山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

雨の中、一日中配達ごくろうさま

2023年02月20日 17時59分58秒 | Weblog
 昨日朝、赤旗を配達した時は霧雨程度でなんとかなったが、その後本格的な雨に変わっていった。その中をクロネコヤマトのお兄さんが自転車で後ろのリアカーを一生懸命引いていた。彼は朝から夜まで決められた地域を何周もまわって荷物を届け続ける。留守の家があるから何度もだ。
 ほんとに大変だ。これから大阪では冬は雨が降らないけれど、春に向かうと雨の日が多くなる。温かくもなるが雨に打たれ続けると体に堪える。とくに手がかじかんで指がいうことをきかなくなる。わたしは学生時代、3年半ほど新聞配達で生計を立てていた。辛かったのは雨の日だ。特に春の雨が堪えた。手の指がいうことをきかなくなる。
 だからクロネコのお兄さんが、雨の中を一日中濡れながら仕事をするのを見るとほんとに同情してしまう。労働時間が長すぎる。人間的な発達の時間を奪うのは人道に反する。現代日本資本主義の非人間性を表している。


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政府の少子化対策は絶対失敗する

2023年02月08日 10時18分50秒 | Weblog
 岸田首相は「異次元の少子化対策」をぶち上げている。異次元とはわれわれが生活している3次元空間、さらに時間次元を加えた4次元をも超えるということだ。4次元以上は頭に浮かばないのだが、岸田首相の提案するのはどんな次元なのだろう。見ものだ。しかし安倍元首相以来「異次元」連発だがイコール「低次元」という印象がこびりついている。だから岸田氏はうさん臭い言葉をやめて「次元の異なる」といいだした。同じだと思うが、こけおどし感が少ない。
 政府の少子化対策はなぜ失敗するのか。その核心は総人件費を抑制し、正規雇用を非正規雇用におきかえてきたことが、問題の起源であり、経済運営としても失敗だったことをいっさい反省していないことにある。1995年5月の経済同友会が発した「新時代の日本的経営」というマニュフェストが自民党政府の経済労働政策の柱となり労働法制の改悪=非正規雇用の全面展開となった。いまや37%が非正規だ。30年に及ぼうかという政治的経済的大失策、財界だけが得をして社会を破壊し搾取する最悪の方策だった。
 将来展望が見えない非正規の労働者が、心の余裕をもって恋愛をし、結婚への意欲に躊躇が生まれるのは多く指摘されている。正規雇用の安心感と非正規の不安感の落差は相当なものだ。労働者はコストだとばかりに安い材料を探すのと同じに労働法制を改悪し非正規オンパレード時代をつくった自民党政府。実に罪深い。いまさら少子化といって、にわかに子どもは社会で育てるといいだしても土台が間違っているから絶対に成功しない。少子化対策の懇談会で方策論議をしても、せいぜいが児童手当の所得制限を取り払おうというところまでだ。結婚願望があっても心に閉じ込めてしまう、自分はとても無理だとあきらめている若者がどんどんふえている。その不安を取り除く変革をしないと展望は開けない。非正規置き換えの労働法制は間違ってましたと反省し、元に戻さない限りもっともっと結婚率はさがり、出生率は下がる。
 この論点は、前から書こうと思っていたのだが、先延ばしにしていたら、今日のモーニングショーで非正規労働に根源があると玉川さん先頭に論陣を張ってくれたので、遅れてはいけないとあわてて書いている。
 高等教育の高負担も大問題だ。国立でも70万円、私立なら百数十万という高負担。アメリカと韓国と日本だけの現象だ。日本でも50年前までは国立は年9600円だった。これだと社会の力で学ばせてもらったから社会に還元しなければというモチベーションが生まれる。ところが何百万も金をつぎ込むとなるとこれを取り返すという欲望しか残らない。学びが社会と切断され、徹底して私事化される。企業投資とリターンの関係に置き換えられる。自分への投資という言葉が常套句になっている。教育が投資とイコールになる倒錯、腐敗現象といっていい。日本育英会は改廃され教育ローンに様変わりだ。莫大な元本利息を背負って世の中に出れば、どうやって生きていくか、正規雇用でなければ返済は暗闇の先だ。定年後、再任用で全日制に勤めたが、わたしは奨学金という名の借金をいっさい勧めなかった。学校の体制として、進路指導において教育ローン奨学金を大々的に勧めていた。私自身、奨学金返済の縛りがいやで当時たくさんあった夜間部に通った。
 今の反省なき財界、政府の下では、いくら異次元とふれまわっても少子化対策は失敗する。まして異次元少子化対策に本来投入すべき43兆円を世界第3位の軍事大国化に投入するとバイデン大統領に真っ先にご注進に及んだ岸田さんにはできない。思い返せば、安倍氏は2017年9月「国難突破」だといって衆院解散したが、その国難とは少子高齢化と北朝鮮だった。ふりかかった少子高齢化の「国難」は自らが作り出したものだったし、国難対策はみごと空振りに終わってしまった。
 そしていまふたたび、「国難」にかわって「異次元」が持ち出されている。根本を間違えているからこのままでは失敗必至だ。
 だが、失敗しても起死回生の少子化対策がある。わたしの提案だ。それは日本をアメリカ並みの多民族国家にすることだ。すでに今でも技能実習生などのいかがわしい労働力移入でヨーロッパ並みの外国人移入国となっている。これをもっと本格的に難民受け入れをし、移住・移入希望者を受け入れるようにすれば10年たたずに少子化は解消する。そして労働力不足も解消し、アメリカのように人口増へと転化する。アジア諸国の人々と仲良く社会をつくっていく気持ちがあれば、やがて経済衰退国から抜け出すこともできる。
 だがこの策の最大の問題は、自民党右翼勢力の排外主義的動きだ。嫌韓・嫌中の歴史修正主義の動きに加えて新たな外国人排斥のナショナリズムを煽るだろう。だけどこんな狭い根性は克服しないと21世紀を生きていくことはできない。

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首相の発言原稿を書いていた秘書官がとんでもない差別発言

2023年02月06日 17時48分57秒 | Weblog
 2月3日夜、荒井勝喜首相秘書官が時代遅れの差別発言をした。岸田首相はこのままではサミットで大恥をかくと思ったのかこの人物を罷免した。差別発言の内容は、LGBTQや同性婚をめぐり「隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」「見るのも嫌だ」「秘書官室もみんな反対する」「同性婚を認めたら国を捨てる人がでてくる」などと述べた。とんでもない差別発言だ。
 この発言のもとになったのが、1日の衆院予算委員会での同性婚法制化要求に対し、「家族観や価値観、社会が変わってしまう」という岸田首相の答弁だった。その答弁も、法務省の答弁案は「家族観、価値観」だけだったのに、首相が自分の判断で「社会が変わってしまう」と付け加えたことが明らかになった。この答弁の背景をさぐるためにスピーチライターの秘書官をオフレコ取材をしたのだ。荒井氏は首相答弁の背景を自民党的?権力者風の表現で解説してくれた。
 社会はすでに変わっている。夫婦同姓にするか別姓にするか選べるようにするのは圧倒的国民世論だ。同性婚容認も過半数を大きく超える。婚姻を認められない不利益をしのんで実質婚姻をしている人は過去からたくさんいた。でも表に向かって表明できなかっただけだった。同性婚を認めると明治以来敗戦までの絶対主義的天皇制をささえる家父長制と戦後もこれを温存しようとする自民党右翼勢力の精神支配が崩れると危惧する勢力が今でも国会にはびこっている。過去からたくさんあった同性愛や実質的同性婚が表に出ようとするのを、伝統的社会・伝統的家族観を破壊するものだといきり立っているのが杉田水脈先生をシンボルにする自民党右派の人々だ。その杉田水脈先生を総務省政務官に任命していたのが岸田首相ではないか。すでに歴史修正主義者としてまともな議論ができなかった杉田氏をあえて登用したことから岸田首相の今に至る問題が発生していた。
 

 
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