山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

安倍所信表明、浮いた言葉のよせあつめ、その陰に社会破壊への野望

2014年09月30日 11時33分01秒 | Weblog
 安倍首相の所信表明演説(2014・9・29)の全文を読んだ。軽い、浮いた言葉の寄せ集め、テレビで紹介されたうまくいったエピソードで飾った作文だ。国民の苦しみを意に介さない、特異な政治家だ。それは国際オリンピック委員会総会の演説で、「状況はコントロールされている」「汚染水による影響は福島第1原発の湾内の0.3㎢の範囲内で完全にブロックされている」と平気でウソをついて世界をだましたことでわかる。
 所信表明で安倍氏は、「福島は今、実りの秋を迎えています。先日訪れた広野町では、復興を成し遂げた水田に、黄金色の稲穂が輝いていました」「不安を一つひとつ解消してまいります」という。しかし人々の意識とはかい離している。いまだに故郷に帰れない人が12万5千人もいる現実と、この妙な明るさとどちらが真実なのか。コントロールしているはずの汚染水の垂れ流しにはいっさい触れない。
 東北の復興では、農地の集積をすすめて、攻めの農業をつくり、壊滅的な大地から最先端の農業をという。震災をテコに農業の淘汰をすすめるのだ。何が復興だ、なにが地方創生だ。切り捨てが主要な側面で、ごく一部売れる農業ができても、全体としては荒廃がすすむ、これが安倍流の世界だ。
 地方再生の項では、観光や特産品の販売で伸びた例を陳列する。いずれもテレビでやったやつの寄せ集めだ。この項の最後で、「美しい日本を支えているのは、中山間地や離島をはじめ、地方にお住いの皆さんです。そうした故郷を、消滅させてはならない。もはや時間の猶予はありません」という。日本の地域という地域を荒廃させ、安倍氏の生まれ故郷でもない山口もシャッター街ばかり、安倍氏が官房長官ですすめた小泉市町村合併で疲弊は目を覆うばかりだ。すべて自民党政治の結果ではないか。「消滅させてはならない」などと、よくいうよと思う。オリンピック演説と同じだ。
 4項が「地球儀を俯瞰する外交」だ。東アジアの一番身近で協力関係を築かなければならない韓国、中国といまだ一度も会談できないで、地球儀を俯瞰するとはなんだ。就任以来49ヶ国を訪問したと胸を張る。手をつないで、莫大な金を使う。1回で2億円ほどの金を使って世界を行脚しているようだ。行った先の政府に大盤振る舞いの資金供与を約束する。外交では公表されない国際賄賂も提供する(これはわたしの常識的推測)。車の好きな政府要人には、高級乗用車を2機目の政府専用機に積み込んで提供することなど朝飯前、もっとも現金の方が普通だろうが。これはもちろん税金から支出。外交機密費だから領収書など心配なし。使い放題だ。それにしてもよく出歩いたものだ。1年10カ月で49ヶ国。これまでの最高の小泉首相は5年5カ月で48ヵ国だった。安倍首相は外遊で中国包囲網をつくることもねらっているようだが、そんなことできるわけがない。外遊で使いまくった金額を公表せよ!
 この項では、短い言葉ながら、TPPを戦略的に推し進めますといい、日本農業の戦略的破壊を放棄していない。インド首相から積極的平和主義=軍事優先外交に支持を得ることができたと誇る。米軍基地については、抑止力=軍事力を維持しつつ基地負担の軽減、民主党のような「言葉」ではなく「行動」で取り組んでまいります、という。沖縄県民の8割が強権的な工事に反対を表明している辺野古新基地建設だ。100年の負担を押し付けるのだ。
 成長戦略の5項は、女性が輝く社会をまずあげる。これは女性をいかにうまく利用するかという財界の政策であって、女性の要望に沿った政策ではない。成長戦略の中心が「岩盤規制改革」というやつだ。岩盤の様な社会規制(中小零細業者を保護した経済規制は大店法の廃止などでもはや跡形もない)にドリルで穴をあけ、ダイナマイトを仕込んで爆破する。社会規制は弱者保護だ。戦後、民主憲法の下で築いた労働者保護、女性保護、障碍者保護、老人保護などがそれだ。これを岩盤だといって、嫌悪する。何をいうか、人権ではないか。ここを打ち砕いて、大企業にとって自由な、野蛮な資本主義の再構築を目指すのだ。
 「岩盤規制改革」の最初に、「原発の再稼働をすすめます」がくる。つぎに「公立学校の運営を民間に開放します」という。おそろしい。公立学校をあらたな企業の市場にしようというのだ。医療、保育、教育すべてを市場化し、企業の投資先にするのだ。私立学校は資本主義企業ではない。学校法人だ。公立学校をの資金は税金から出して、運営を企業が請け負う。その学校は教育者ではない資本家が企業経営の論理で学校を壟断する。公立学校には経済的に恵まれない家庭の子や、学力に遅れを持った生徒もたくさんいる。彼らに寂しい思いをさせないように幾重もの配慮をしながら全体を引き上げる(学力も、体力も、人格も)努力を日本の公立学校はしてきた。そこを根底からくつがえす最悪の教育破壊だ。安倍氏のいう「グローバル人材育成」「個性に応じた教育」「多様な価値観に応じた教育」などの名前で児童生徒を選別し、財界にとって好ましい人材育成の場に、教育を組み替えようというのだ。戦後民主教育の根底からの破壊だ。
 安倍内閣が、今直接に狙っている「農業・雇用・医療」については具体的に言わない。だがここを打ち砕いて、財界の利益の源泉にしようという意図はみえている。農協破壊は農協が営んでいる金融、販売分野の取りあげをねらっている。この夏北海道の平和ツアーで交流した農家の皆さんは誰も農協解体を望んでいないといった、財界が狙っているだけだと言いきった。農業目的でない農地取得を自由にし、産業廃棄物の捨て場にされるだけだと言ったのが記憶に残る。
 雇用では、今国会にも労働者派遣法改悪案を再提出し、「生涯派遣、正社員ゼロ」を目指そうとしている。さらに残業代ゼロも。200年に及ぶ世界の労働運動の成果をゼロに帰そうというたくらみだ。歴史の逆転、反革命そのものだ。医療についても、命の沙汰も金次第の世の中にもっていこうというのだ。
 「安倍内閣の規制改革に、終わりはありません。この2年間で、あらゆる岩盤規制を打ち砕いていく。その決意を新たに、次の国会も、更にその次も、今後、国会が開かれるたびに、矢継ぎ早に提案させていただきたいと考えております」という。そのあっけらかんとした野蛮さは驚くばかりだ。
 この項の終わりで、この春、多くの企業で賃金がアップしたと自慢した。過去15年間で最高ですという。ならばなぜこれほど消費が落ち込むのか。実質賃金は13か月連続して落ち込んでいるのが実態ではないか。総務省の勤労者世帯の家計調査(6月)でも実収入が1年前より6・6%減っている。
 「6、おわりに」の項では、いっそう浮いた言葉がならぶ。オリンピック委員会演説並みの無責任なことばでしめくくる。安倍内閣の社会破壊のねらいを知らずに浮かれていては、生活基盤を根こそぎ押し流される。
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字が読みにくい、眼がかすむ

2014年09月29日 23時02分48秒 | Weblog
 ここ半年か1年、ひどくなったのが眼のかすみだ。字も読みにくい。0・1にはるか届かない極度の近眼と乱視なので、高屈折の強い眼鏡をかけている。それに老眼もかさなるので遠近両用メガネ(実際は弱近強近メガネという感じだ)をかけている。レンズは特注で値段も高い。自動車運転ができるレベルを確保すると字がどうしても読みづらくなる。読みづらいメガネに目のかすみがひどくなったのだから、ときどきかんしゃくを起こすことにもなる。
 ついに眼科に行った。夜、運転をしていると街頭の明かりはぼんぼりのように見え、車のライトは菊の花か、花火のように絢爛豪華だ。そのことと、自が読みにくいことを訴えると、検査結果を見ながら医師は、白内障がすすんでいるが手術をする段階ではない、ライトの現象については、白内障の人は瞳孔を開こうとするので、光が乱反射するように見えるのだということだった。そのまま様子を見るしかないということだった。字が見にくいのは近視の矯正が強いからとのことで、これもどうしようもない。強いとはいってもどうにか0・7が見える程度なのだが。
 薬もなしで、すごすごと引き下がる結果になった。
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橋下維新、都構想否決されても再提出をきめる

2014年09月27日 10時17分41秒 | Weblog
 26日(2014・9)、大阪府市法定協議会が維新単独で開かれ、大阪都構想協定書議案が合理的な理由や十分な審議がなく府市両議会で否決された場合、同じ議案を再提出することを確認した。合理的な理由がなくとはどういうことか。橋下にとって気に入らない理由ということなってしまう。十分な審議がなくとはどういうことか。府議会の審議日程より早く否決した場合ということだろう。だが10月25日の採決予定日に否決すれは十分な審議がないとはいえない。
 「大阪府議会会議規則」第14条は「議会で議決された事件については同一会期中は、再び提出することができない」と定めている。市議会も同様だ。一事不再議が議会の原則となっている。
 ところが橋下氏は、テレビ取材にこたえて、「十分な審議がなければ一事不再議にはあたらないという解釈も成り立つ」と詭弁を弄した。一事不再議は不再議であって、提案者の思いどおりにいかないことを審議不十分として再議にかけることができれば、可決するまで続けていいことになる。
 「一事不再議を判断する権限は議会にあるかもしれないが提出する権限は僕にある」ともいった。わかのわからない子どもが要求が通るまでだだをこねるのと同じだ。何と言われようと提案するというのだ。しかし、いくら横車を押しても可決される見通しはない。
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府議会開会、議長不信任可決史上初、都構想審議否決へ

2014年09月26日 11時29分00秒 | Weblog
 25日(2014・9)大阪府議会9月議会(会期は12月16日まで)が開会した。大阪都構想の協定書(設計図)や保護者が撤回を求めている市立特別支援学校の府への移管の議案などが上程された。
 午後1時開会のはずが、維新の横暴な議会運営(議会運営委員会だけが維新多数のまま)によって、開会は午後8時。本会議で公明、自民、民主、共産など野党が岡沢議長(維新)の不信任決議案を提出し、可決した。議長の不信任は初のできごとだ。だが法的拘束力がないため、議長は居座るつもりだ。不信任にいたったのは、8月臨時府議会で、野党が都構想を協議する法定協議会の委員を議席数に応じて配分し直す「議会規則改正案」を提出したのを、議長が審議させなかったから「民主的でない」として提出した。さらに25日、野党は、この規則改正案と協定書の無効決議案も提出して、賛成多数で可決した。(『毎日』26日付)
 さあ、維新、松井知事、それに松井氏の意思をも決定する橋下大阪市長はどうでるか。大阪市議会は9月9日から始まっているが(会期は12月9日まで)、大阪都構想協定書議案の提出は10月1日の予定。維新は今日26日、法定協を単独で開き、都構想案を早期否決された場合の対応策を話し合うという(『朝日』26日付)。10月25日が府議会日程では採決日となっているが、それより前に採決に持ち込まれることを想定して対応しようというのか。府議会選出の法定協メンバーを全員維新に入れ替えているのが、こんどの規則改正の可決で議席数に応じた配分になると、たちまち法定協は維新少数となり勝手なことができなくなる。だからその前に、いろいろと謀議を重ねようというのだろう。
 そもそも大阪都構想自体が、もう色あせたものになっている。二重行政の解消によって4000億円の財源が浮いてくるとぶちあげていたが、せいぜい7億円程度しかないということが明らかになってきた。しかも大阪都といっているが、法的には大阪府のままで、決して都ではない。すでに大阪市の福祉、住民サービスはガタガタになっており(橋下政治で)、大阪市が廃止解体されるとそこに残るのはスカスカのろくな権限も財源もない5つの区だけだ。新庁舎建設で555億円もかかりコストだけがふくらむ。おまけに特別区は国保や介護など100以上の実務を単独で運営する力がなく、事務組合で共同処理するという。東大阪や豊中のような一人前の自治体ではなく、肝心なことは自分で決定できない半人前の自治体になる。共同で処理となると住民の意思がいよいよ反映しにくい、住民自治のない自治体になる。区議会も議員12人程度までへらし住民とのパイプが細くなる。100以上の事務を共同処理しなければ成り立たないのならば、大阪市のままでいいではないか。財源も吸い上げられないからいいではないか。財源が吸い上げられ、スカスカの組織の特別区など住民のためのものではない。財源は大企業の基盤整備のために都(府)に吸い上げ、超優良企業市営地下鉄は民営化する。普通、公営企業の民営化は赤字に困ってやるものなのに、超黒字公営企業をなんで民営化しようとするのか。大阪市が亡くなりバラバラの特別区になるから。大阪市を残し、黒字地下鉄の利益でバスも、コミュニティバス(赤バス)も運営して、住民の交通権を保障し、年寄りをどんどん街にひっぱりだし、引きこもり、病人にさせない福祉政策こそがこれから必要なのではないか。
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アメリカのシリア空爆、国際法違反

2014年09月25日 12時32分11秒 | Weblog
 米オバマ政権は22日(2014・9)、シリア領内でイスラム過激派組織「イスラム国」の拠点などに空爆を開始した。作戦には、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、ヨルダン、バーレーン、カタールの5か国が作戦に加わったり支援したりした。
 アメリカ政府は23日、空爆は自衛権の行使だとする文書を国連に提出した。国連憲章51条の集団的自衛権の行使だという。武装勢力「イスラム国」から攻撃を受けているイラクの要請をうけた集団的自衛権だというのだ。だがシリア政府がイラクに軍事攻撃をしているわけではない。シリア国内にも勢力をもっている武装組織の行動だ。
 アメリカは単独の行動ではない、5か国の支援、40か国以上が連合に加わっていると主張する。だが、複数の国によってやったからといって、それで合法になるわけではない。他国への武力攻撃は国際法違反、主権の侵害であることは動かせない。
 アメリカはまた、シリアにいるアルカイダ系武装組織「ホラサン・グループ」がアメリカへのテロ計画をもっているとして、自国民を守る個別的自衛権を行使したとも主張している。個別的自衛権は自国への攻撃があったときはじめて発生するものであり、計画があるからといって成り立つものではない。よその国に滞在する自国民が攻撃されたからと言って個別的自衛権が発生するわけではない。犯罪として捜索、処罰するのがすじだ。アメリカはイラクでの「イスラム国」勢力への空爆を8月8日以来つづけているが、その根拠はイラク在住の自国民保護だとしている。イラク政府の承認を事前に得ているとはいえ、自国民保護を理由に他国で軍事行動をするのは国際法違反だ。
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山谷えり子国家公安委員長、ヘイトスピーチ在特会と親しく写真

2014年09月23日 11時46分15秒 | Weblog
 安倍お友達人事でめでたく国家公安委員長になった山谷えり子氏が、日本のネオナチ在特会(在日特権を許さない市民の会)関西支部長(当時)増木重夫氏と親しく写真に納まっていたことが問題になっている。在日特権というが、どんな特権があるのか不明、ありもしない特権をもっていると攻撃する。
 『週刊文春』(9月25日号)が山谷氏に取材すると、「ザイトクカイって何ですか?どういう字を書くんですか?」「誰のホームページですか?その方、存じ上げません」と、在特会なんて初めて聞いたととぼけた。山谷さんという人、相当の人物だ。
 写真を掲載した増木氏は、2009年2月22日、「竹島の日」関係行事のために前日から松江市内の「ホテル一畑」に泊まっていた山谷氏を訪ねた。増木氏らは街宣活動を行なうために松江に乗り込んでいた。ブログでは「山谷先生の宿泊されているホテルへ押しかけ、少々遅い『夜明けのコーヒー』。諸々の事案を相談」「いつものことながら、先生ハイテンション。あのエネルギーはどこから来るのか。『えり子先生ホの字の会』(勝手応援団)の設立を検討中」と書き、在特会7人と山谷氏との写真を載せた。
 山谷氏は2010年12月にも、参院議員会館の自室で増木氏と面会し、写真を撮っていた。増木氏らの会報「M情報活動報告」(11年1月15日付)には、「平成22年12月8日、新しくなった参議院議員会館を早速訪問」と説明書きがあった。(『赤旗』2014年9月19日、20日付による)
 増木氏は09年4月6日付けで関西支部長の職を解かれているが、小学校長への脅迫事件を起こしたので辞めたのだろう。
 山谷氏と在特会幹部との関係は「どういう字を書くんですか?」というようなものではない。いまや一般人でも在特会のことは知っている。これはしっかり記憶すべき、歴史に残る名言だ。もろもろの事案を相談し、新装の議員会館を訪問するような関係が、名前も字も知らない者との関係であるはずがない。ヘイトスピーチをめぐり威力業務妨害罪で有罪判決を受けた団体と国家公安委員長がじっこんの間柄だということは民主国家にとって重大問題だ。国家公安委員長の罷免を求める運動を起こさなければならない。ヨーロッ世界では、ただちに政治の舞台から追放される事案だ。
 さらにさらに、この増木氏、安倍首相とも親しい間柄のようだ。笑顔の安倍氏が増木氏とツーショットに納まっている写真が出回るに至った。「マスキクンのこと覚えてくれてました」と書いている。安倍改造内閣は19人の閣僚のうち15人が、右翼団体「日本会議国会議員懇談会」に所属している。日本のネオナチと深い関係にある政権だと世界に知れわたりつつある。
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大阪府立高校2割が「開かずの図書館」

2014年09月22日 17時46分12秒 | Weblog
 今日(2014・9・22)の『毎日新聞』に表題の記事があった。けっこう大きい記事だ。2割の府立高校で昼休みや放課後に生徒が利用できない「開かずの図書館」となっている。近く府の監査委員が改善を求める監査結果を出すようだ。
 これは橋下徹氏が知事になって2009年に学校予算をばさばさ削ったそのひとつの結果だ。大阪府では実習教員を司書として全校に配置してきたが、橋下氏は情け容赦なく削った。代わりに教員が業務をすることになったのだが、生活指導部や進路指導部、保健部、総務部、教務部などそれぞれ所属による業務がある。図書係がおかれていても人数は少ないし、昼休、放課後をすべてカバーするのはたいへんだ。昼は教員にとっても休憩時間のはずだが、実際は午後の授業の準備で気が抜けない。生徒が用事でしょっちゅう訪ねてくる。放課後は担任業務や翌日の授業準備がある。わたしは再任用で働いた高校では1年間図書部に所属した。再任用だから担任がないとはいえ、図書館担当はきびしく回ってきた。でないと開館できない。
 図書館も開かない学校は知的魅力に欠ける。橋下氏が人気絶頂のときにやったのがこれだ。さらにこれに先立って、橋下氏は、府立高校に配置されていた教務補助や実習補助の臨時職員350人全員をひとり残らず首を切った。そのとき、橋下氏は350人の首より御堂筋のイルミネーションの方が大事なのかと問われ、イルミネーションの方が大事だと平気で言った。
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「都構想専決ありえない」府市大都市局長

2014年09月20日 21時35分32秒 | Weblog
 17日(2014・9)、大阪都構想をめぐって維新以外の議員の勉強会で、府市大都市局の山口信彦局長があたりまえの、しかし重大な発言をした。橋下大阪市長が都構想案が議会で否決されたあと、専決処分で住民投票に持ちこもうとしていることについて、「基本的に専決処分は好ましくない。行政としてはありえない選択だと認識している」と述べた。あたりまえの内容だ。
 しかし、橋下氏の都構想の案をつくった事務方トップが、橋下氏がねらう禁じ手を、行政としてはありえないといったことの意味はおおきい。橋下氏はことあるごとに公務員は市長の顔色をうかがって仕事をしろ、公務員が民意を語ることは許さないといってきた。上の発言は民意でもあるし、法律の普通の解釈の仕方だ。阿久根市の変な市長が議会を開かずに専決をくりかえしたことから法が改正された下で、あの竹原市長のやり方をなぞうろうというのが橋下氏だ。橋下氏は竹原氏をすばらしいと持ち上げていた。人間的には同質、同程度だろう。
 まだまだ残存している橋下信者は橋下氏の違法行為にも賛意を送るだろう。だが、またまたバスの本数を減らされた一事だけでも、住民は不満がたまっている。
 追い詰められた橋下維新に外野から助け舟を出す動きがある。安倍首相と菅官房長官だ。「都構想は賛成だ。自民党としてはすでに決定したことだ」とエールを送っている。都構想の協定書が維新だけの違法な法定協議会で決まったのは7月だ。いつ、どんな機関で決定したのか聞きたい。
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Jリーグの毅然とした態度とヘイトスピーチの底知れぬ陰湿さ

2014年09月14日 22時22分12秒 | Weblog
 3月8日(2014)、埼玉スタジアムであったJリーグ浦和レッズ対サガン鳥栖戦で、ゴール裏のコンコースに「JAPANESE ONLY」(日本人以外おことわり、外国人おことわり)の横断幕がつるされるという事件がおきた。Jリーグ屈指の人気を誇るクラブチームのサポーターが仕組んだことで人物も特定された。以前から韓国人への差別的行動があったにもかかわらず、浦和レッズが毅然とした態度を取っていない問題があったようだ。これに対しJリーグは、3月23日のホームゲームを無観客試合にするというたいへん厳しい制裁処分をした。観客を入てはならないというのは、チーム運営上甚大な損害だ。
 8月23日、横浜であった横浜Fマリノス対川崎フロンターレ戦で、横浜のサポーターが川崎のブラジル人選手にむけて右手でバナナを振りかざすという行為をした。映像にも映っており、ただちに人種差別的だと問題になった。横浜Fマリノスは、試合中に当事者を特定した。Jリーグは29日、横浜マリノスに対して制裁金500万円とけん責の処分にした。Jリーグの村井チェアマンは、当事者をすぐ特定し、無期限入場禁止にした横浜マリノスの対応を評価しつつも、きびしい処分を発表した。
 Jリーグのきびしい対応は、このような差別行為を放置すれば、スポーツの存立を根底からくつがえしかねない問題だからだ。平等や、公正、公平というフェアプレー精神が土台となっているスポーツにおいて差別を許せば、フェアプレー精神は空文句になる。ファンの行動であってもチームとして責任を負わなければならないことをきびしく求めた。ファンも選手と一体のものであり、ファン自身もその前提に立っている。したがって、ファンがフェアプレー精神を放棄し、差別行為に走るなど当然許されない。
 Jリーグの民族差別行為に対するきびしい姿勢との対比で、どうしても見過ごすことができないのが、ここ数年陰湿さ、下劣さの度を加えているヘイトスピーチだ。明明白白な韓国朝鮮人への民族差別、排外主義だ。「出ていけ!」「殺すぞ!」といい、「韓国朝鮮人を見かけたら石を投げつけよう」「朝鮮人をぶち殺しましょう」と殺人をあおっている。
 国連人種差別撤廃委員会は、日本政府に対して法律で規制するよう勧告した。自民党はプロジェクトチームの初会合で、国会周辺のデモの規制も併せて検討すべきだという議論をした。自民党の本質露呈、ヘイトスピーチを利用してデモ規制にもっていこうというのが本心だ。後日ひっこめはしたが、安倍自民党が朝鮮人慰安婦問題でこれ自体が虚偽だと平気で言う人権侵害をやっていることと、ヘイトスピーチが地続きだというところに最大の問題がある。
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反戦平和の神社があった!信州・松川神社

2014年09月13日 13時25分25秒 | Weblog
 年に4、5回、信州北アルプスのふもとの松川村(ちひろ美術館のある村)から美味しいコメを送ってもらうようになってもう20年近くになる。そのお世話をしてくれているのが「光と風の会」の井川恵右さんだ。もと大阪府立高校の教員だった。
 その井川さんが米といっしょに届けてくれるのが『光と風通信』だ。毎号、松川村を中心に信州の自然や観光地、温泉、風俗などが書かれている。今号には、「満蒙開拓平和記念館」が紹介されている。長野県は全国最多の満蒙開拓団、満蒙開拓少年義勇隊を送り出した。県民3万3千人が移住したが、敗戦後帰国できたのは開拓団の3分の1といわれている。去年2013年4月、南信州の阿智村に「記念館」が開設された。わたしも去年から行かなければと思いながらまだ果たせていない。
 もう一つわたしの目を引いたのが、「松川神社」の記事だ。松川村の3人の古老からの戦争の聞き取りとともに、戦後建てられた松川神社の紹介が写真とともに掲載されている。
 境内には慰霊碑が建てられ、戦死者の名前が刻まれている。さらに、「軍国主義の復活を阻止し、世界平和と民主日本の発展を願って御霊の冥福を祈る」と記しているそうだ。軍国主義の復活を阻止し民主日本の発展をかかげる神社がほかのどこにあろうか。神社をつくった村人の戦後の息吹、反戦平和の願いを今にをつたえてくれる。
 また松川村には戦争末期、秘密兵器を研究する陸軍登戸研究所が疎開していた。
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高市総務相、稲田政調会長がヒトラー礼讃右翼団体代表と写真

2014年09月11日 11時00分11秒 | Weblog
 高市早苗総務相と稲田朋美自民党政調会長(前行革相)、西田昌司参院議員が、ナチスを礼讃する極右団体代表と議員会館で会い、写真をとっていたことを、仏AFP通信が8日付で配信し、9日、英ガーディアン(電子版)はじめヨーロッパ各紙、アジア各紙が掲載した。
 高市、稲田、西田の3名は、2011年の6~7月に、「国家社会主義日本労働者党」代表の山田一成氏(52)と個別に議員会館で会い、インタヴューを受けた。その際、日の丸を背景に掲げたり(高市氏との写真)、山田氏が日の丸を持ったり(稲田氏との写真)しながらツーショットの写真を撮った。高市氏は笑顔、稲田氏も微笑んでいる。
 この人物との関係について、稲田氏は「その人物の所属団体を含む素性や思想はもちろん、名前も把握しておらず、それ以後、何の関係もない」との文書で各報道機関に回答している。
 高市氏は、『毎日』には「雑誌の取材を受けた際『山田』と名乗る男性が同席し『一緒に写真を撮りたい』と言うので、雑誌の出版社を信頼してお応えした。どういう方か全く知らなかった」と、『朝日』には「出版社がスタッフとして連れてきた方が2ショットを撮りたいとのことで応じただけ。どういう人物か知らなかった」と回答、指摘を受け出版社を通じて写真の削除をもとめたという。『赤旗』には「雑誌のインタビュアーの補佐として(メモを取る程度の係)議員会館に来訪された」「撮影時に彼がどういった人物であるか不明」で以前も以後も付き合いはないと回答している。
 出版社のスタッフ、補佐として山田氏は同席した。ではその出版社とは雑誌とは何か。これはすぐにでも明らかにすべきだ。高市氏らは明らかにしたくないだろうが。
 山田氏のひきいる「国家社会主義日本労働者党」は、ナチス=「国家社会主義ドイツ労働者党」と、名前では日本とドイツの違いだけで基本は同じだ。いうならば日本ナチス党というのがぴったりだ。みずからネオナチと称している。国家社会主義日本労働者党のHPでは、その綱領に「日本民族の優秀性を確認し血の純血を保持し全世界の指導国家として世界の自由に貢献する」と書いている。「民族浄化の推進」「外国人排斥」をさけび、ナチスと同じ旗を掲げる。「東亜新秩序建設」「水晶の夜を忘れるな!!!」というポスター、「外国人を日本から追い出せ」というビラなども掲載されている。水晶の夜は、1938年11月、ナチスがユダヤ人へを襲撃し、商店や教会を焼き討ちした事件で、ホロコーストへの転換点となった。山田氏はHPで「外国人排斥のためにあらゆる手段を使ってやる」「暴力も辞さない」「海外に出かけて武闘訓練もしている」といい、外国人をののしる激しい街頭行動をくりかえしている。
 一方で、彼らは自民党の愛国保守議員への投票を呼びかけている。特に西田、稲田、高市氏を推奨している。そのほかでは安倍晋三、佐藤正久、山谷えり子氏らを愛好保守議員として当選を呼びかけてきた。民主党では長島昭久、松原仁議員も推奨している。山田氏が3年前に訪問し、親しく写真に納まった3氏は日本のナチス党にとってもっとも好ましい議員だったのだ。
 高市氏らは知らぬ存ぜぬの態度だが、その写真のにこやかぶりからは、そのまま信じることはできない。
 もし知っていて写真をとったのならば、ヨーロッパ的な政治感覚では即議員の資格を放棄しなければならない事件だ。それを安倍内閣が重要な役職につけたことで国際的に日本の信用を失墜させることになる。だからこそ、高市事務所は即刻、問題の出版社を通じて国家社会主義日本労働者党のHPからの写真の削除を求めたのだ。
 ではほんとに高市氏らは山田氏の素性を知らなかったのか。
 『赤旗』(2014・9・11)は「ネオナチ団体代表の山田氏=反共謀略本の出版社社長」の見出しで追加記事を載せている。「山田一成氏は、自民党とかつてから深い関係のある人物です。2000年6月に行われた総選挙では、日本共産党へのデマ攻撃を目的とした、1億枚を超す反共謀略ビラが自民、公明勢力によって、全国的に配布されました。この反共謀略ビラのために大量出版された単行本 『誰も知らない日本共産党のホンネ』の出版社『雷韻出版』(東京都目黒区)の社長が山田氏でした。当時、自民党本部はこの本を大量に買い取り、選挙に活用するよう同党広報部本部長名で、都道府県連合会や衆院選挙事務所、参院選挙区比例区事務所に通知していました。本紙が2000年6月21日付で報じていました。」と書いている。自民党は本の代金として莫大な金を払った。1996年総選挙、98年参院選で躍進した共産党に対する大規模な謀略としてしくまれた反共パンフレット配布は、公明党の運動員が配布の手足となりながら、その中枢は自民党が日本ナチ党のような連中も引き入れて仕組んだ作戦だったのだろう。自民党中枢の高市氏が知らぬはずがないというのが私の感想だ。 
 国家社会主義日本労働者党の外国人排斥の街頭活動は、ネット右翼をつうじて拡大し、いまのヘイトスピーチへとつながっている。ヘイトスピーチとは親子のようなものだ。高市、稲田氏の狂信的支持者もヘイトスピーチの運動員につながっているであろう。日本のネオナチとヘイトスピーチ排外主義者と高市・稲田の政治的つながりを究明し、批判をつよめなければならない。
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橋下大阪市長の組合事務所退去処分は違法(大阪地裁)

2014年09月11日 10時02分04秒 | Weblog
 橋下大阪市長が庁舎内にある組合事務所に退去処分をした問題で、8労組が処分取り消しを求めた訴訟の判決が昨日(2014・9・10)、大阪地裁であった。連合自治労系6労組と、全労連自治労連系2労組が提訴していた。6労組は退去したが、自治労連系2労組は賃料を法務局に供託して入居をつづけている。
 中垣内健治裁判長は、「橋下市長には職員の団結権を侵害する意図があった。市長の裁量権の乱用で違法だ」「社会通念に照らし著しく妥当性を欠く」と断じた。また12年2月の退去処分のあと12年8月に施行した労使関係条例12条(便宜供与の禁止)についても、労働組合法7条の不当労働行為に該当し、憲法が保障する団結権の侵害になる場合には違憲で無効になるとした(『毎日』『朝日』『赤旗』11日付け)。
 橋下市長が組合を嫌悪し、弱体化を図ろうとしてきた一連の行為が、労働委員会においても裁判においても厳しく断罪された。職務命令で職員の思想調査をしようとした行為での判決につづくもので、当然の内容とはいえ、橋下政治がマスコミの支援の下で吹き荒れ、労働組合が悪であるかのような風潮がまき散らかされてきたのを押し返す、貴重な裁判所の判断だ。
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名護市議選、勝利おめでとう

2014年09月10日 13時28分10秒 | Weblog
 7日(2014・9)投開票の沖縄・名護市議選挙で辺野古新基地建設反対の14人が当選し、稲嶺市長与党が過半数を維持するという結果となった。
 14人のなかでも共産党の新人・仲里克次さんがトップで当選したのもよかった。ひきつぎはむつかしいがトップ当選は新基地建設反対にもいい景気づけになった。
 今年1月の市長選挙の勝利に引き続きで、名護市民は基地建設反対の固い意志を表明した。11月には県知事選挙がおこなわれる。翁長那覇市長は今日、市議会において、新地機建設であらたに100年も基地に縛り付けられる道を拒否するために知事選挙に立候補することを表明した。この知事選挙で辺野古新基地に最終決着がつけられる。
 それにしても姑息なのが安倍政権だ。県知事選挙までに建設作業をすすめて、知事選挙の争点ではないというつもりだ。そのあまりに乱暴なやり方に沖縄では憤激がつよまっている。ジュゴンのはみ跡も新たに発見されており環境影響調査もやり直すべきだ。
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大阪都構想の協定書、いよいよ議会へ、否決へ

2014年09月06日 23時39分20秒 | Weblog
 大阪都構想の協定書をつくった法定協議会が5日(2014・9)、例によって維新の委員だけで開き、法定協委員長の浅田府議(維新政調会長)から、総務相の了承をえた協定書を橋下市長(維新代表)と松井知事(維新幹事長)に手渡した。あとは、大阪市が10月1日、大阪府が9月25日に議会に提案する。
 ただし、法定協は1月31日以後7月5日まで、維新以外の各会派からの開催要求を拒否して、たまたま多数をもっている府議会議会運営委員会で委員を維新に入れ替えて、あっという間に協定書を決定したのだ。その正当性に疑義がある。
 法定協で橋下市長は、「ここまできた以上、協定書を全否定(否決)するのは、これまでのプロセス、民意を無視することになる」(『毎日』9・5夕刊)といった。
 ここまで非民主的な暴挙をくりかえしてきて、「否決するのはこれまでのプロセスを無視する」ものだというのには呆れてしまう。唯一正当性を主張する「民意」、すなわち市長選挙で府議会選出の委員の入れ替えが承認されたというのも、市長選挙で府議会の構成の問題の承認を得たというのは、どう言いつくろっても成り立たない。橋下という人物は、詭弁術では天下一品、恥知らずだから平気でものをいう。熱病にうかされた大阪市民、府民はどこまで冷静になったか、理性的になったか、うそを見抜く力をもったか。
 大阪市議会、府議会とも、協定書が承認される可能性はない。だが橋下氏は、協定書の修正に応じる、大阪市の再編は5区ではなく、7区でも8区でも応じるといいだした。1月31日、5区案に一本化せずに7区案も平行して議論すると1年も、1年半もかかるといって、委員差し替え、市長選挙に突き進んだのではないか。いま、7区案でも、8区案でもいいというなら、前に行ったことに真っ向から反するではないか。莫大な時間がかかるとヒステリーは起こさないのか。
 橋下氏は、2008年知事選挙にでたときの新聞社かなにかの討論会で、最初に言っていたことと180度違うことを討論の後の方で平気で言う、信用できない人物だと革新候補の梅田さんがいっていたことを想い出す。
 公明党もいまや橋下につき従う考えはゼロになっている。議会で可決される可能性はゼロだ。否決されたら、橋下・松井コンビは、議会閉会後に専決処分をするだろう。専決処分は、三宅島のような全島避難の災害とか、議員の過半数が死亡・入院などで議会が成立しないときに首長に認められた非常手段だ。大阪府・市議会はいつでも成立する状態だ。過半数の議員が議会招集を求めても知事・市長が逃げているのが現状だ。大阪で専決処分の法的根拠はない。でも彼らは屁理屈をこねてやるにちがいない。
 
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カジノ賭博解禁が幸せな社会をつくるのか、社会を掘りくずす危険こそ大きい

2014年09月03日 23時57分11秒 | Weblog
 共産党、社民党以外の自民党、民主党、維新などの議員が2013年12月、国会にカジノ推進法案をだした。秋の臨時国会にもその通過をねらっている。
 この夏、厚生労働省研究班が、日本のギャンブル依存症の疑いのある人が536万人にのぼるとする推計を発表した(2014・8・20)。男性の8.7%(438万人)、女性の1.8%(98万人)、計536万人、4.8%である。外国に比べて日本が突出して多い。すでに日本は、競馬、競輪、競艇などの公営賭博に加え、パチンコ・パチスロなどの事実上の賭博がある。
 これに対し日本弁護士連合会は5月9日、「カジノ解禁、推進法案に反対する意見書」を発表した。そこで指摘している問題は以下の通りだ。
 1)カジノによる経済効果の疑問
 2)暴力団対策上の問題
 3)マネーロンダリング対策上の問題
 4)ギャンブル依存症の拡大
 5)多重債務問題の再燃の危険性
 6)青少年の健全育成への悪影響
 7)民間企業の設置、運営によることの問題
 
 カジノ解禁賛成論は、メリットがある、外国からの観光客も増え、経済効果が大きいという。バラ色の経済発展を吹聴する。一部のいかがわしい経済学者が、波及効果をいれると7兆円もの経済効果があると無責任なことをいって、解禁は当然という雰囲気をつくる。安倍首相もカジノを成長戦略の柱の一つに加えようとしている。
 カジノ解禁への批判の運動も広がってきたことから、賛成論も手が込んできた。ギャンブル依存症はカジノがないからといって解決はしない。ギャンブル依存症はそこに逃げ場を求めることで発症するのであって、依存症をカジノのせいにはできない。カジノ合法化で、今まで放置されてきた依存症対策に初めて法的な手が加えられる。解禁することで、管理がゆきとどき、闇社会への資金は逆に根絶することができるというようなものだ。

 だがそもそも、今までなぜ刑法は賭博を禁止してきたのか。犯罪を誘発し、暴力団とのむすびつきを生み、ギャンブル依存症をひろげ、サラ金被害はじめ生活破壊をひきおこすなど健全な社会を崩壊に導くからではないか。まじめに勤労をする社会のあり方をくずす風潮を生むからではないか。
 賭博は胴元が高いてら銭をかせぎ、敗者から金をまきあげる。勝者はずっと勝者であり続けることはできない。海外から来た金持ちだけが負けて、日本人は負けないというこはありえない。売り上げはGDPの増大に貢献する。いくらかの波及効果もあるだろう。しかし何の生産物もうまず、大量の不幸と生活破壊、精神障害をうむ産業、これまで犯罪だったものをもちあげる社会が正常だとはいえない。
 カジノ解禁法案は、いままで刑法が禁止してきたことが間違いで、解禁が幸せな社会をつくる、法的に正当なことだといっさい言っていない。そんな法案は、議席数では圧倒的多数でも、まともな世論のちからで封じ込めなければならない。
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