なんのことはない。アベスガ政治の焼き直しじゃないか。新自由主義がどうとか?新自由主義の権化のアベスガ政治で大臣・政調会長としてその中枢にいたのに何をいうか。新自由主義のどこが問題でどんな被害を及ぼしたか、その責任を問わず、どこをどう変えるのかを言わない。バイデン大統領の10分の1程度でも言えば議論の対象にしてもいい。
「特技は人の話を聞くこと」?森友の改ざんで自殺にまで追い込まれた赤木さんの声は聞かないのか。桜を見る会で後援会員を国費で接待した事件を問いただす質問状には無視をきめこむ。
11月7日投票が決まりだと思われていたのに、国会で自由な質疑応答が保障される予算委員会を行えないように、形式的な代表質問の後すぐ解散総選挙。聞く耳はなく、答える気もない。これでは菅首相と変わらない。
岸田体制のシンボルが甘利幹事長。政治と金の問題で大臣を辞任し、国会に対して説明をするといいながら、「睡眠障害」だといって入院雲隠れ。国会は昼開いているのだから睡眠障害でも出てこれる。以来、何年間も責任を果たさないできたのに、政権発足に際し裏でがんばった功績で幹事長。この政権は最初から腐っているではないか。
上智大学教授の三浦まりさんが「朝日」9月30日付けで書いた「フェアな総選挙のために」が現瞬間の要点を示している。三浦さんは、9月3日の菅辞任表明からの1か月は「自民党政治ショーの第1幕」、つづく首相指名、組閣、所信表明が「自民党政治ショーの第2幕」だという。これらは自民党によるメディアジャックによって演出されてきた。テレビ局にとっても考えなくてもいいから作る苦しみもなく、すり寄るだけで番組がどんどんできる。らくちんだ。しかしテレビの、私は放送法違反だと思う堕落現象だ。
三浦さんは、メディアジャックによって優位を自民党に与えてしまった後で選挙期間に入ってから各党に同じ時間・分量で報道してもそれまでの優劣の差は埋まらないという。事実、世論調査では菅政治で最低に落ち込んだ支持率が10ポイントも自民党に与えられている。これを宣伝費に置き換えたら、とても払いきれない金額だ。
三浦さんは大事な点を指摘する。「この状況下でフェアプレーを確保するためにはどうすればいいのか。与党には過去をより問い、野党には未来をより問う、非対照的な点検が必要だろう」と。政権がおこなってきた政治の評価を問うのが選挙の役割だ。だが全テレビ演出による自民政治ショーは自公政治を忘れさせ、不問にする催眠ショーだ。これほど悪質な政治ショーは見たことない。三浦さんは、野党への投票が未来への投資となるのは現政権とは異なる価値観が感じられる時だという。女性・ジェンダーが試金石だと。そのとおりだ。加えて、気候危機がどれだけ深刻な課題として国民に意識されるかだ。
4年前、安倍氏が北朝鮮と少子高齢化を国難だといいつのって票をかすめとった。今、コロナ爆発・医療崩壊が未経験の国難として国民を襲っている。全国いっせい休校・200億円アベノマスクの安倍、PCR検査をふやすと医療崩壊を招く・中等症までは原則自宅待機という菅政治に対して国民が点数をつける選挙だ。
先に加えてと書いたが、すでに今、そしてこれからずっと人類的災難の気候危機を選挙の大争点に押し上げなければならない。コロナはやがて抑え込める。しかし気候危機は見通しが暗い。野党共通政策や共産党の「2030戦略」で方向は明確になっているが、政府の方針は、石炭火力発電を9基建設し、輸出も進めるものでインチキとしかいいようがない。
ノルウエーとドイツで気候危機への取り組みが総選挙の最大争点となり、その結果は、世界政治をより前へ引っ張るものとなった。気候危機は国難どころか人類生存の危機だ。これを国政レベルでも前例のない国難だと意識して議論しなければならない。
9月8日に市民連合と野党4党の政策協定が成立し、9月30日立憲民主党と日本共産党が政権合意に達した。共産党は、大臣になるのが目的ではないので閣外協力で20項目の野党共通政策実現のためにやるのだという。気候、ジェンダーで抜本改革をかかげて新しい日本へと切り込みたいものだ。