山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

真珠湾訪問直後に靖国参拝、稲田朋美のなめ切った態度

2016年12月30日 23時21分33秒 | Weblog
 稲田朋美防衛大臣が、真珠湾訪問から帰った直後の12月29日に、靖国神社に参拝した。靖国はいわずと知れたA級戦犯を神と仰ぎ、侵略戦争を正当化する神社だ。国務大臣の憲法擁護義務と両立しない。とんでもない憲法違反の大臣だ。
 中国、韓国政府きびしくが抗議したのは当然だ。アメリカへの「慰霊の旅」が、真珠湾奇襲攻撃からの戦争をどうとらえて行ったのか、真珠湾からの戦争も正当な戦争だという靖国に額づくことと真珠湾慰霊と両立するのか、考えたのだろうか。彼女にそんな回路はない、へっちゃらなことだ。アメリカ政府のメンツもつぶれた。それほど軽く扱われたのかと歯ぎしりしているだろう。
 日本外交いいかげんさをよく示している。
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安倍首相、反省なき真珠湾訪問

2016年12月29日 19時38分48秒 | Weblog
安倍首相が靖国派の極右の盟友=稲田朋美防衛大臣、荻生田光一官房副長官、衛藤晟一首相補佐官を伴って真珠湾を訪問した。謝罪・反省なき慰霊の旅。アジア太平洋戦争に対する認識をいっさい語らずに何の意味があるのか。
安倍・稲田らは、アジア太平洋戦争は「自存自衛」の戦争すなわち自衛戦争であり、正当防衛だと考えている。だがこれは屁理屈だ。侵略の定義は定まっていないという勝手な発言までする。
オリバー・ストーン監督らが、安倍首相に、アメリカ人の慰霊のために訪問するならば、中国や朝鮮、アジア太平洋諸国への慰霊訪問の予定はあるかと問うた。また中国やアジア太平洋諸国への戦争を侵略と認めないのかと問うた。反省、謝罪はしないけれど、慰霊はするというのならば、中国やアジア太平洋地域への慰霊の旅もすべきだ。
 だが彼の考えは、日米軍事同盟の強化と政権浮揚だけが頭にある。この程度のごまかし外交でだまされるようでは、世論はちょろいもんだと思われてしまう。テレビや新聞はちょうちん持ちに徹した。
 
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新年に向けて、金澤翔子の書を玄関に飾った

2016年12月26日 23時06分33秒 | Weblog
 みなさんは金澤翔子という書家をご存じだろうか。
 ダウン症の若い書家だ。わたしは、大正民主診療所(現・たいしょう生協診療所)jの待合室で『女性のひろば』という雑誌の椎名誠のエッセーをいつも読んでいたのだが、ついでに金澤翔子の書とお母さんの文章も楽しみにしていた。それが2016年の2月に新日本出版社から本にまとめられた。さっそく買った。コピーして額に入れたらいいだろうなと思っていたのだがそのままになっていた。
 今日、思いついて、正月のしつらえとして金澤翔子の書を玄関に飾ろうと思った。さっそくコーナンに走って、6号の額をふたつ買った。裏のコンビニで拡大コピーをして、額にはめこんだ。
 「笑」と「夢」の二字。正月を迎えるために。なかなかいい。力強い。金澤翔子さんの精神で今年を過ごしたい。
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オスプレイ墜落と屈辱的飛行再開容認への怒りは深い

2016年12月22日 23時27分33秒 | Weblog
沖縄県名護市沿岸でのオスプレイ墜落と、たった6日間で飛行を再開し、それを抗議し食い止めることもせず、全面的に容認した日本政府。この問題を今日(2016・12・24)のMBSテレビ・報道特集が取り上げた。22日におこなわれた政府主催の北部訓練場返還式典(閑散として何の熱気もない)と同日名護市の体育館で行われたオール沖縄会議主催の怒りの抗議集会(4200人)の対比が事態を象徴していた。
 番組では、飛行再開の説明に来たであろう防衛省沖縄防衛局の官僚に対して、自民党沖縄県連会長(?)が激しい怒りの抗議をくりかえした。えっ、沖縄自民党は2013年11月25日、自民党石破幹事長の前で5人の国会議員が首をうなだれて辺野古移設容認に転向し、以後県民から見放されたあの自民党が?
 県連会長は怒りのあげく、ティッシュをとり涙を拭いた。自民党本部に屈した沖縄自民党は、こんどのオスプレイの顛末を前にして我慢がならず、涙とともに怒りをぶちまけたのだ。オスプレイ墜落と飛行再開への怒りとともに、それ以上に日本政府の対応に憤ったのだ。翁長知事が「日本政府はもう相手できない」とおもわずもらしたのと通じる。
 安倍政権は、沖縄の怒り、屈辱を何ら理解していないし、しようともしない。平気で県民の気持ちをふみにじる。うるさい、したがえ、と本気で思っているだろう。
 19日朝、米軍から飛行再開を告げられ、唯々諾々と「飛行再開は理解できる」声明を昼に出したら、午後にはもうオスプレイは飛んでいる。安倍政権は、国民に対してはこわもての強権的内閣なのに、米軍に対しては何も言えない軟弱者。県民を守る気概はまったくない、米軍の玄関につながれたポチでしかないことが、怒りに火をつけた。またしてもマグマ上昇の予感だ。
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軍事研究を拒否した関西大学

2016年12月22日 23時27分33秒 | Weblog
 大阪府吹田市の関西大学(芝井敬司学長)は、2016年12月7日、軍事研究をしない方針を決定した。
①「安全保障技術研究推進制度」への申請は認めない。他大学の申請に共同研究者として参画することも認めない。
②国内外の軍事防衛を所管する公的機関からの研究費等の資金はうけいれない。
③企業等からの受託研究等については、その研究内容が軍事防衛目的である場合は、研究費等をうけいれない。
安倍内閣は、2013年12月、安全保障戦略と防衛計画大綱を閣議決定し、「大学や研究機関との連携の充実などにより、防衛にも応用可能な民生技術の積極的な活用に努める」と軍学協同を推進した。これをうけ防衛省は「安全保障技術研究推進制度」を設け、最先端の科学技術を軍事に応用する競争的資金制度をつくった。
2015年度は3億円、16年度6億円、17年度はなんと110億円も計上し、18倍に増やした。政府は、この20年間で国立大学の経常的研究費が半減するところまで大学を締め上げてきた。そのうえで軍事研究の罠を大きく仕掛けた。
科学者の代表機関である日本学術会議は、1950年「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない決意の表明」を、1967年「軍事目的のための科学研究を行わない声明」を発表した。新潟大学は2015年、防衛省の制度に応募しないと決議し、学内の行動指針に「軍事への寄与を目的とする研究は行わない」という項目を加えた。京都大学も軍事研究の資金は受けないことを決めた。名古屋大学は1987年制定の「名古屋大学平和憲章」で軍関係機関に所属する者との共同研究や教育をおこなわず、これら機関からの研究資金を受け入れないと決めている。
 関西大学の方針は、これら日本の科学者の良心の流れに沿って、あらためて軍事研究をしないことを決定したもので、多くの人を勇気づけた。
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日本はアメリカの属国だ  オスプレイ事故の現場検証もできない

2016年12月19日 23時09分31秒 | Weblog
 米軍は、墜落事故をおこしたオスプレイの飛行を19日全面的に再開した。朝、日本政府に一方的に通告し、午後にはもう飛んでいる。日本政府は、うけたまわりましたとばかりにひれ伏して、「飛行再開は理解できる」(菅官房長官)と全面賛成だ。翁長沖縄県知事は「言語道断で、とんでもない話だ。そういう政府は相手にできない。法治国家ではない」と最大級の非難をした。日本はアメリカの属国だ。
 事故の現場検証を警察権をもつ海上保安庁ができないことに本質が現れている。証拠物件である事故機の残骸を米軍は勝手に持ち去っている。2004年、沖縄国際大学に米軍巨大ヘリが墜落した時も、沖縄県警を現場から排除して、証拠物件をすべて持ち去った。それだけでなく、ストロンチウム60と思われる放射性物質を含む周辺土壌を2メートルも掘り返して、これも持ち去った。日本の警察権がいっさいおよばない治外法権が現出した。それと同じ事態が起きた。日本政府はなんの抗議もしない。
 翁長知事が「日本政府を相手にできない。法治国家ではない」というのはその通りだ。北方4島に世界に例のない、法の支配の及ばない特区をつくろうと変なことを考えているが、その前に、沖縄では現に日本の法が働かない事実を見せつけられているではないか。それに文句も言わずにつき従う属国政府は普通の話ができる相手ではない。
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方向を間違った外交ショウー見事に失敗、日露首脳会談

2016年12月18日 22時48分33秒 | Weblog
 安倍首相とプーチン大統領の首脳会談・外交ショーは見事な失敗に終わった。あらゆる政治行為を憲法改悪の道を掃き清めるための一段階ととらえる安倍政治にとって、外交はとりわけ大きな政治ショーだ。伊勢志摩サミットはその極致だ。これはみごとな効果を発揮した。もはや国際政治に何の意味も持たなくなった先進国首脳会議サミットは、主催する首脳のために、主要国の首脳が時間を削り、莫大な金を浪費して盛り上げる一大政治ショーだ。これはほとんど失敗することがない。なぜなら、もはや先進国首脳会議には世界は何の期待も寄せていないから、その見栄えをよくすることだけに主催者は専念できるから。
 ところが日露首脳会議は違う。ロシアとの間では領土問題があるにもかかわらず、ロシアは領土問題は存在しないと言明して会談に臨むのだから、期待は確実にはずれる。ところが9、10月段階では安倍氏はなんとなくうまくいくような考えを持っていたようで、プーチン会談の成功をもって解散に打って出る戦略が敷かれていた。だが11月には冷たい反応に出会って急速にしぼんだ。故郷の温泉旅館に招いて最高のもてなしをして会談を成功にという計算は狂った。実務的にすすめるべき外交を支持率アップのショウーに仕立てることが間違っている。
安倍氏は「新しいアプローチ」といって、4島で共同経済活動をするという。ロシアはロシアの主権を繰り返している下で、ロシアの主権下でない経済協力は困難だ。領土問題を先送りして、あらたな困難な課題を自ら設定しているようなものだ。
 そもそもロシアは領土問題は存在しない、国際条約によって確定しているといっている。それは第2次大戦終結に当たって領土不拡大が連合国の大原則だったにもかかわらず、ヤルタ秘密協定で不当な占領をとりきめたことと、サンフランシスコ講和条約で日本が千島を放棄したことを指している。
 しかしヤルタ秘密協定そのものの不当性を日露交渉の俎上に載せるべきだし、サンフランシスコ講和条約の千島放棄も領土不拡大の原則に反しているゆえに、この該当部分を破棄して本来の土俵に問題をのせるという軌道修正が必要だ。日本政府は、講和条約で放棄したのは北千島で南千島の国後・択捉は千島には含まれていないという詭弁を使うようになった。だが江戸時代以来、南千島も含めて千島としていたのは、日本もロシアも共通認識、地理学の初歩だった。明治8年の樺太千島交換条約でも、クナシリ、エトロフからいちばん北のシュムシュ島までを千島として日本の帰属とした。日本政府の主張の根拠がないことは、相手に見透かされていて力がない。
 共同経済活動の「新しいアプローチ」という新しい迷路に迷い込むのではなく、誤りを是正した外交に戻ることが必要だ。
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オスプレイ墜落 飛行中止と撤去を求める

2016年12月16日 22時48分07秒 | Weblog
 米海兵隊普天間基地所属のオスプレイが2016年12月13日夜、名護市の沿岸に墜落し、機体は大破した。翁長知事は、外務省、防衛相、首相官邸に抗議し、オスプレイの飛行中止と配備撤回を要請した。
 米海軍は事故を最も深刻な「クラスA]の事故だとしながら、不時着だとしている。日本政府も同様だ。期待がバラバラに破損しているのに不時着、不時着水だというのはどうみても無理がある。墜落機とは別のオスプレイも同日夜に普天間基地に胴体着陸していた。
 在沖米軍トップのニコルソン司令官は、安慶田副知事との会談で「住宅上空を飛ばなかったことを感謝されるべきだ」「飛行士は英雄だ」との暴言を吐いた。沖縄県民に感謝しろというのだ。とんでもない。こんな占領軍意識丸出しの軍隊は撤去しかない。
 建設中の高江のヘリパッドがオスプレイパッドとして運用され、普天間と伊江島とをかこんだ地域がオスプレイの集中的訓練地域とされようとしている。これまで数限りなく墜落事故を起こしているオスプレイを好き勝手に飛ばすことを許すわけにはいかない。
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カジノ賭博を合法化する安倍自民と維新

2016年12月15日 22時44分40秒 | Weblog
12月15日未明、自民・維新と公明の多数の賛成でカジノ法案が成立した。国民の多数の反対世論を無視しての暴挙だ。689年の持統天皇による賭博禁止令以来の法の歴史をくつがえすものだ。共産党清水ただし衆院議員は、天皇崇拝の自民・維新などの議員に対して、天皇の指示に従わないのかと問いただした。
 競輪・競馬などは公営であるということで、刑法の違法性を阻却している。共産党大門参院議員の求めで法務省が提出した賭博の違法性を阻却するための8要件は以下の通りだ。
 ➀目的の公益性(収益の使途を公益性のあるものに限ることを含む)
 ②運営の主体等の性格(官又はそれに準じる団体に限るなど)
 ③収益の扱い(業務委託を受けた民間団体が不当に利潤を得ないようにするなど)
 ④射幸性の程度
 ⑤運営主体の廉潔性(前科者の排除等)
 ⑥運営主体への公的監督
 ⑦運営主体の財政的健全性
 ⑧副次的弊害(青少年への不当な影響等)の防止等
 とくに➀の「収益の使途を公益性のあるものに限る」と②「運営主体を官又はそれに準じる団体に限る」については、どう考えてもカジノがこれを満たしているとは思えない。カジノ収益を全額、国または地方自治体に寄付でもしない限りクリアできない。運営主体についても自治体主催カジノにしない限りクリアできない。国土交通省に実施法案を作らせるというが、集団的自衛権行使容認が憲法違反ではないと言い張った立憲主義破壊と同程度のことをねらっているのだ。
 何の価値も生みださず、人の金をまきあげるだけの賭博を理想の経済活動であるかのように装う腐敗堕落には呆れるばかりだ。
 1971年当選した黒田了一大阪府知事は、大阪府主催の岸和田・春木競馬を、世論のバックアップを受けて公約通りこれを廃止した。大変な妨害をのり越えての難事業だった。しかし周辺での、はびこる犯罪、環境悪化、生活破壊の蔓延に真正面から挑んだ快挙だった。大阪にはびこる維新の賭博推進と、その精神性で大変な違いがあった。維新の教祖・橋下は、子どもをすべて賭博師に育てるべきだと、その特異な教育論を語っていた。
 本質は極右で新自由主義の維新を、反自民の改革者だと勘違いをしている多くの大阪府民が、目を覚ますきっかけになるだろうか。
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カジノ賭博合法化法案強行ねらう安倍と維新

2016年12月13日 12時27分28秒 | Weblog
千数百年間犯罪だった賭博を合法化する。昨日犯罪だったことが、今日は国あげて推奨する行動になる。こんなバカなことが国会会期末に強行されようとしている。
 数時間しか審議せずに強行採決する。議会の腐朽も極まれりだ。今の安倍自民は議会制民主主義など歯牙にもかけない。これを見抜けない国民の水準も問題だ。
 とにかくカジノに凝り固まった維新に借りを返す、憲法改悪まで繋ぎとめるために、こんな醜悪なことをおこなう。いまは支持率が高いからどんなことをやっても、やがて国民は忘れると見ている。
 こんな横暴を許していいのか。
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笑福亭竹林の会に行きました

2016年12月08日 14時16分43秒 | Weblog
 昨日(2016・11・7)、天満天神繁昌亭で開かれた第2回笑福亭竹林の会に行った。満席だった。竹林は笑福亭松鶴の弟子で鶴瓶の弟弟子に当たる。二席見た。竹林はテレビにはでないが、落語の力量は相当なものだ。本人は酒が飲めないのに、「親子酒」で演じる酔っ払いの姿には引き込まれる。
 共演の松元ヒロの芸もすごい。コント集団「ザ・ニュースペーパー」から独立してピンで活動している。政治ネタで40分以上、息もつかせず笑わせる。そのテンポがあまりに早いので、ついていくのに頭も体も疲れるほどだ。
 テレビには出ない本物の芸人こそすばらしい。
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極右をやっつけたオーストリア大統領選、改憲を否決したイタリア、日本の極右首相は

2016年12月05日 22時57分19秒 | Weblog
 オーストリア大統領選の決選投票で極右勢力阻止のための統一候補が勝利した。緑の党の前党首のファンデアベレン氏(72)だ。対立候補は反移民をかかげる極右・自由党員だ。ヨーロッパで戦後初となる極右大統領誕生を阻止した。
 ひるがえって日本はどうか。すでに安倍という極右首相が誕生している。戦後政治の原点である戦争責任を否定し、ポツダム宣言をつまびらかに読んでいないと公言する政治家だ。ポツダム宣言にすべてが詰まっている。これを受諾して戦争を終えたのだ。この戦後政治の原点をくつがえす政治家が権力を握っているのは日本だけだ。これの支持率が50%を超す現状は異常としか言いようがない。
 イタリアでは改憲の国民投票でこれが60%の圧倒的な反対票で否決された。議会の上院の権限を縮小し強権的な政治を狙うものだった。内閣不信任の権限を下院に限定し、上院の議員定数を削減し、地方自治体の首長や地方議員に兼任させるというものだ。日本では維新がこれと同趣旨のことを主張している。
 いまのヨーロッパでの反グローバリズムは移民排斥運動とも並行し絡み合いながら進んでいる点で複雑だ。反グローバリズムは、新自由主義・構造改革に反対し、税金を払わない多国籍企業に対決する点で進歩的だ。ギリシア、ポルトガルで政権を取るところまできた。ヨーロッパ全域を包むに至った。反グローバリズムが反EUとつながった。EUがおもに南ヨーロッパの国々に対して内政干渉的な緊縮政策のおしつけをし、財政支援の代わりに社会保障、医療、労働者の権利はく奪を強要してきたことへの怒りがある。EUは戦争の傷をいやし、経済的な共同から政治的な共同の枠組みへと進んできたが、その過程では農業や弱い産業分野などに痛みを強いてきた。くわえてリーマンショック以後ドイツを盟主とするEUが機関として抑圧的な傾向を強めてきたことが様々な問題を生んだ。イギリスのEU離脱もそのひとつだ。いまいちど各国国民経済と国家主権の尊重を約束しないとEUはとん挫しかねない。つまりEUの民主化が必要だ。EUの民主化闘争が求められる。
 日本でももっともっと反グローバリズムのたたかいを燃え上がらせなければならない。多国籍企業の利益のためのTPPなどもってのほかだ。だが国民の認識はまだゆるい。安倍極右政権は大企業の利益極大化のために、法人税引き下げをする。税収が減るのをおぎなうために、消費税引き上げと年金・医療・社会保障の削減をすすめる。これがひとつの攻撃だととらえなければならない。
 日本国民はトランプ減少に驚くだけでなく、ヨーロッパの動向に学ばなければならない。
 
 
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素晴らしい マラソン・川内選手

2016年12月04日 23時34分02秒 | Weblog
テレビで福岡マラソンを見た。外人選手がたくさん参加している中で、わが市民ランナー川内優輝選手が堂々の3位入賞した。いつものように、顔をゆがめ歯を食いしばりながら、100%力を出し切った激走だった。
 実業団チームに所属せず、したがってフルタイムで働きながら、専任のコーチも持たず、自分の判断ですべてをやっていくという川内選手のやり方に共感を覚える。スケートのように専任コーチを持てば、年間通しならば数百万から一千万のコーチ料を払わなければならない。だからお金持ちでないと一流選手にはなれない。
わたしは、彼が埼玉の定時制高校の事務職員としてフルタイムで働いて、水曜と土曜に強い練習をする以外は軽い練習をし、年に10回近く出る大会が本番練習という独自の練習スタイルを確立し、これをやり抜いてきたことに敬意を表する。日本の一流スポーツ選手でコーチをつけずに、自分の考えで練習計画を立て、その進捗状況と体の状況を判断し、大会に挑む人を川内選手意外に知らない。実業団から誘われても断ってきたという。実業団チームに入れば、勤務を軽減され、コーチの指導も受けて練習環境は劇的に改善するにもかかわらず、自主独立の道を追及してきた。だから川内選手を応援したい。
 
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カジノ法案、二日間6時間で強行  自民維新

2016年12月03日 23時39分44秒 | Weblog
 自民・維新・一部公明がカジノ法案を、わずか2日6時間の審議で委員会強行採決した。全国紙5紙がそろって反対・批判したのはかつてないことだ。それほどの異常な行いだ。憲法改悪へ向け、維新に恩を売って完全に抱き込むための、安倍のたくらみも透けて見える。
 賭博は古来日本では犯罪だった。額に汗する健全な社会を崩すからだ。野球賭博や花札賭博、競馬のノミ行為で捕まる人は後を絶たない。公営賭博だけは合法とされてきたが、実質的には賭博であるパチンコもあり、日本はすでにギャンブル大国だ。
 ギャンブル依存症の拡大、多重債務者問題、青少年への悪影響、犯罪の誘発、ヤクザの介入などの社会的悪影響をもたらすことは確実だ。日本では今でも人口の5%近いギャンブル依存症患者がいる。その批判に対して、カジノ推進者は、カジノの利益で依存症対策をするという。論理の逆転、究極の屁理屈だ。
 推進者は経済効果を言うが、そもそも何の生産もせずに、人の不幸を踏み台にするような経済活動が、いい社会をつくり出すはずがない。すでに構造改革なるもので富裕層は肥え太り、一方で中流といわれた層はやせほそり、貯蓄ゼロ世帯が30%にも達した。格差社会で日本社会は健全さを失った。そこへ非生産的経済効果をふりかざしてカジノを強行する。退廃の極みだ。絶対許してはいけない。
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ポンペイ展見ました

2016年12月02日 23時29分44秒 | Weblog
 兵庫県立美術館で開かれている「世界遺産ポンペイの壁画展」を見た。750円で入館できたのもよかった。いちばんよかったのはもちろんその内容だ。紀元79年のベスビオ火山の噴火でポンペイは埋没した。1748年から発掘が始まり、今日の展覧会につながる。
 普通の家の、とはいっても金持ちの家の食堂などの壁画が展示されている。貴族の館や教会の壁画ではない。それでも相当の水準を保っている。2千年近く前の壁画が切り取られて目の前に展示されている不思議。日本では漆喰の壁に壁画の伝統は、法隆寺金堂の壁画以外にあまり知らない。気候的に条件が良くないからだと思うが、家庭の壁に壁画を配するというのが、見学しながらも実感としてよくわからなかった。窓の少ない暗い石造りの家には壁画が醸す雰囲気が必要だったのかもしれない。日本では床の間の掛け軸であったり、壺にさした野の草が役を果たしたのだろう。
ある家の壁画上部の落書風広告きが目についた。ウェレクドゥスの工房の外壁入口の選挙広告だ。「頭巾屋は、ガイウス・ユリウス・ポロビウスを二人委員(都市の最高公務者)に推薦します」「ホルコニウス・プリスクスを裁判権を有する二人委員として選出するようお願いします。彼は公職にふさわしい人です」と書かれていた。共和制のローマでは地方都市の公職、市長や裁判官に当たる人物(それぞれ二人いたようだ)を選挙で選んでいたことを示している。わたしは壁画のすばらしさとともに、この壁の選挙応援文に興味をもった。
 この日、昼食にちょっと遠かったが坂道を上ってある蕎麦屋に行った。すでに順番待ちの人がいたが、間もなく入れた。つまみも頼んで一杯飲んでご機嫌になった。盛りそばは美味しかった。よそより美味しかった。でも求めているそばの香りがしなかった。新そばなのに、なせだろう。鼻が悪いからか。鼻が悪いのはわかっている。10年余り前、善光寺山門前の大丸そばでそばの香りを実感して、これがそばの香りか、美味しいと声を上げた。数年のち同じ大丸そばに行ったが香りがしなかった。もちろんほかの蕎麦屋でもさっぱり。鼻が悪いのか、感覚の繊細さがないからか。もう、なかばあきらめているのだが、そばの香りをもういちど味わいたい。
 美術展とそばの休日だった。
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