谷口千吉監督の『不良少年』をシネヌーヴォで見た。心が重くなる映画だった。原作は『お菓子放浪記』の西村滋。
菅原謙二演じる西村は少年院の先生。西村自身戦災孤児で少年院出だった。11回も脱走したが恩師石坂先生に助けられ更生し、同じ境遇の青年によりそって一人前にして社会に送り出そうと努力するが次々と裏切られる。生徒は反抗するばかり。
卒業生を尋ねても、まじめに働いている男もいれば、体を売っている教え子(銀子)もいる。卒業生同士で結婚している二人も、キャバレー勤めの男は妻に売春をさせている。西田は説得を続けるがあしらわれてしまう。西田は銀子をたずね、上等なウイスキーを何倍もあおるうち銀子と一夜をともにしてしまう。そこへ警察にふみこまれ、留置場へ。少年院の生徒にもそれが知れ、ますます反抗がつよまる。脱走する4人を追いかけ、戻るように説得しても、逆に棍棒でなぐられ泥の沼になげすてられる。少年4人は意気揚々とひきあげる。その中心は、かつての西田そっくりな反抗をする光一だ。光一に力をいれればいれるだけ反抗してきた。だがラストで、光一は、やがて満潮になると泥に沈んだ西田は死ぬと気づき、走って沼に向かう。
最後に、希望の先を示してはいるが、心が重たく沈んだ気分で座席を立った。わたしも教員をしてきたので、生徒との信頼を築くことに努力してきた。だが映画では、信頼を築く働きかけ、更生のための援助がことごとく裏切られる。それだけ戦災孤児たちの心がすさみ、社会から裏切られ捨てられてきたことを表していた。とはいえ、気持ちが通じず、実らない努力に、映画の上でのこととはいえ、気持ちが落ち込んだ。
菅原謙二演じる西村は少年院の先生。西村自身戦災孤児で少年院出だった。11回も脱走したが恩師石坂先生に助けられ更生し、同じ境遇の青年によりそって一人前にして社会に送り出そうと努力するが次々と裏切られる。生徒は反抗するばかり。
卒業生を尋ねても、まじめに働いている男もいれば、体を売っている教え子(銀子)もいる。卒業生同士で結婚している二人も、キャバレー勤めの男は妻に売春をさせている。西田は説得を続けるがあしらわれてしまう。西田は銀子をたずね、上等なウイスキーを何倍もあおるうち銀子と一夜をともにしてしまう。そこへ警察にふみこまれ、留置場へ。少年院の生徒にもそれが知れ、ますます反抗がつよまる。脱走する4人を追いかけ、戻るように説得しても、逆に棍棒でなぐられ泥の沼になげすてられる。少年4人は意気揚々とひきあげる。その中心は、かつての西田そっくりな反抗をする光一だ。光一に力をいれればいれるだけ反抗してきた。だがラストで、光一は、やがて満潮になると泥に沈んだ西田は死ぬと気づき、走って沼に向かう。
最後に、希望の先を示してはいるが、心が重たく沈んだ気分で座席を立った。わたしも教員をしてきたので、生徒との信頼を築くことに努力してきた。だが映画では、信頼を築く働きかけ、更生のための援助がことごとく裏切られる。それだけ戦災孤児たちの心がすさみ、社会から裏切られ捨てられてきたことを表していた。とはいえ、気持ちが通じず、実らない努力に、映画の上でのこととはいえ、気持ちが落ち込んだ。