ。
 新聞の世論調査では、「問題あり」が70%から75%だ。無作為抽出の調査とのあまりの違いだ。違いという範囲を越えて、逆転、それも大逆転だ。
 これは、明らかに、橋下支持に凝り固まった人々が、そしてウルトラ右翼がこぞって、ひとりで何回も電話したことがうかがえる。ネットの世界では「ネット右翼」が「ネトウヨ」と称されてはびこっている。ネットの世界でのその繁殖力は尋常ではない。だが無作為調査と右翼の意図的な世論づくりの違いを、目に見える形で、具体的な数字をもって知ることができたのは実に貴重だった。
 30年前は右翼と言えば右翼暴力団であり、旧軍関係者だった。だが今はネット右翼であり在特会と称する連中だ。橋下・慰安婦・侵略となるとスイッチが入って、想像を超える反応をすることを、実況中継で見ることができた。  
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公明党、問責決議・寝返り腰砕け

2013年05月31日 03時46分37秒 | Weblog
 昨日(2013・5・31)の大阪市議会での、橋下問責決議をめぐって、公明党が前夜には賛成の態度をとっていたのに、橋下・松井維新の側が脅しをかけたら、たちまち腰砕けになり、寝返った。維新との蜜月を楽しんできた公明党らしい態度だった。
 橋下氏は、数か月前の桜ノ宮高校の問題を「大阪の恥」とののしったが、橋下慰安婦・風俗業問題ほどの「大阪の恥・日本の恥」は過去になかった。元慰安婦・全女性を冒涜しただけでなく、日本の政治倫理が腐っていることを世界に示したという点で、前例がない。
 そんな政治家の脅しに屈するのだから、屈した方の政治的・倫理的な質が問われる。
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橋下大阪市長はみずから辞職せよ。キャンセル料は自分で払え。

2013年05月29日 17時17分38秒 | Weblog
 橋下大阪市長は元慰安婦や全女性を侮辱した罪で、さらに日本政治と大阪市の信用を失墜させた信用失墜行為で、市長の職を辞すべきだ。
 交通局の職員はたばこ1本吸っただけで厳しい停職処分を受けている(橋下市長が諸処分している)。タバコ1本とは比較にならない信用失墜行為だ。アメリカの姉妹都市を訪問するということさえも、受け入れ訪問先が見つからないという前代未聞の状況で、訪問を中止した。
 今日、5月30日の市議会に、自民・民主・共産の野党会派が共同提案で、市長の問責決議案を出すことになった。ところが、まだ登庁していない橋下になりかわって、松井府知事・維新幹事長が、問責が通れば、辞職して市長選挙に訴えると、朝の会見で述べた。維新と取引をし、事実上の与党になっていた公明党も、こんどばかりは橋下に同調したら信用を失うと思ったのか、問責に賛成の意向だった。ところが、案の定、公明は寝返った。橋下・松井の脅しに屈して、問責に反対し、否決した。問責があろうが無かろうが、一連の行為は辞職に値する。
 大阪ではこれまで、新聞テレビは橋下の権勢におびえ、ごますり、茶坊主の役割を果たしてきた。その応援があって、大阪府民の支持率はこの4月でも70%だった。大阪市民の支持率はなぜか発表されていない(朝日デジタル)。低いはずだ。
 しかし、慰安婦・風俗業問題で橋下市長の本質、人間像が誰の目にもわかりやすくなった。自分で、くりかえし、全国民の目に焼き付けたのだ。もとから橋下政治を批判してきた人は、その政治と共に人間性に厳しい批判を加えていたが、テレビの影響でその人間的本質を見抜けない人が多かった。だが、そこを突破できた。これが大きい。
 アメリカ視察中止で180万円のキャンセル料を橋下個人が払うべきだとの世論が盛り上がっている。市長業務ではなく維新代表としての発言だと言明していたのだから、それで大阪市の信用まで失墜させ、市政の停滞を招いたのだから、キャンセル料は個人で払うべきだ。
 市議会で慰安婦問題の質問が出て、市長として答弁し、市議会の議事録に載ったから、市の公費で払わざるを得ないという意見が一部である。だが、市長でもある人間が外部で行った問題行動を内部の議会で問うのは当たり前だ。
 市長の職務としてではない行動で市に損害を与えたのを、市が弁償するのは筋違いだ。
 
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政治家の政治責任、橋下氏の責任論は謬論

2013年05月28日 06時07分14秒 | Weblog
 橋下大阪市長・維新の会共同代表の妄言によって女性と元慰安婦を傷つけたこと、国際社会での日本政治の信用を失墜させたことの責任を問う声があがっている。外国特派員協会の質問でも責任をどう考えるかとの質問があった。
 これに対し、橋下氏は、次のように答えた。
 「民主主義の国では、政治家の政治責任は選挙で審判を受けることだ。私の今回の発言に国民がノーといえば、参院選で維新は大きく敗北するだろう。選挙の結果を受け、共同代表のままでいられるかどうか、党内で議論が生じると思う。」
 橋下氏は、これまでさまざまな問題で見識が問われたり、責任が問題になったとき、かならず、選挙で判断してもらったらいい、選挙で責任の決着がつくといってきた。今度もそうだ。文句があるなら選挙で私を落としたらどうだと、居直りと挑戦的態度をとりつづけた。
 だが、橋下氏の責任論は根本的に誤っている。
 責任のとり方はいろいろある。謝罪をする、過ちや失敗を以後の実践で正す、役職を降りる、公職を降りるなど。
 橋下氏は、自らの発言について、風俗活用発言についてだけ、誤報だといいわけをしながら表現は撤回するとし、米軍・アメリカ国民にだけ謝罪した。沖縄県民や女性に対しては責任を感じていない。もう一方の慰安婦は必要発言については誤報だと責任を転嫁し、他国を引き合いに出して問題のすり替えと責任回避をはかった。
 橋下氏のいう責任論は、選挙の審判をうけるということだが、これは通常4年に一度の選挙民の権利行使であり、最終的な責任の取らせ方だ。政治家が責任を取る機会が選挙の時だとなると、それまでは責任をとらなくていいということになる。つまり橋下氏の責任論では、政治家が自ら責任を取るということがない。選挙で落選という形で強力的に責任を自覚させられなければ、ずっと責任は取らないことになる。
 普通の市民が何らかのことで責任を取る場合は、選挙などの強制によることなく、人間のあり方として責任をとる。政治家の場合、普通の市民より責任は重い。選挙制度がない時代でも、政治家は自らの意思で辞任などの形で責任をとってきた。ところが橋下氏の論は、市民の責任のとり方よりも、選挙制度がない時代の責任のとり方よりも、ずっと甘い。これでは権力者の天国だ。次の選挙まで2年も3年もあって、その間に懐柔すれば選挙民は忘れる。責任は問わないという選挙結果になる可能最大だ。
 ただ、橋下氏は維新の会代表として発言したので、次の選挙は50日後の参院選だ。懐柔や忘却戦術は通用しない期間だ。すすんで責任をとらなくても、とらされることにはなるだろう。 
 とはいえ、政治家が政治責任を取る機会は選挙だけだという橋下氏の論は、民主主義の政治を化石化させるものだ。

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外国特派員協会での橋下氏、論点をずらし、ごまかしに徹する

2013年05月26日 11時08分08秒 | Weblog
 今日(2013・5・27)、外国特派員協会で橋下徹・大阪市長・日本維新の会共同代表は、5月13日の妄言について釈明会見をおこなった。前日に日本語と英語の「私の認識と見解」を公表していた。
 毎日新聞が27日朝刊で、「橋下氏苦しい弁明 メディアに責任転嫁」という見出しで見解報道をしたように、事実としていったことに責任をとらず、彼の得意の論点ずらしとごまかしに徹する内容だった。
 見解の冒頭に「発言の一部が文脈から切り離され、断片のみが伝えられることによって、本来の私の理念や価値観とは正反対の人物像・政治家像が流布してしまっていることが、この上なく残念です」といっているが、橋下政治・発言をチェックしてきた人間からすると、流布されたという政治家像が本来の姿であり、何の違和感もない。
 同じ冒頭の項で「私の本意とは正反対の受け止め方、すなわち女性蔑視である等の報道が続いたことは、痛恨の極みであります」と訴えている。まさに女性蔑視、女性の人権を侵害している、ここに橋下発言の本質がある。女性たちは、そこをするどく見抜いて、橋下批判をつよめ、行動を起こしたのだ。
 橋下氏は、従軍慰安婦について、「慰安婦の利用を容認したことはこれまで一度もありません。私の発言の一部が切り取られ、私の真意と正反対の意味を持った発言とする報道が世界中を駆け巡ったことは、極めて遺憾です。」「第2次世界大戦中のアメリカ軍、イギリス軍、フランス軍、ドイツ軍、旧ソ連軍その他の軍においても、そして朝鮮戦争やベトナム戦争における韓国軍においても、この問題は存在しました。このような歴史的文脈において、『戦時においては』『世界各国の軍が』女性を必要としていたのではないかと発言したところ、『私自身が』必要と考える、『私が』容認していると誤報されてしまいました。」と述べた。
 5月13日、実際に発言したのはこうだ。「日本軍だけじゃなく、いろんな軍で慰安婦制度を活用していた。そりゃそうですよ。銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命かけて走っていく時に、精神的にも高ぶっている集団はやっぱりどこかでね、休息じゃないけれどもそういうことをさせてあげようと思ったら慰安婦制度っていうものは必要なのは、これは誰だって分かるわけです。」
 橋下氏は、批判が高まると、それは受け取る側の読解力の問題だ、さらに誤報だといいだした。今日、橋下氏は、最終的にこの発言は撤回せず、「私が容認していると誤報された」といった。
 だが、問題発言の翌日14日、彼は「(記事は)比較的正確に引用してくれていた」「フェアに出している」とツイッターに書き込み、毎日新聞が14日朝刊に掲載した記者と彼との一問一答についても「ある意味すべて」と評価していたのだ。ということは、報道について180度評価を変え、自分が負うべき責任をマスメディアに転嫁したのだ。
 問題発言において、彼は慰安婦を容認していなかったか。「休息させてあげようと思ったら慰安婦制度っていうものは必要なのは、これは誰だって分かるわけです」といっている。必要なのは誰だって分かると、多くの人に同意を求めている。そこに発言している本人が含まれていないというのは、それこそ読解力欠如だ。橋下本人が含まれているのは小学生の読解力わかる。
 彼は、15日午後の時点では、「いま慰安婦が必要だと一言も言っていない。日本の行為を正当化するつもりは毛頭ない」「容認はしていない。必要というのは客観的事実だ」といっていた。つまり、今も慰安婦が必要だといっていると誤解してもらっては困る、といっていた。今の世界で慰安婦制度を主張するものがいるはずがないではないか。当時の制度を容認するかどうかしかない。あたりまえだ。結局、彼は、当時は必要だったといったのは、ごまかしようがない。
 橋下氏は、見解で、各国も慰安婦を利用したのに、日本だけが問題があったと報じられるのは不当だといい、兵士による女性の尊厳の蹂躙問題の解決のため、この一点のために発言したのだという。女性蔑視、元慰安婦への冒涜発言が、世界の女性のための発言だったというのだ。まさに黒を白といいくるめるものだ。一方で、慰安婦を容認したことは一度もないといい、見解全体をつうじて他国こそが問題をかかえ、自分は戦場の女性問題解決の旗手だという。みごとな論点ずらし、ごまかしだ。こんなずるい議論はほとんど例がない。
 従軍慰安婦制度について、橋下氏は、「戦時中、国家の意思として女性を拉致した、国家の意思として女性を売買したということにあるのであれば、それは事実と異なります」とあいも変わらず安倍首相と同じ否定論をくりかえした。事実は、国家の意思として日本軍が、慰安所の設立計画、業者の選定、資金のあっせん、女性集め、女性の移送、慰安所の管理、建物・資材の提供など、全面的に管理した。日本軍は、海外の占領地・戦地に350万人の兵士を展開し、兵士100人にひとりの割合で慰安婦の必要数を計算し、割り当てをした。このように軍の直接管理の下で慰安所を設営したのが日本軍慰安婦制度で、これに近いのがドイツのナチスだ。だがナチスは植民地から慰安婦を連れてくることはなかった。第1次大戦で植民地を失ったから。
 橋下氏は、家に入って人さらいのように連れていくことはなかったという安倍首相と同じ立場から、拉致・連行・人身売買はなかったといった。強制連行があったかなかったかは主要な問題ではない。従軍慰安婦制度全体が強制性をもつ。国連も国際輿論も同様だ。しかし強制連行についていえば、仕事があるといってだまして連れていくのは明白な強制連行で、その事実は占領地では広範に存在した。国家の意思としてやってないと橋下氏はいうが、むりやり連行された、だまして連れられた証言はたくさんあり、東京裁判はじめ戦犯裁判で証拠採用されたものは公文書として確定している。強制連行を指示する命令書がないから強制連行はないといいたいのだろうが、奴隷刈りのように連行しろとか、暴力を使って連行しろと政府・軍の公文書に書くはずがないし書けない。違法行為を公文書で命じるはずがない。
 橋下氏が国家意思として連行していないといいはるのは、元慰安婦を二重に冒涜するもので、女性の人権の闘士であるかのように粉飾したのがたちまちはげ落ちた。
 ここでマスメディアの問題に触れたい。今回の橋下慰安婦発言にかかわって、問題を掘り下げる報道がまったくなされなかったことだ。すなわち従軍慰安婦の歴史、制度、被害者の実態報道を全くやらなかったことだ。これをやらないから、橋下氏が平然と妄言をくりかえす余地を与えるのだ。安倍首相をはじめとする右翼の脅しをこわがって、踏み込もうとしないマスメディアの姿勢は批判されなければならない。
 
 橋下氏の妄言の2つ目は、沖縄のアメリカ軍司令官に対する発言だ。
「普天間飛行場に行ったとき、『もっと風俗業を活用してほしい』と言ったら、米海兵隊司令官は『米国では禁止している』と。『そんな建前論みたいなこと言ってるから、おかしくなるんですよ』と(僕は言った)。そういうものを真正面から活用してもらわないと、海兵隊の猛者の性的なエネルギーはコントロールできない。」これが橋下発言だ。
 海兵隊兵士の性欲管理に風俗業の活用を進言した。女性を兵士の性の道具視していることから、とりわけ大きい批判がまきおこった。過去の慰安婦容認にとどまらず、現在の軍隊用に女性の利用を進言したのだから、右翼政治家のなかでも類のない発言だった。彼は、こんどの会見で、世界の戦場での女性の人権蹂躙に取り組むと大見得を切ったが、それと正反対の発言をして平然としていたのだから、その神経を疑う。慰安婦を容認したことは一度もないというが、慰安婦と地続きの風俗嬢の活用をいうのは、現在も慰安婦を容認しているのと同じではないか。
 さすがに、これはもたないと思ったのだろう。また政権に食い込みたい立場からは、これ以上盟主アメリカにうとまれないようにしなけれないけない。
「在日アメリカ軍兵士の性犯罪を抑止するために風俗営業の利用を進言したという報道もありました。これは私の真意ではありません。私の真意は、一部の在日アメリカ軍兵士による犯罪を抑止し、より強固な日米同盟と日米の信頼関係を築くことです。」と弁解した。そして「今回の私の発言は、アメリカ軍のみならずアメリカ国民を侮辱することにも繋がる不適切な表現でしたので、この表現は撤回するとともにお詫び申し上げます。」とアメリカ軍・アメリカ国民にだけ、撤回・謝罪した。
 この発言で全女性を侮辱したことに対しては、いっさい謝罪しない。性犯罪をくりかえす米兵には別の女性をあてがえばいいという女性観を反省した跡はまったくみられない。だから、日米軍事同盟にひびを入れないためにだけ謝罪したのだ。
 これは元慰安婦を3重に侮辱したことになる。橋下氏が、人権、女性の尊厳という言葉をちりばめて「見解」を作成したけれども、にわか仕込みの人権では底がわれる。
 外国人記者の質問に、橋下氏は大阪・飛田新地の料理組合の顧問弁護士だったことを認めた。日本人フリー記者が「名称は料理組合かもしれないが、飛田はお店の2階に上がってお金を払えば買春できることは、大阪のちょっとませた中学生なら誰でも知っている」と指摘したのに対し、「違法であれば捜査機関が処罰します。料理組合は違法ではない」と答え、その場はなんとかしのいだ。だが問題は大きい。
 というのは、橋下氏は、売買春を今も公然と行なっている業者組合の顧問弁護士だった(公職につくまで)。すくなくとも売春制度の下で苦しんでいる女性の立場ではなく、売春婦を雇用し搾取する側の立場に立っていたということだ。その彼が女性の人権とか尊厳とかを「見解」でいっても違和感が増すばかりだ。
 橋下氏は、風俗業は合法だから何ら問題ない、合法の風俗をすすめたのに、翻訳が売春としたために誤解されたといってきた。彼は、米軍当局のように買春を禁止する建前論ではダメだ、真正面から活用してもらわないと性欲はコントロールできないといった。その際、彼は慎重に「風俗業」といった。合法的な範囲で活用をといった。しかし、風俗業は世間では性風俗業と解釈してしまうが、法的には範囲が広く、喫茶店までが入る。まさか橋下氏は、喫茶店利用をすすめたのではあるまい。性風俗利用をすすめたのだが、それはまさに売買春と地続きだ。違法な売買春をすすめるとは言えないから風俗といったに過ぎない。
 売春業者の顧問弁護士をしていた橋下氏が、飛田の料理組合のような風俗業の活用を公言した事実は消すことはできない。
 売春業者の顧問弁護士をしていた橋下氏に、女性の人権・尊厳をいう資格などあるはずがない。

 「寛解」に目を疑う一文があった。「私は(中略)、極めてオーソドックスな立憲主義の立場を採る者です」というくだりだ。橋下氏は、安倍自民と歩調をあわせて、96条改憲を主張している。権力者を縛るのが立憲主義だ。権力者の改憲のハードルを下げる運動をしながら立憲主義を唱える自己矛盾に気づかない。いや、両立しないものを平気で主張するのが橋下氏の姿なのだ。数行前の指摘でもそれはいえる。
 
 5月13日の妄言から27日の最終態度表明までの一連の発言は、彼の女性蔑視、元慰安婦冒涜をいっそうきわだたせ、歴史に刻みつけることになった。公人としての資格がないことが最終的にはっきりした。本家本元の安倍自民とその突撃隊を任ずる維新の現状は、日本の政治の異常を世界に知らしめた。































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退職教職員の会総会、大阪歴史教育者協議会大会

2013年05月25日 19時38分10秒 | Weblog
 25日は府立高校退職教職員の会(初代会長は山川信夫氏)の第23回総会だった。わたしは、退教ではなんと若手に属する。わたしの大学の大先輩・松野由子(よりこ)さんに会えるまたとない機会だ。松野さんは、朝鮮戦争の頃の上八学舎のジェンヌダルクだった。議論では当然、橋下妄言が主題に。しかし橋下のみが批判を受けて、本家本元の安倍をぬくぬくとさせてはいけないとの指摘はそのとおりだった。総会の後の懇親会も楽しかった。チェロとバイオリンの4重奏もレベルの向上が著しかった。シャンソンも日頃の練習が生きていた。松浦さんの上六の純喫茶・ガットネロで2次会。友人松浦さんの店とてビールとワインを持ち込んだ。松浦由美子さんは、大阪では知る人ぞ知るシャンソン歌手だ。「従軍慰安婦の歌」などがある。演奏会をたびたび開いている。
 26日は、大阪歴教協の大会だった。あまり熱心でない会員だが、今年は10時からの総会にも出た。今年は全国大会が大阪である。吹田千里山の関西大学で。前回大阪でやったのはたしか1989年だから、全国をめぐって大阪に来るのに20数年かかっている。教育研究団体としてはしっかりしている証拠だ。大会は8月2,3,4日。全体会は2日(金)13時半。記念講演は、内田樹さんの「ポストグローバル期の国民の歴史」だだ。全体会だけの参加も歓迎。市民の参加も大歓迎だ。千人規模が目標だ。







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テレビの橋下優遇は異常

2013年05月25日 17時59分42秒 | Weblog
 元慰安婦と全女性を愚弄した橋下妄言へのテレビの対応を批判したい。新聞はまだ良識を発揮しているが、テレビがひどい。各局が橋下氏を生出演させていいたい放題いわせている。
 先週日曜(2013・5・19)ABCテレビ「報道ステーションSUNDAY]に橋下氏が大阪のスタジオから出演する形でながながといいわけをさせた。わたしは腹が立って、大阪の朝日放送(留守番電話)に抗議した。金曜日に囲み取材はもうやめますと言いながら、月曜日には再開。土日はもともとなかったから、結局、囲み取材拒否はいちどもなし。その土日が彼の生出演の稼ぎどきだ。こんどの土日もあちこちでまくり。いずれもいいたい放題いわせている。
 今日(26日)も関西テレビ(フジ)の「報道2001」では東京のスタジオで生出演。しかも右翼の理論的リーダー?の西尾幹二がでていて、橋下氏をささえる。西尾氏にくらべれば橋下氏は良識派とおもわせる配置だ。日曜日とて、関西では昼の読売テレビで「たかじんのそこまでいって委員会」が橋下発言をテーマに櫻井よしこをメインに右派メンバーが慰安婦のどこが悪いと激論?だ。櫻井よしこ氏は朝鮮戦争でも韓国軍に慰安所があったと説明したが、それも旧日本軍将校から韓国軍将校に横滑りした連中がつくらせたもので日本軍の制度移植だ。発足から10年になるこの番組は、世論の右傾化を引っ張る役割を果たしている。
 総じてテレビの橋下持ち上げ・優遇は異常だ。2大政党制が崩れたのをより右翼的に埋める騎手としてもちあげた維新が、そのあまりの右翼的体質のゆえにつまずいたのを、支配勢力の演出担当のテレビがテコ入れに務めているという構図だ。
 昨日(25日)の読売テレビの番組では、橋下氏は、米軍にもっと風俗業を活用してほしいと求めた発言を不適切だったとして撤回表明をした。だが、撤回の相手は、米軍とアメリカ国民なのだ。女性を米兵の性の道具と見ているのに、「女性を蔑視しているつもりはない」などと平気でいう。
 このパフォーマンスは、日米軍事同盟の盟主アメリカに悪く思われては維新の将来がない、と判断した結果にすぎない。だからアメリカ向け、限定付き撤回なのだ。本質は全女性に対する人権侵害なのに、すりかえる。







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品性下劣、腐りきった集団・維新

2013年05月24日 04時31分48秒 | Weblog
 維新という政治集団の品性のなさには、ほとほとあきれる。精神的貧困というより、腐敗した精神とでもいうおぞましさがある。
 橋下氏は、若くして茶髪弁護士として週刊誌に人権無視のコラムを書いていた。やがて歴史認識で超右翼的な、にわか仕込みの見解を振りまくようになり、政治家へと転身した。
 職員の思想調査を職務命令でおこない、職員の思想良心の自由をうばう条例を制定した。南京大虐殺でも、従軍慰安婦問題でも、歴史の事実をくつがえす発言をくりかえしてきた。
 去年は、「河野談話は日本政府の大失態。慰安婦が暴行迫害を受けて連れてこられた証拠はない。証拠があれば、韓国の皆さんに出してもらいたい」などと元慰安婦の人権二重に蹂躙する発言をした。
 そして今度の「高ぶっている集団に休息をさせてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰でもわかる」「もっと風俗業を活用して欲しい」と米軍に要望するなど、元慰安婦ばかりか全女性を傷つける暴言を吐いた。
 猛烈な批判を受けても、撤回せず、逆にいいわけとごまかしをエスカレートさせた。その発言に付き添っていくと、聞いている方の頭がおかしくなるようなごまかしだ。いつのまにか、沖縄の女性のための人権運動をやっているかのような、世界の軍隊の人権蹂躙をただす活動家のような発言をし、論点をずらし、人々を煙に巻くのに必死だ。しかし今度ばかりは、多くの人々もだまされない。これまでは、彼のごまかしの長広舌にだまされてきた。
 維新という政党のいかがわしさは、この橋下暴言をやめさせる動きがないことだ。逆にこれに賛意を示し、エスカレートさせていることだ。松井幹事長・大阪府知事しかり、「軍隊と売春はつきもの」という石原共同代表しかり。西村真吾議員は、聞くに耐えない、文字することもはばかられる内容の発言をした。中山成彬代議士会長は、元慰安婦の会見中止に対してツイッターで「橋下氏に強制連行の中身を鋭く追及されるのを怖れたか?化けの皮が剥がれるところだったのに残念」と発言した。おそろしい精神構造だ。
 こんな勢力が、安倍自民と手を組んで日本を席捲するようになったら、それこそこの世も終わりだ。










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橋下氏との面会中止は正解

2013年05月23日 17時40分30秒 | Weblog
 今日24日(2013・5・24)に予定されていた元従軍慰安婦のお二人と橋下大阪市長・維新代表との面会が中止になった。お二人が「発言を撤回するつもりがないのなら会う意味がない」ということで、支援団体が市に中止を申し入れた。
 中止したのは正解だ。支援団体が発表した「橋下市長の仕組まれた謝罪パフォーマンス、シナリオに合わせることはできません。犯罪に等しい妄言を撤回し、公式謝罪しなければならないと考えます。政界から引退することを望みます」というお二人の声明はそのとおりだ。
 元慰安婦のお二人の意に反する政治利用をくいとめたのは本当によかった。
 
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橋下氏、元慰安婦女性と明日面会、その政治利用に警戒せよ

2013年05月22日 13時27分35秒 | Weblog
 橋下徹大阪市長・維新の会代表は明日(2013・5・24)、大阪市役所で元慰安婦の金福童さん、吉元玉さんと面会する。公開で、人数を限って、30分だけだそうだ。
 橋下氏は「慰安婦制度が必要なのは誰でもわかる」と元慰安婦の方々を痛めつける暴言をはいた。激しい批判抗議にもかかわらず、いいわけをくり返し、発言撤回も謝罪もしていない。去年8月には、「慰安婦が暴行脅迫を受けて連れてこられた証拠はない」「証拠があれば、韓国の皆さんにも出してもらいたい」と暴言をはいていた。生き証人と面談して、橋下氏はなにをいうつもりか。
 去年の暴言のあと、元慰安婦が来日した際は、面談申し入れに対し、市役所にいないといって、家でツイッターにふけっていた。
 今回、十分警戒しなければならないのは、橋下氏がこの面談の機会を自らの政治宣伝に利用する危険があることだ。彼はこれまで何度も、テレビカメラを前にして涙を流す演出をしてきた。こんども元慰安婦を前に涙を流すというパフォーマンスをする可能性がある。最大の差別者が理解者であるかのようにふるまわれてはたまらない。
 橋下氏には、すべての公職からの辞任を要求しなければならない。

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大嘘つき・橋下維新代表、3日ももたずに囲み取材に応じる

2013年05月19日 05時47分05秒 | Weblog
 17日、政治家の発言について質問された橋下氏は、「文脈をきちっと取って報道するのは皆さんの役目だ。『一言一句チェックしろ』というなら(取材対応を)やめます」と宣言した。正規の記者会見以外の取材対応については、喧嘩腰で「やめます!一切やめます!」と宣言して会見場をあとにした。
 わたしは17日のブログで、嘘をつかないように要望した。しかし橋下氏の言動をずっとチェックしてきた人間として、あやしいと思っていたがその通りになった。今日(20日)18時前、ちゃっかり会見場で囲み取材に応じていた。タバコ1本で生涯賃金で数百万円に及ぶ停職処分をする橋下氏が、自分のやった元慰安婦や女性への人権侵害、そして今度の大嘘・ペテンに対してどんな処分をするのか。橋下氏は口を開けばルール、ルールといってきた、君が代斉唱をルールにしたのだから従わないものには懲罰、職員のタバコは禁止、違反は停職処分と厳罰につぐ厳罰。自分で啖呵を切って新ルールをつくったのに、自分のルール違反はおとがめなし。
 政治家は言葉に責任を持てというのに対して、一言一句チェックしろというなら取材対応をやめると息巻いた。だが、わずか3日でくつがえしたということは、自分の言葉に責任を持たないし、持つ能力もないし、チェックする能力もないということを天下に示した。文脈を取って報道しろということは、橋下氏のこれまでのうそとごまかしの歴史を組み込んだ報道をしろということになる。
 これほど重大な、国際問題にまでなっていることで、平然と大嘘をつくのを、わたしは絶対許さない。








 







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橋下氏は、以後、宣言通り囲み取材応じるな!マスメディアは姿勢を正せ

2013年05月17日 17時56分09秒 | Weblog
 橋下維新の会共同代表は、17日(2013・5・17)、正式な記者会見以外の囲み取材を今後拒否すると宣言した。
 橋下氏は、従軍慰安婦制度が当時は必要だったという発言について、「大誤報をやられた」と報道を批判した。「僕は慰安婦を容認したことは一度もない。メディアは一文だけ聞いて、そこだけ取る。(誤解されたのであれば)日本人の読解力不足だ」「必要だったから(各国軍が)皆やってたんでしょ。(自分が)必要と認めたわけではない」「文脈をきちっと取って報道するのが皆さんの役目だ。一言一句チェックしろというなら(取材対応を)やめます」(『毎日』18日朝刊)という調子だ。
 「容認したことは一度もない」については、別途検討することにして、ここでは、毎朝、毎夕テレビカメラの前で囲み取材(囲み取材とはいうが、会見場に出向いて市のパネルを背にして、多くの記者・カメラマンを相手にやっており、じつに大々的な取材なのだ)を考えたい。
 橋下氏は、文脈を無視して一部を切り取って報道するのがけしからんというが、政治家はそういうことも前提にして言葉をえらんで発言するのが責務であり、常識だ。いままで橋下氏の、人の名誉を傷つける数多くの発言について、その人気ゆえに、マスメディアは責任を問う、批判をするということをしてこなかった。マスメディアはジャーナリズム精神を放棄していた。全国的には昨年夏から橋下報道の異常さを感じられたと思うが、大阪ではそれを数倍増幅させたものが5年間も垂れ流されてきた。大阪の橋下人気、維新人気はマスメディアによってつくられてきた。結果、大阪府民の政治意識はずいぶん右翼的になってきた。かつては反権力的雰囲気の街だったが。
 小泉郵政選挙が小泉首相に操られ、追随したマスメディアによって、自民大勝利のお膳立てがなされたことは全国民周知のことだ。これにたいする反省が当時やられたが、大阪ではそれが5年間連続的に、しかも吉本お笑い芸人の橋下よいしょ発言をそえて、流され続けた。テレビの威力は絶大だ。新聞も同調した。
 橋下氏が、以後、朝夕の取材には一切応じない、絶対やらないと断言したのだから、うそはつかないでほしい。いままでうそが多かったから。『週刊朝日』の件で朝日新聞、テレビ朝日も謝罪しない限り取材拒否といったのに、テレビは翌日OKに切り替えたように。それだけテレビを操ることが彼の政治活動成功のカギだった。
 マスメディアの方も、橋下氏に媚びるようなこれまでの姿勢を改めて欲しい。心ある大阪府民、日本国民はこれまで、どれだけ歯がゆい思いをしてきたことか。でも、新聞テレビの編集長や政治部長、そしてつい最近はみのもんた氏までもが、安倍首相と個人的に会食・懇談をするという癒着がおこってるのだから、腐敗構造はなかなか治らないだろう。監視を強めるしかないのかもしれない。
 
 
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安倍・橋下の「慰安婦の強制連行を示す記述はない」は崩れた

2013年05月15日 08時41分06秒 | Weblog
 安倍首相、橋下維新共同代表らは従軍慰安婦制度について、問題があるとすれば強制連行があるかどうかであって、強制連行の証拠がないのだから、あとは売春という商行為が行われていただけで、何ら問題はなかったといい続けてきた。ただ人でなしだと思われないように、日本が責任を問われることはないが、悲惨なことで同情すべきことだという付け足しをいってきた。だが戦争当時の慰安婦制度をつくったのが人でなしの行いであっただけでなく、21世紀においても商行為だから問題ない、責任はないといい続けるのは、十分人でなしの行いだ。
 だが、国際的には強制連行がなければ商行為としての売春であって問題はないという議論は通用せず、慰安婦制度そのものが戦時性奴隷として問題にされているのだ。そもそも第2次大戦で軍が組織的に慰安所をつくっていたのは日本とドイツだけだった。
 ところがここにきて、安倍首相が歴史をくつがえす発言をくりかえしたもとで、日本共産党の紙智子参院議員が出した質問主意書(2013・4・23)が、彼らの妄言を崩す足がかりをつくった。
 質問主意書の主要な点は以下のとおり。

 2007年3月8日の辻元清美衆院議員の質問主意書に対し、安倍内閣は「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかったところである」との答弁書を閣議決定している。
 本年2月の衆院予算委員会でも、首相は「強制連行を示す証拠はなかったということです。つまり、人さらいのように、人の家にはいっていってさらってきて、いわば慰安婦にしてしまってということは、それを示すものはなかったということを明らかにしたわけであります」と答弁している。
 1999年に法務省から国立公文書館に移管された東京裁判関係文書の綴りに、軍や官憲が慰安婦被害女性を強制的に連行した証拠書類が残されている。書証番号353の「桂林市民控訴その1」、書証番号1725の「尋問調書」、書証番号1794の「日本陸軍注意の陳述書」である。
 353の桂林の事案では「工場の設立を宣伝し四方より徐行を招致し、麗澤門外に連れ行き脅迫して妓女として獣の如き軍隊の淫楽に供した」との記述がある。
 1725の文書には、被害女性の証言として「私を他の6人の婦女や少女等と一緒に連れて収容所の外側にあった警察署へ連れていった。(中略)私等を日本軍俘虜収容所事務所へ連れて行きました。此処で私等は3人の日本人に引き渡されて3台の私有自動車で「マゲラン」へ輸送され、(中略)私達は再び日本人医師に依って健康診断を受けました。此回は少女等も含んでいました。其処で私達は日本人向き娼楼に向けられるものであると聞かされました。(中略)私は一憲兵将校が入って来るまで反抗しました。其憲兵は私達は日本人を接待しなければならない。何故かと云えば若し吾々が進んで応じないならば、居所が判っている吾々の夫が責任を問はれると私に語りました」と記録されている。
 1794は日本陸軍の宣誓陳述書である。
 問「或る証人は貴方が婦女達を強姦しその婦女達は兵営へ連れて行かれ日本人達の用に供されたと言ひましたがそれは本当ですか」
 答「私は兵隊達の為に娼家を一軒設け私自身も之を利用しました」
 問「婦女達はその娼家に行くことを快諾しましたか」
 答「或者は快諾し或る者は快諾しませんでした」
 問「幾人女がそこに居りましたか」
 答「6人です」
 問「その女達の中幾人が娼家に入る様に強ひられましたか」
 答「5人です」
 問「どうしてそれ等の婦女たちは娼家に入る様に強ひられたのですか」
 答「彼等は憲兵隊を攻撃した者の娘達でありました」
 問「ではその婦女達は父親達のした事の罰として娼家に入るように強ひられたのですね」
 答「左様です」
 問「如何程の期間その女達は娼家に入れられていましたか」
 答「8ヶ月です」
 問「何人位この娼家を利用しましたか」
 答「25人です」
1 政府は、これらの文書の存在を河野官房長官談話発表までに承知していたか。
2 河野官房長官談話発表後も、政府は「慰安婦」問題の調査を継続しているが、今日まで政府はこれらの文書を内閣官房に保管しているか。
3 これらの文書は、安倍首相の答弁内容である「軍や官憲の強制連行」「人さらいのように、人の家に入っていってさらってきて、いわば慰安婦にしてしまったということ」を示す文書とみなせるのではないか。

これに対し、5月7日の閣議決定による答弁書は、「御指摘の各文書については、内閣官房において保管はしていない。」「事柄の性質上、その後も新しい資料が発見される可能性はあることから、そのような場合には、関係省庁等に対して内閣官房に報告をするようもとめているところである。」といっている。3に対しては、河野官房長官談話の「発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかったものである。」とした。
 この答弁書をどう見るかだが、保管はしていないというが、存在を否定していないし、さらに新しい資料が発見される可能性はあると述べている点が重要だ。また、これら文書は強制連行を示す文書とみなせるではないかとの質問に対して、強制性を示すものではないともいえず、1993年発表段階では見当たらなかったと逃げの答弁しかできていない。
 紙議員もいっているが、強制連行をしめす証拠はないといいつづけてきた彼らの牙城を崩す足がかりができた。紙議員の記事は2013・5・11『赤旗』所収。なお、紙議員の指摘した資料は、林博史関東学院大学教授が発見し、2007年4月17日に発表したものである。林氏の資料については、『赤旗』2007・4・19がくわしい。今度のは既に発表された資料ではあるが、今の政治情勢の下で、突きつけた意味はおおきい。

 安倍首相や橋下維新代表は、強制連行を直接示す証拠がないというのを唯一の拠り所にして、慰安婦制度は同情すべきことだが商売だったと、日本軍を免罪してきた。しかし慰安婦制度全体が本人の意思をふみにじってレイプをくりかえした人権蹂躙だった。安倍・橋下氏ら右翼の論法は、問題を勝手に狭く設定して、そこをクリアできれば全体が問題なしだとするやり方だ。だがこんな手前勝手は国連をはじめとする外部世界では通用しない。彼らの議論は全くの内弁慶の議論だ。
 強制連行についても被害女性の証言は山とある。弁護士の橋下氏は、刑事事件で被害者の証言を証拠として扱わないのだろうか。まったくばかげている。公文書がないから強制連行はないというが、今度の紙議員の指摘は、東京裁判でのオランダ、中国の政府がつくり、裁判の証拠として採用された公文書だ。安倍・橋下氏らは追い詰められた。
 彼らは日本政府・日本軍の正式の通達・通知がないかぎり認められないというだろう。8月15日を期して、政府・軍は、文書償却を命じ、引き出しの奥、机の足を下の詰め物などもしっかり調べよと念を押した。だから現時点では発見されていない。しかし中国の各地の公文書館には日本軍から没収した資料で未発見のものがあるはずだ。だから出てくる可能性はある。しかし、出ないとしても、慰安婦制度の強制性はなんら変わらない。
 橋下氏はアメリカなども慰安婦を利用した、日本だけが悪いのではないといいつのるが、計画立案、建物・資材提供、女性あつめ・輸送、軍医による定期的診断、慰安所の管理など全面的に軍が管理運営してきた。事実上軍の組織の一部となっているのは、他国には見られない。よそもやっているという子供じみた議論はなさけない。





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橋下氏は市長・党代表につく資格はない

2013年05月14日 17時54分09秒 | Weblog
 橋下徹氏の人権侵害、女性蔑視発言は、彼が市長や政党代表などの公の職に就く資格がないことを世界に知らしめた。ただちに公職から退くことを求める。
 13日の大阪市役所での慰安婦必要、風俗業活用発言に対して、国内外から猛烈な抗議が巻き起こった。これに対し橋下氏は、14日市役所を休んで(公的には公務がなかったということだ)、朝6時からツイッターで25回発言をつづけた。14日深夜から15日午前にかけても30回ツイートしたようだ(産経)。
 これまでの右翼政治家は、慰安婦問題は強制連行の有無につきる、強制連行の証拠がなければ何ら問題がないということをくりかえしてきた。だが強制連行があろうが無かろうが、慰安婦制度は許し難い戦争犯罪だ。ところが今回の橋下発言は、それを飛び越えて、「あれだけ銃弾が飛び交う中で、命をかけて走っていく時に、猛者集団、精神的に高ぶっている集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度というものが必要なのは誰だって分かる」と必要論をぶったことだ。誰だって分かる?とんでもない。橋下さん、あんただけだ。
 また性犯罪をくりかえす在日米軍に対処の仕方を教えたと見えを切った。「僕は沖縄の普天間に行ったときに海兵隊の司令官に、もっと風俗業を活用してほしいといった。米軍は禁止といっているというから、そんな建前みたいなことをいうからおかしくなる。性的エネルギーを合法的に解消できる場所を真正面から活用してもらわないと、海兵隊の猛者の性的エネルギーをきちんとコントロールできない」と。
 すぐに連想したのが、1945年8月から全国につくられた進駐軍向けの慰安施設=RAA(recreation & amusement association)のことだ。就任早々の東久邇(ひがしくに)皇族内閣が最初に行なった仕事が、アメリカ進駐軍に日本女性を提供することだった。『近代日本総合年表』によれば、8・17東久邇内閣成立 8・18内務省、地方長官に占領軍向け性的慰安施設設置を指令 8・26接客業者ら銀座に(株)特殊慰安施設協会[RAA]設立 8・27最初の施設小町園、大森に開業、とある。公金を支出して慰安所をつくったのだ。日本兵が中国で強姦を繰り返すのをすこしでも抑えるためと性病蔓延による士気の低下をくい止めるために、上海をかわきりに慰安所をつくっていった経験を生かしたのだ。今度はアメリカ兵のために。
 橋下氏が米軍司令官にすすめたのはこれと同じことだ。橋下氏は、かつてのように金に縛られてではなく、今は自由意思でやっているから何ら問題はない、問題だというのは逆に差別だ、積極的に活用すればいいというのだ。
 沖縄で全国で、とくに女性から猛烈な批判、講義の声が上がっているのは当然だ。戦争犯罪の問題にとどまらず、女性を兵士の性の道具としてしか見ていない。女性蔑視もはなはだしい。
 維新の会のもう一方の代表石原慎太郎氏も、幹事長で大阪府知事の松井一郎氏も橋下発言を擁護している。
 橋下氏の発言は、世界の人々に驚愕を与えている。橋下維新と安倍自民の右翼思想、人権侵害発言は日本の信用を失墜させた。
 橋下氏は大阪市長、日本維新の会の共同代表だが、公的な職に就く資格がない。ただちに辞職すべきだ。








 










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橋下・維新代表、「慰安婦制度は必要」

2013年05月13日 22時47分27秒 | Weblog
 安倍首相が、日本の植民地支配、侵略戦争、慰安婦制度などで、韓国、中国だけでなく、アメリカ、ヨーロッパからも批判を受けて、歴史修正主義者として烙印を押されている。この安倍首相を孤立させてはならじと、しゃしゃり出たのが、橋下徹・日本維新の会代表だ。
 橋下氏は13日(2013・5・13)「銃弾が飛び交う中で、精神的にも高ぶっている集団に休息をさせてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる」と軍慰安婦制度を擁護した。慰安婦をあてがうことが兵士の休息だという。びっくりする橋下流休息論だ。
 橋下氏は、慰安婦制度を持っていたのは日本軍だけじゃないと日本の責任を不問にしようとするが、軍の制度として軍の管理のもとで、植民地朝鮮や中国・東南アジアなど占領地の女性を強制的に辱めたのは歴史的事実だ。
 橋下氏は、「韓国とかいろんなところの宣伝の効果があって、(日本が)レイプ国家だと見られてしまっているところが一番問題」という。事実ではないことを韓国などが吹聴しているかのようにいうが、被害女性の証言は動かぬ証拠だ。これは1993年の河野官房長官談話も認めたところだ。まちがってレイプ国家とみられているのではない。強制的にレイプする制度をつくり、アジア各地の占領地にそれを展開したのだ。
 橋下氏はまた、「侵略の定義が学術上ないことは、安倍晋三首相の言われているとおり」とも述べた。国際法上は1974年12月の国連総会での「侵略の定義に関する条約」がある。学術的に定義がないというのは、安倍・橋下氏と立場を同じくする人物が日本の戦争を侵略だと認めたくないために侵略の定義はないといっているだけであって、現代史研究、国際法学研究の世界では国連決議と流れを同じくする定義づけがなされている。
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