山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

三國連太郎さんの生き方と社会科教材

2010年05月24日 19時23分15秒 | Weblog
 三國連太郎さんは大好きな俳優さんのひとりだ。『朝日新聞』2010・3・29から夕刊に連載で三國さんがとりあげられた。
 私は、三國さんの徴兵忌避に関心を抱いてきた。高校「現代社会」の教材にも取り上げた。
 『朝日』では、中学校を中退したあとの中国への密航、釜山での弁当売りの仕事、大阪での工場勤めが紹介される。その後、故郷の下田で兵隊検査を受ける。

「合格。とっさに『戦争で死ぬのはいやだ』と思った。『大陸に行けば生きながらえる』と考え、佐賀の呼子へ行き、海峡を渡ろうとしたのです。不孝をわびる手紙をお袋に出しました。数日後、刑事に捕まり、家に連れ戻され、入隊させられました。町の人は『万歳』と見送ってくれましたが、おやじは僕のところに来て『必ず生きて帰って来い』と。お袋は面会にきて『一家が生き残っていくためには、お国のためにご奉公をしてくれ』と切ない声で訴えかけました」
 大陸では「敵に襲われ、安全装置を外すことを忘れて撃てなかった。戦地で実弾を一発も撃たなかった。3歳上の班長が『生き残るには仮病を使え』と言い残して、南方へ移動していきました。体温計をこすって微熱があるようにして陸軍病院に送られた。『おかあちゃん』と言い残して亡くなる兵隊もいました。『何のための戦争か』と疑問は増幅しました」

 実弾を一発も撃たなかったことをはじめて知った。
 徴兵を忌避して逃げていたのを母親が警察に通報したために、三國さんは捕まった。三國さんは、有名俳優として多忙を極めているいる時、父親の危篤に際して、仕事をキャンセルしたかけつけた。その後、母親が亡くなるときにはかけつけなかった。若い日の母親との関係が影を落としていた。
 今から25年以上前、私は、戦争を考える教材として使った。岡山大学の入学試験に三國さんの徴兵忌避と母親との関係が問題文として出題された。それを使わせてもらったのだ。  『サライ』という雑誌がある。創刊当初定期的に読んでいた。そこに戦争にとられそうになった息子を戦地に行かせないために、母親が息子の目に針を突き刺して徴兵逃れをさせようとした話が紹介されていた。三國さんの母と対比させて教材にしようと考えたこともあったが、さかのぼってその『サライ』を見つけるに至らず、教材化は断念した。
 先日、大阪歴史教育者協議会から『大阪の歴史教育』第43号(2010・5)が送られてきた。そのなかに、仲森明正さんの「日本近現代史の授業実践 ―『島国ナショナリズム』の克服をめざして―」があった。仲森さんは歴史教育のすぐれた実践家だ。実践報告では、2学期末考査の「別掲の『息子を売った母』を読み、この時代に君が生きていたとしたら、息子と母のどちらの行動に、より共感できるか。『1息子、2母、3どちらにも共感できない』の3つの内から選び、その理由を時代の状況にふれながら120字から150字の範囲で論述しなさい。」という論述問題と、おもな意見が紹介されていた。
 三國連太郎さんの生きた道は、のちの人間が日本の戦争を主体的に考えるすぐれた教材となっている。また俳優としての生き方も学ぶところが多い。
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注目・福島区補欠選挙

2010年05月21日 23時49分58秒 | Weblog
 橋下知事が大阪市議会福島区補欠選挙にその威力をつかって、候補者を送り込んだことから、一躍注目の選挙となった。80%の支持率を誇る橋下さんだから、何もしなくても当選するのだろう。その威力にあやかりたい連中がつぎつぎと橋下の下にひれ伏している。
 ところが注目のポイントが変わってきたと思う。つまり80%の支持がそのまま通るともいえない状況のようだ
 橋下氏は、ワン大阪、市役所解体、公務員攻撃をいいつづければ、自動的に勝利!とふんでいたのだろうが、どうもそんな簡単なことではないようだ。だいたい、以前は府庁解体、大阪府解体を叫んでいたのに、いつのまにか大阪市役所解体、吸収合併、ワン大阪にすりかわった。
 公務員攻撃をやれば政治的活路が開かれるというのが、小泉「改革」以来、保守右翼政治家の常道となってきた。小泉と並ぶテクニックを駆使しているのが橋下という人物だ。
 福島区の選挙では、公務員・役人攻撃、区長公選、市役所解体、二重行政非効率を叫べば、拍手喝采とはなっていないようだ。橋下派に真正面からいどんで批判しているのが、共産党山田みのり候補だと『朝日』選挙報道が伝える。他の候補も橋下批判に及んでいるようだ。
 地下鉄民営化が市民の利益になるのか、二重行政だとして区民ホール・区民図書館・区民プールなど区民のための施設を廃止に追い込むことがなぜ区民の福祉になるのか。橋下改革なるものの姿が、いまやっと市民の目に見えるところに下りてきたようだ。市民の区民の利益なるはずがない。大阪市より大きい横浜市で、横浜市を解体しないと神奈川県の発展はないなどという議論があるのか。そんなばかなことはでていない。ところが大阪ではそれが脅迫的な形で、マスコミの支援のもとでやられているのだ。大阪府立大学と大阪市立大学があるのは不経済だ、統廃合すると叫んだら、何の見識も持たない府立大学学長らが、理系大学に特化縮小するという方向を打ち出した。神奈川県立大学と横浜市立大学があるのは無駄だという議論あるだろうか。もしそんなことを言う政治家があれば、その人物の文化度の低さを天下に示すだけでバカにされるのがおちだろう。ところが大阪では、そうでもない。橋下氏にひれ伏す人間があまりに多いから。媚を売る人間があまりに多いから。
 橋下政治に拍手を送る人が多い。80%の支持率にあらわれている。しかし教育関係者、福祉関係者には支持を送る人はほとんどいない。橋下改革でやっていることの中身を身近に知っているからだ。詳しく事情を知る者はがまんがならないという。文化行政に携わってきた人、協力してきた人達の怒りも、ただごとではない。当該の現場から遠くなればなるほど、批判意見はなくなり、賛同一色になる。
 ところが福島区では、橋下政治を大阪市に福島区に受け入れるかどうかの選択の選挙となった。とにかく金を削ればどんなことでもいいというところから、政治の、行政の存在意義を論じるところに下りてきたという感じだ。橋下氏は、都市間競争に打ち勝つということをよくいってきた。コンクリート政治家だと明言もした。二重行政だといいつのって行政サービスを削減して、そのお金を大企業の国際競争のためにつぎ込むというのが目的だろう。だが、政治とは、とくに地方の住民に近ければ近いほど住民の健康・安全・福祉というところにその意義がある。
 府政は住民の日々の生活との関係が見えにくい。ところが市町村となるとそうはいかない。福島区民は真剣に考え、議論しているのだろう。人口10万人内外の大阪の区は行政区域ととしては決して小さくない。そこにホールがあり、図書館があり、プールがあることが無駄なのか。地方の市町村ではもっと小さくてもこれらの施設があるのは当たり前だ。こんなささやかな行政サービスを無駄だと攻撃する人物をこれ以上美化してはいけない。
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『週間ポスト』の官房機密費・野中発言の追跡記事を読む

2010年05月21日 08時23分31秒 | Weblog
 野中広務・元官房長官・元自民党幹事長が、官房機密費を野党工作や政治評論家に配っていたことを明らかにしたことをこのブログでもふれた。
 『週間ポスト』5月28日号に「配布実名リスト公開」という記事だ出ているというので、早速買って読んだ。
 野党の買収工作に機密費が使われていたことは、共産党の志位さんが以前暴露した。今度の野中さんの指摘で注目したのが、政治評論家の買収に使われていたことだ。
 ジャーナリストの上杉隆さんが、「ついに配布先を記した『実名リスト』を入手。沈黙する新聞・テレビに代わって、徹底追及した」というので読んだ。3枚の実名リストメモが写真で写っているが、ぼかしてあってよくわからない。上杉さんは、野中さんに会って名を明かすように迫ったが、拒否されたそうだ。メモは別ルートで入手したのだろう。野中さんのメモと同一かは不明だ。十分注意しなければならない。正しい部分と間違い、意図的な工作も含まれているかもしれない。
 メモには、政治評論を主とする言論人約20人の名があるという。
 上杉さんは、リストに掲載された評論家のうち、存命の人物に直撃取材をした。三宅久之氏は、デタラメだと一蹴し、野中さんの発言には大変憤慨している、痛くもない腹を探られ、ネットで「三宅を殺せ」とまで書かれ、迷惑千万ですと答えたそうだ。中村慶一郎氏も受け取りを否定したそうだ。受け取ったことを認めたのは俵孝太郎氏だ。認めるとともに、「リストは怪文書のたぐい」だと牽制したそうだ。あと2名の評論家からは、期限内に回答を得られなかったという。
 記事では、平野貞夫・元参院議員が「私は機密費で政治部記者の『酒と女』を世話した」という発言も注目だ。昭和40年頃、月々300万円もらった機密費で番記者を集めて料亭、銀座のクラブに連れて行き、平野氏が帰ると、記者は女性とホテルに泊まる手はずになっていたという。クラブの料金にはその値段もこみだった。月に1、2回やっていたという。今の新聞社の上の世代、政治部長や編集委員ぐらいまでは、そういうことをしていたそうだ。
 政治部記者が金と女で買収され、やがて出世して政治部長などになり、退社後は評論家になる。そして権力の番犬になる。いや、一線記者の時から番犬だったのだ。
 上杉さんによれば、リストにのった評論家の共通点はかつて大新聞の政治部記者だったということだ。
 野中さんは、「田原総一朗さんだけは受け取りを拒んだ」と発言している。三宅さんは憤慨しているそうだが、真実はどうなのか。三宅久之さんは、関西ローカルの「やしきたかじんのそこまで言って委員会」という読売テレビのレギュラーとして、右翼的発言で番組をリードしている。この番組は全国放送するのをはばかられるような右翼偏向番組だ。三宅さんの後をつぐ中堅右派評論家たちと共に言いたい放題で、多面的に問題を検証するという放送倫理もへったくれもないというとんでもない番組だ。日曜日の午後もテレビをみる中高年の人達には人気の番組だ。この「たかじんのそこまで言って委員会」は、関西の市民の政治世論の誘導に相当な力を発揮している。
 テレビには評論家が大もてだ。でもそのほとんどが、権力の番犬の如き発言を繰り返している。普天間問題でもそうだ。鳩山政権批判は熱心だが、アメリカにものをいう姿勢はみじんもない人達ばかりだ。肝心要のポイントに国民の目が行かないようにうまく操作している。
 野中発言は、各新聞とも小さな雑報扱いだったが、やっと『毎日新聞』5月21日に取材記事がのった。しかし問題をえぐる姿勢はみられない。
 上杉さんには、ひきつづき精力的な取材、報道を期待したい。
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朝日新聞の普天間問題世論調査に異議あり!

2010年05月17日 05時48分09秒 | Weblog
 5月17日付け『朝日新聞』を見れば、普天間問題を含む世論調査が載っていた。設問は、①普天間飛行場の移設問題で訓練の一部を徳之島、飛行場は名護市辺野古に移す方針を評価するかしないか、②首相は県外への移設を主張してきたのに県内移設をしたら約束違反だと思いますかそうは思いませんか、③沖縄にある米軍基地などを整理・縮小するために、一部を国内のほかの地域に移すことについて賛成ですか反対ですか、という三つである。
 問題は、三つ目の設問だ。沖縄の米軍基地を国内のほかの地域に移すことだけを聞いて、国外に移す、あるいは無条件撤去という選択肢を入れていないことだ。第四の問を設けて、国外移設、無条件撤去に賛成ですか反対ですかというふうにしてもいい。
 いずれにしろ、首相自身国外移設もはっきりと選択肢に入れていたのだし、本来的にこの選択肢はあるのだ。ところが、『朝日新聞』は、国外移設・無条件撤去の世論が広がるのを恐れて、このような作為的と思われる設問にしているのだ。現にアフガニスタン・イラクへの殴りこみ部隊として機能している海兵隊を日本の防衛のために不可欠だという考えを押し付ける世論調査になっている。これでは世論調査とは言えない。
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加藤一二三元名人の猫のえさやり騒動

2010年05月16日 09時15分57秒 | Weblog
 すいぶん昔に活躍していた加藤一二三さんが、猫騒動で注目されるようになって驚いたことがある。年齢が70歳だったことだ。若いということだ。棋士は若くして世にでるから、長く年月がたっても大した年齢ではない。
 加藤さんが野良猫に餌やりをつづけるために、猫の糞尿の被害などで同じ集合住宅の住民との対立がつづいていた。
 一時期、わが家に、娘が飼っていた猫が二匹いた。猫のおしっこは臭くてやりきれない。私の書類を詰めたダンボールの箱のうえにしたりして、ダンボールごと捨てるはめになったりした。
 加藤さんは、テレビカメラを前にして、猫の命を守るために、住宅の敷地外で餌やりをつづけると熱弁をふるっていた。ほんとに猫の命を大切にしようとするなら、自分の家で食事・排泄両方の世話をして、面倒をみることが求められる。外で餌だけをやるのは、猫の人気取りでしかない。めんどうな排泄の世話をせずに餌をやるのは、単なる餌づけでしかない。その人が野良猫集団のお山の大将になりたいだけだ。野良猫に餌をやりつづけると、野良猫が増えつづける。
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鳩山内閣、核廃絶に不熱心 岡田さん志位さんと代わったら?

2010年05月14日 09時48分39秒 | Weblog
 核拡散防止条約(NPT)再検討会議が、ニューヨークで開かれている。鳩山さんは普天間問題に熱心にとりくんでいたので、日本にいたのは知っていた。担当大臣の岡田さんはてっきり出席しているものと思っていた。ところが、出ていなかったのだ。なにをしていたのか。国会重視だとしても、連休中だけでも出席はできたはずだ。被爆国の外務大臣としては任務放棄といわれても仕方がない。5年に1度の再検討会議だ。しかもオバマ大統領の核廃絶への発言があり、ロシアとの間で新しい動きがあったにもかかわらずだ。日本はやる気がないことを世界に示した格好だ。
 前の記事で書いたが、志位さんが連休全部使ってNPT再検討会議に出席し、各国代表と頻繁に意見交換し本格的な廃絶の道にふみだすことをうながした。まるで外務大臣が代わったかのようだ。共産党は野党だが、ずっと平和外交に熱心だ。
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志位委員長、米政府に普天間無条件撤去を伝える

2010年05月10日 22時34分57秒 | Weblog
 ニューヨークの核不拡散条約(NPT)再検討会議に出席し、国連関係者、各国政府関係者と懇談をかさねてきた日本共産党志位委員長が、2010年5月7日、米国務省で日本部長のケビン・メアしと会談をした。議題は、核兵器問題と普天間基地問題だ。
 普天間問題では、志位氏は、自らも参加した沖縄県民大会の総意を紹介し、「4月21日、ルース駐日大使との会談で、沖縄の情勢は決して後戻りすることはない限界点をこえていると述べたが、それはいよいよ決定的なものとなっている。県内移設という方針は、県民の理解を得ることが絶対に不可能な、展望のない方針だ」とのべた。また徳之島の島民の意志も紹介し、「もはや沖縄県内はもとより、日本国内のどこにも、地元合意が得られる場所はない。普天間問題解決の唯一の道は、移設条件なしの撤去しかない。これが私たちの主張だ」とのべた。
 日本部長は、米軍の存在は日本防衛と極東の平和と安定に貢献している、海兵隊の存在は抑止力として重要とのべた。
 志位氏は、「抑止力というが、沖縄の海兵隊の展開先はイラク、アフガニスタンではないか」と指摘。県内移設を押し付けるなら、沖縄のすべての基地撤去を求めることになるとしう宜野湾市長の県民大会での発言伝えた。
 米側は、06年に日米政府が合意した現行案が良いとの立場を表明。
 志位氏は、「県民の怒りの根源には、凄惨な地上戦を体験し、占領時に土地を強奪されたうえ、65年にわたる基地の重圧のもとで、痛ましい事故や事件が繰り返された歴史的な痛みの蓄積がある」と強調。かつての沖縄の本土復帰は、沖縄と本土の運動をふまえ、サンフランシスコ条約第3条の壁を越えての決断だったと指摘。返還にいたる過程で米国側も後戻りできない点に至っていることを認識して、返還の決断にいたった過程も指摘しながら、「私たちは、いままさに同じような決断が求められる歴史的岐路に日米関係は立ち至っていると考える」と述べた。
 米側は「見解は違っても意見交換をするのは有益、これからもできるだけやりたい」と述べた。『しんぶん赤旗』2010・5・9付けから紹介した。
 志位氏が国務省との会談を求め、無条件撤去というすっきり解決法率直に主張したことの意味は大きい。現在の沖縄県民の総意は、限界点を越えているがゆえに、本土復帰のときと同じような決断が必要なそういう地点にすでに立ち至っているという時代認識を示し、同意を求めたことが重要だ。
 アメリカの顔色をうかがい、及び腰で交渉する歴代日本政府の立場を突破することが展望を開くことを予感させる。志位氏との会談が、アメリカ側にとって、県民の総意の歴史的位置についてはっきり説明を受けたはじめての場だったのではないか。日本外交にとっても意味ある会談だったいえよう。
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高速1000円でCO2増加

2010年05月08日 00時50分21秒 | Weblog
 麻生政権が民主党の高速道路料金無料化の選挙公約に対抗して2009年3月にはじめた休日高速1000円が、CO2を大幅に増やしていることが判明した。『朝日新聞』2010・5・7夕刊の報道による。
 国土交通省は、首都高速・阪神高速をのぞく全線で終日無料化した場合、一般道の混雑が緩和され、車の平均速度が速くなって燃費が向上することで年間310万トン削減できると試算していたそうだ。だが、実際は、CO2排出量は287万トンふえたという計算がでたそうだ。
 それはそうだろう。素人判断でもふえるに決まっている、CO2削減に逆行すると思っていた。麻生内閣は景気対策としてやったが対策になったのだろうか。
 鳩山内閣はCO2の25%削減をかかげているのだから、この重要課題と整合性のある交通政策をやってもらわないとだめだ。鉄道や船などの大量輸送機関を利用する方向をつよめなければそれは実現しないにもかかわらず、実際は逆のことをやっている。フェリー会社を倒産・廃業に追い込んでいるし、鉄道輸送がへっている。
 変なマニフェスト至上主義をやめ、国民の冷静な指摘をふまえて、整合性のある政策をやってほしい。
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名古屋市・高松市が生活保護対象者に片道切符を持たせて大阪市に送り込んだ

2010年05月07日 23時53分33秒 | Weblog
2010年5月7日夜のNHK大阪放送局の「かんさい熱視線」という番組で、名古屋市・高松市などが、生活保護需給申請者を大阪市に片道切符を持たせて送り込んでいるという重大な事実を報道した。
 実際に住んでいる行政区ではなく、申請を受けた行政区が保護をおこなうという現地保護主義を悪用したものだ。だが現地保護主義は行き倒れの人を救うという趣旨で定められたものだという。放送された事例は、高松市・名古屋市に生活保護申請をした人に対して、これらの市が、大阪までの夜行バスなどの片道切符と300円ほどの食事代を持たせて、大阪市に申請するように仕向けたというのだ。大阪市浪速区役所が受け付けた事例が放送された。
 このやりくちは制度を悪用した卑劣なものだ。送り出した側は、カメラを前に事実を突きつけられ、うろたえながらも本人が望んだことだと言い張った。しかし、本人は、知らない土地に行くのはいやだがそうさせられたとはっきり言っている。
 大阪市は生活保護が急増している。明らかに変だと思われる事例が増えているそうだ。名古屋市は、河村タレント市長が話題をつくって注目をあびている。だがこんなことを組織的にやっていた。
 番組ではさらに、生活保護受給者を囲い込んで、保護費をしぼりあげる貧困ビジネス業者が、最近、大阪から岡山あたりまで出向いて勧誘しているということも報道した。これは市ではなく、業者の仕業だ。安い古アパートにいれて住宅扶助42000円をふんだくるのだ。さらには食事も提供してしぼるというケースもある。利潤追求を本旨とする資本主義の姿をここに見た。アメリカで涙を流したトヨタの社長が、そのあと日本の下請け業者の下請け単価切り下げを血も涙もなく強行したのと好一対をなしている。
 大阪市は、ホームレスの人を保護するためのシェルターの設置を系統的にすすめたり、受給者が急増したために担当職員を増やしたりしている。大阪市政にも問題はあるが、困っている人に片道切符を持たせて追い出すなどの悪辣なことはしていない。事実としてはそれらを受け入れている。
 重大な事実を報道したNHK大阪放送局に感謝したい。
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鳩山首相、普天間基地の辺野古押し付けは許せない

2010年05月05日 16時58分44秒 | Weblog
 鳩山首相が、昨日(2010・4・4)、沖縄を訪問し、総選挙の目玉公約の「最小限県外移設」を180度ふみにじる態度表明をおこなった。
 名護市の辺野古沿岸部にくい打ち桟橋方式で新基地を造ってアメリカに提供しようというのだ。また鹿児島県徳之島にも一部移転をするという。辺野古でも、徳之島でもこれを受け入れることはありえない。14年前は振興費で頬をたたいて市長に受け入れを認めさせた。それでも、工事の杭一本打つことができていない。今は、14年前と県民・市民の意識がちがう。受け入れはしないと稲嶺市長は明言しているし、市民はそれを支えている。
 そうすると、世界一危険な普天間基地はそのまま現在地に残されることになるのか。そんなばかなことを許すはずがない。
 やはり、無条件に普天間基地は撤去させる、あとはアメリカ政府が考えることだ。
 鳩山首相は、海兵隊こそ抑止力ということがわかってきたというが、抑止力という呪文で軍事基地を容認する一線をすでに越えている。
 今日の新聞で、異様に写ったのが、『朝日新聞』の主筆(読売のなべつねさんに並ぼうということなのか)船橋洋一氏の論説だ。沖縄県民の意志にはまったく触れず、これとは無関係に抑止力信仰に立って、鳩山首相に「孤独な決断になるでしょう。ぜひ、大きな決断をしていただきたいと心から念じております」とエールを送っている。アメリカ政府関係者と接触を重ねた上で、ワシントンから草稿したものだ。アメリカ政府のエージェントかと錯覚した。
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橋下新党(維新の会)のワンオーサカなるもの

2010年05月05日 15時53分33秒 | Weblog
 橋下知事が党首の「維新の会」がはじめて大阪市会議員補欠選挙(福島区)で候補者をたてる。福島区で1位で当選した共産党の清水ただし氏の参院選出馬にともなう選挙だ。
 橋下氏は、大阪府と大阪市を解体して都にするといい、ワンオオサカをうたい文句にしている。大阪市をなくすことが、大阪市民にとってどうなのか?
 橋下氏はこれまで、まず大阪市営地下鉄を民営化する、区民ホールなどが無駄だといっていた。
 地下鉄は市民だけでなく大阪府民の重要な公共交通機関だ。毎年黒字を出す優良企業だ。このおいしいところだけを民営化しようというのだ。明治時代に造船所や鉱山などの官業払下げで財閥の基礎が形成されたことが頭にうかぶ。地下鉄はバスと一体になって経営されて、市民の交通権を保障している。地下鉄の黒字を赤字のバスにつぎこんで市民の足を確保しているのだ。絶対に地下鉄民営化などさせてはいけない。
 橋下氏はしたたかだから、今度の選挙で地下鉄を売り払うなどとは言わないだろう。すでに昨日(5・4)、街頭演説をして、「今の区長は役人だから、区民より市役所の方に目が行く、住民のサービスができるように選挙で区長を選べるようにしましょう」と言った。区長=公務員攻撃と区長公選を中心にしようとしていることがはっきりした。衣の下の鎧は見せない。
 橋下氏は、大阪府と大阪市があることが二重行政で無駄だとしきりに言ってきた。だが、280万大阪市民にとって、市立中央図書館・区民図書館が、区民ホールがそれぞれあることが、どうして二重行政なのか。府立図書館があればあとは無駄だというのだろうが、それは橋下氏の文化程度をあらわすだけだ。280万市民の中央図書館が、各区10万以上の区民に図書館があって当然ではないか。地方の県で、県立図書館があるから県庁所在地の市立中央図書館が無駄だという話は聞いたことがない。まさに文化程度の問題だ。区民ホールもだし、体育館や青少年センターなど多すぎて持てあましてはいない。
 動かぬ事実は、橋下氏が、府立青少年センターを廃止し、市立青少年センターだけになったこと、府立大学と大阪市立大学があるのは無駄だといって、府立大学を理工系だけに縮小させようとごり押しして、府立大幹部がそれに迎合しているということだ。臨海スポーツセンター、府立体育館も廃止しようとしたが、大相撲ができなくなる、あるいは中高校生の部活の大会会場がなくなることから、かろうじて存続がきまった。でも橋下氏は、廃止に執念を燃やした。
 大阪市廃止は、市民にとって何もいいことはない。区が3分の1に減らされて、区長公選になったとしても、区民図書館も区民ホールもなくなって何がいいのか。
 今度の福島区の補欠選挙は、橋下派が出ることでまたもやマスコミがこれに肩入れしていくということが危惧されるが、私が指摘したことを重大争点にしないと、橋下氏をつけあがらせ、とんでもない事態になってしまう。
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テレビ買い替え

2010年05月05日 15時45分19秒 | Weblog
 今日、新しいテレビがきた。薄型テレビで、今までのに比べたらすいぶん大きい。しかも、あざやかだ。デジタル放送なので、タレントの顔のしわもよく見える。
 古いテレビは、3万円あまりで買ったもので、全体にぼけていたし、NHKはスジが入って見にくかった。テレビ漬けにならないよう気をつけよう。
 すでに、地デジ対応受信機の普及率は69・5%にもなっているのも始めて知った。
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野中氏が暴露、月7000万の機密費

2010年05月01日 07時30分32秒 | Weblog
 小渕内閣で官房長官をつとめた野中広務氏が、30日、官房機密費を月7000万円も使っていたことを暴露した(『朝日』2010・5・1)。野中氏は1週間前にも、沖縄で同様のことを発言していた。
 発言によると、首相に月1000万円、野党工作のために国対委員長に500万円、参院幹事長に500万円配っていた。税金をつかっての政治買収だ。
 こんどの野中発言では、政治評論家にも配っていたことが暴露されたことが大きい。持って行って断られたのは田原総一朗さんだけだという。なかには3000万円要求した評論かもいたという。政治をワイドショー化して世論誘導するテレビでは政治評論家が欠かせない。その評論家が、権力の金で養われていたことが明らかにされたことの意義は大きい。
 野中氏は、議論してほしいという思いで暴露したのだから、配った相手を名前をあげて明らかにすべきだ。そこまでやって初めて大きい議論になる。買収資金をもらっている政治家と評論家をあぶりださないと必ずごまかされる。
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