山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

原子力規制委員会・原子力規制庁が『赤旗』の記者排除

2012年09月27日 09時36分05秒 | Weblog
 原子力規制委員会が『赤旗』の記者会見出席を認めないことを決めていた。
 26日の記者会見で、同委員会の広報担当者は「特定の主義主張をもって書かれている方はご遠慮いただいております」「政党機関誌は報道を事業とする趣旨からいうと違う」と『赤旗』記者排除を示した。田中俊一・原子力規制委員会委員長は、政党機関誌の記者を参加させると「(同委の)政治からの独立が怪しくなる」という珍論まで述べた。
 『赤旗』はこれまで、田中委員長の選任の問題追求だけでなく、25日には、「原子力規制庁幹部 原発推進派ズラリ並ぶ」(1面)という大型記事を載せた。3面では、「原子力規制庁幹部 隠ぺい・対策適切・津波切迫性ない これでは原発推進庁?」という見出しで、幹部連中の発言録をのせ、問題をえぐった。
 おそらく、この記事に腹をたてて仕返しをしたのだろう。『赤旗』に痛いところを暴露されて、こたえたことが見てとれる。しかし、事実は動かせない。
 『赤旗』を出席させなければ、日本の原子力規制庁はそれこそ推進庁になってしまうだろう。
 『赤旗』記者がいなければ安心だというのは、一般紙がバカにされていることだ。
 『赤旗』排除は、日本の言論の自由の問題だ。真実の報道を守るかどうかの問題だ。原子力規制庁は、原子力を規制する前に言論を規制した。
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ロンドン・パラリンピック

2012年09月26日 17時57分43秒 | Weblog
 『日中友好新聞』2012・9・25号にロンドン・パラリンピックについて、中国がメダル数でトップになったという記事が載っていた。
 中国は合計231個(金95、銀71、銅65)で参加164か国中1位。開催国イギリスは120個(金34、銀43、銅43)で2位、以下、ロシア102個、アメリカ98個、オーストラリア85個、ウクライナ84個となっている。日本は16個(金5、銀5、銅6)だ。
 503の種目に4000人が参加したそうだ。北京オリンピックが前回なので、中国が多いのは理解できるが、多すぎるという印象だ。それほど障碍者スポーツに力をいれているのか、どうなのか。国威発揚としてやっている結果なのか。
 それにくらべ、日本はあまりに少ない。わたしはメダル競争には賛成しない考えだが、障害別の種目構成になっていることを考慮に入れると少ないといわざるをえない。選手を責めているのではない。日本の障碍者スポーツのすそ野が狭いということの反映ではないのか。障碍者のスポーツの権利が保障されていないことのあらわれだろう。
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松本善明『謀略ー再び歴史の舞台に登場する松川事件』(新日本出版社)を読む

2012年09月22日 16時29分12秒 | Weblog
 前から読みたいと思っていた松本善明さんの『謀略』が、昨日、手に入り、さっそく読んだ。書店に行ったのに売り切れだった本だ。
 いうまでもなく松川事件は、1949年の下山事件、三鷹事件とならぶ謀略・フレームアップ事件だ。下山事件は下山国鉄総裁が線路で轢死した事件。真実は他所で殺されて、死後線路に置かれたものだ。三鷹事件は無人電車暴走、松川事件は列車転覆事件。権力は、捜査も始まるかはじまらないうちに、共産党に罪をなすりつけて、まんまと国鉄大量首切りを実行したのだ。1952年には、菅生事件、辰野事件、芦別事件、青梅事件が。前2件は、警察の派出所がダイナマイトで爆破された事件だ。これも共産党員を即刻逮捕している。しかし真実は警察が自ら爆破した謀略だった。菅生事件の中心人物戸高公徳という凶悪犯人は、警察権力によって厚遇され、警察大学校教授・同術科教養部長にまでになった。芦別・青梅は鉄道爆破、列車暴走事件だ。
 松本善明(まつもとぜんめい)さんは、弁護士でのち共産党国会議員。画家いわさきちひろの夫君だ。松川事件の被告弁護団の一員で無罪獲得に奮闘した。その松本さんのもとへ真犯人から犯罪をわびる手紙が来ていたのだ。初めて知った。宛名、差出人、文章の内容、形式、文字などさまざまな角度からの分析はおもわず引き込まれる。菅生事件でも、坂本杢次・地検次席検事が事件の37年後の『自身への旅』という本で、事件当時、警察の犯罪に加担していたことを悪びれることもなく書いているという新事実も明らかにしている。
 最後の章では、アメリカのベトナム侵略にかかわる秘密文書『ペンタゴン・ペーパーズ』のなかの新発見が紹介されている。日本にいた鉄道破壊の特殊技術を専門とするCIA謀略部隊が、1954年ベトナムに移り、現地での鉄道破壊工作で成果をあげたという記述があるということだ。
 アメリカ国防総省の文書で、戦後日本の一連の鉄道破壊・転覆の謀略事件が、アメリカ軍によって仕組まれたことが証明された。
 ぜひ、一読をすすめたい。
 
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維新討論会での堺屋の少子化対策・「子供を産んだ高校生に校長がお金を配る」

2012年09月21日 07時20分42秒 | Weblog
 9月9日、結党に先立って、維新の討論会がひらかれた。マスコミがなんと100社400人もつめかけたという。なかには1社で5台もテレビカメラをもちこんだところもあった。バカじゃないかと思う。結党ヘむけた一大パフォーマンスだということは見え見えなのに、それにまんまとのせられ、維新キャンペーンの神輿をかつぐ。当日のテレビ欄をみれば一目瞭然。
 大騒ぎして持ち上げたけど、中身はさっぱり。「msn産経ニュースWEST」がその大要を伝えてくれている(「維新!討論会要旨」9・9、19:32)。教育に関する意見がえんえんと続く。素人談義的な議論にくわえ、そこは右翼ポピュリストたち。教育費を吸い上げて学校には配分せず、親にバウチャーという名の教育切符をくばる。客がたくさん集まった学校だけが勝ち残り、負けたところは淘汰する。学校は株式会社が経営するのは当然という議論が氾濫する。教育を究極の自由市場にしようというのだ。人格形成にかかわるもっとも公共的な分野を金儲けの餌食にしようというのだ。すべての、それこそ一人残らず、しっかりとした、等しい教育をうけさせるという観点の正反対の議論だ。教育バウチャー制はアメリカで新自由主義が教育をも席巻した行き着いた先だ。
 そういう議論のつぎに、少子化の議論がでた。そこでとんでもない少子化対策を提案したのが維新の最高顧問・堺屋太一氏だ。こんなぐあいだ。
「(出生率が高い国の理由は)子育てを市場化したから。ベビーシッターがいつでも来てくれる。それと若年出産率が高いからだ。だから若年出産率が高くなるような施策をとればいい。例えば、高校で子供を産んだ人に校長がお金を配るとか。そういうことを家庭の問題などと合わせて議論してもらいたい」
 非教育的教育論議をしたあげくに、びっくりする少子化対策提案。子どもを産む高校生はいる。わたしが務めた定時制では何人もが子どもを産んだ。教室であやしながら授業をうけたひともいた。みんなが祝福した。でも少子化対策としてそれを推奨し、金を配るという発想の異常さにはあぜんとする。人を大切にするという思想が柱になっていないからだ。以前、女性を子どもを産む機械といった右翼政治家がいたが、その考えを拡大し、高校生の出産を奨励し、少子化対策の道具にしようというのだ。これが維新という政治潮流の最高の知性なのだ。
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国民をばかにした野田内閣ふたつの決定

2012年09月20日 11時50分23秒 | Weblog
 野田内閣は、19日、国民多数の意見を無視して重大な閣議決定をした。
 ひとつは、オスプレイの「安全」宣言だ。わずか10日前に10万の怒りの大集会が行われたのをあざ笑うかのような決定だ。「特に危険と考える根拠は見出し得ない」という。なんのことはない、予定通りの安全宣言なのだ。アメリカ追随もきわまれり。これでは怒りはおさまらない。根本にある安保条約そのものに向かわざるを得ない。
 もうひとつは、いい加減な「原発ゼロ」からも脱落したことだ。直前に米倉経団連会長ら財界幹部がねじこんだことで、あっけなく態度をくつがえしたのだ。アメリカからの恫喝もあった。これで国民とのわずかなつながりも切れてしまった。脱原発に意思を固めている国民の多数世論を敵にまわすことになる。腰をすえてさらに運動をすすめなければならない。
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日本維新の会結党に見るいかがわしさ

2012年09月13日 09時32分07秒 | Weblog
 9月12日、大阪維新の会が政治資金パーティーを開き、橋下氏がその場で、日本維新の会の結党を宣言した。
 不思議その①。
 なぜ結党大会を開かずに、政治資金パーティーで結党宣言をするのか? 
 大阪維新の会は大阪府議、大阪市議らが構成員だが、その議員らをあつめた会議で、いつ、どこで国政進出をきめたのかと抗議の声があがった。地域政党・大阪維新の会のどの機関で国政進出をきめたのか、日本維新の会の結党をきめたのか知りたい。最古参の府議党員が知らないとうのだから、橋下代表とそのとりまきの独断できめたのだろう。橋下氏は大阪市長としても、府市統合本部を条例制定することなく設置し、そこでどんどん勝手なことを、それこそ独裁的にきめている。そんな具合だから、内部的な決定に民主主義などあろうはずもない。自分の頭に日々思いつくことが党の決定なのだろう。党内手続きは完全な独裁だ。結党大会が行われないのも不思議ではない。
 不思議その②。
 橋下氏はその場で、党の名称と本部所在地を大阪市にするということを発表したが、政党の骨格を発表していない。綱領はない。「維新八策」を綱領に代えるということだそうだ。新自由主義と右翼復古主義の項目羅列が綱領とは。まあ民主党も綱領をつくらないまま現状にいたっているからそんなこともあるかと思うが、変なのは規約がないことだ。どんな団体でも、規約をもって発足する。終戦直後、全国の新制高校で生徒自治会が発足したが、ちゃんとした規約を制定して出発している。ほとんどの生徒自治会は綱領はもたないが、規約のないものはない。総選挙で過半数をめざすという政党が規約も決めずに結党するという異常さにあきれる。メンバーはそれを問題にもしないし、新聞も追随するだけで疑問もなげかけない。
 不思議その③
 維新八策では企業団体献金禁止を掲げているが、当面は企業献金に頼るという二枚舌。こんなことは橋下氏にとってへっちゃらだ。4年間がこんなことの連続だから。わけもわからず追随する人にはとるにたらないことだろうが。企業献金に頼るということは企業のための政治をすることだ。テレビを利用して猛烈な支持を調達しているのだから、テレビを通じて支持者に募金をよびかけ、資金をまかなえばいいではないか。
 この政党に参加する人たちのいかがわしさも相当だ。その代表が民主党に離党届をだしている松野頼久氏。TPP反対をかかげて活動してきたはずなのに、TPP参加を明記する維新の会に入れてほしいという。なにがなんだかわからない。頭の中はどうなっているのか。





































































 
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朝日新聞にでた「おことわり」

2012年09月09日 09時18分20秒 | Weblog
『朝日新聞』9月9日付36面下に「おことわり」というのがあった。橋下徹氏が8日、日本維新の会の結成を表明し、党首に就任し国政選挙にも積極関与する意向なので、「これを踏まえ、朝日新聞は政治・選挙報道の中立を保つ観点から、当面の間、橋下氏の名前を冠した社会面の企画記事「考・橋下流」を休載します。」というものだ。
 つまり今までの編集方針は政治報道の中立が保たれていないことを告白したのだ。解散が取りざたされるから、にわかに中立を意識したということだ。
 これまでどれだけ橋下に関することを取り上げ、人気をあおってきたか。これまでの橋下追随、偏向を自己批判しなければ、中立的な政治報道には戻れない。事実、この日の1面トップも「維新、衆院400人規模擁立」太見出しだ。「橋下流」という名を冠した記事だけが問題なのではない。取り上げるに値しないいことを細大漏らさず大々的にとりあげてきたことが問題だ。他の多くの政党の扱いとのバランスからいって、はなはだしい偏向の4年間だった。これで人気がでないはずがない。右翼ポピュリストをここまで育てた、朝日をはじめとするメスメディアの政治責任を問い続けなければならない。戦争熱をあおった戦争責任と共通するものがある。
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