土曜日(2015・11・28)の『朝日新聞』別刷りに「犬と猫、どっちが好き?」があった。ペットで飼われている犬と猫の数は、今年、犬が猫を下回るらしい。飼い主が高齢化し、犬の散歩がひと苦労になっているという。そういえば最近は散歩で連れ歩いているのを見ると、ほとんど小型犬だ。いっときのシベリアンハスキーなんぞ見ることがない。
野良猫はいるが、野良犬は全く見かけなくなった。むかし犬殺しがいた。わたしは1967年1月中旬、田舎から大阪に出てきて新聞配達を3年3か月ほど続けた。
ある朝、新聞を配っていると、運搬車(米屋さんが使う、荷台が大きくタイヤも太い、がっしりした自転車)に木製のリンゴ箱を載せた男が行き来していた。ふとみると、男が金属棒で、野良犬の頭を殴った。ぐったりした犬を男はよいしょと持ち上げて、リンゴ箱にドサッと入れた。男はガチャンと音をひびかせて、自転車をこいで行った。
そう。昔は大阪には犬殺しがいたのだ。何のためか。おそらく、犬肉を売るためだ。ただし犬肉とはいわずに。
朝の街には野良犬がうろうろしていた。エサをくれる人もいただろうし、エサをあさることもたやすかった。大阪では、コンクリート製か木製の四角い、横幅80センチくらいのゴミ箱が家の前に置かれていた。各家や商店では生ゴミもそこに投げ入れた。引き抜く形の前扉があり、こみ収集の人はそれを引き抜き、竹製の大きなカゴに木のへらでゴミをかきいれて、カゴのひもを引っ張り、順にゴミを集めていった。いっぱいになったら、トラックに投げ入れた。前扉を元に戻す面倒なことはしなかった。朝は犬のゴミあさりのチャンスだった。
ふえた野良犬を追いかける犬殺しも商売になっていた。
野良猫はいるが、野良犬は全く見かけなくなった。むかし犬殺しがいた。わたしは1967年1月中旬、田舎から大阪に出てきて新聞配達を3年3か月ほど続けた。
ある朝、新聞を配っていると、運搬車(米屋さんが使う、荷台が大きくタイヤも太い、がっしりした自転車)に木製のリンゴ箱を載せた男が行き来していた。ふとみると、男が金属棒で、野良犬の頭を殴った。ぐったりした犬を男はよいしょと持ち上げて、リンゴ箱にドサッと入れた。男はガチャンと音をひびかせて、自転車をこいで行った。
そう。昔は大阪には犬殺しがいたのだ。何のためか。おそらく、犬肉を売るためだ。ただし犬肉とはいわずに。
朝の街には野良犬がうろうろしていた。エサをくれる人もいただろうし、エサをあさることもたやすかった。大阪では、コンクリート製か木製の四角い、横幅80センチくらいのゴミ箱が家の前に置かれていた。各家や商店では生ゴミもそこに投げ入れた。引き抜く形の前扉があり、こみ収集の人はそれを引き抜き、竹製の大きなカゴに木のへらでゴミをかきいれて、カゴのひもを引っ張り、順にゴミを集めていった。いっぱいになったら、トラックに投げ入れた。前扉を元に戻す面倒なことはしなかった。朝は犬のゴミあさりのチャンスだった。
ふえた野良犬を追いかける犬殺しも商売になっていた。