山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

すっきり散髪、安い店で

2017年08月31日 22時51分33秒 | Weblog
 髪の裾が長くなり、最近アレルギーで痒みが増してきたので、すっきりしようと思って久しぶりにバリカンで刈り上げた。午後2時から4時までは格安のスーパーのなかにある散髪屋だ。男の散髪よりも女性の客が多いから美容院なのか?平日の午後2時間だけ、カットだけなら690円と格安だ。この時間集まるのは老人ばかりだ。年金生活の現実が見える。ときには普通の散髪屋さんにも行くが、格安で節約はやめられない。節約したお金で天狗舞を買いたい衝動に駆られる。
 若者はこんな行動はとらない。身だしなみにはこだわりが強いから、値段の張るお店に予約を入れて行く、特に女性は。靴を見ても若者はいかにも上等な靴を履いている。老人はというより私は、高くない靴を履く。1万円を超すことはない。格安靴だと底が薄くて足裏が痛い。6千円くらいの靴をかかとが傾いて減るまで履く。そして靴屋で古いのを引き取ってもらい、新しいのを履いて帰る。あまりかっこよくない、古い古いタイプの行動スタイルだ。そういえば、大国町の靴のトミヤマが廃業してずいぶんになる。さびしい。大阪に来て、靴を買うならトミヤマだと初めて買った店だったのに。
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麻生副総理、またしてもヒトラー発言

2017年08月30日 22時55分09秒 | Weblog
 麻生太郎副総理兼財務相は8月29日、麻生派の会合での講演で「(政治は)結果が大事だ。何百万人殺したヒトラーは、やっぱりいくら動機が正しくても駄目だ」と述べた。麻生氏は2013年にも、講演で「ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。誰も気づかなかった。あの手口に学んだらどうかね」と発言し批判を浴びた。
 ヒトラーは動機が正しくても結果が駄目だというのだが、どいうい神経でしゃべったのか。ヒトラーの政治は動機は正しいとはっきり言っている。民主政治ではとても認められない。こういう人物がのさばっている日本政治の後進性にはほとほとあきれる。情けない。
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北朝鮮の無通告ミサイル糾弾、無条件に対話に踏み切れ

2017年08月30日 12時23分58秒 | Weblog
 北朝鮮は2017年8月29日午前5時58分(北朝鮮時間5時27~28分)、平壌近郊の順安から弾道ミサイル発射した。ミサイルは6時5~7分北海道上空を通り襟裳岬から太平洋に飛行し、6時12分に襟裳岬東方1180キロに落下した。飛行時間は14分間。6時2分に全国瞬時警報システム(Jアラート)が作動した。
 北朝鮮のミサイルは、6か国協議での自らの宣言に違反し、加盟している国連の安保理決議に違反する暴挙だ。しかも、2度目の通告なしの発射は航空機や漁船の安全を無視するものだ。また対話への機運も生まれていたにもかかわらず、それを台無しにする態度は許せない。
 だが問題を北朝鮮非難だけにとどめては解決にはほど遠い。というのは、挑発、威嚇をしているのは、北朝鮮だけか。ちがう。アメリカが、北朝鮮の目の前で、3~4月、そしてこの8月に米韓合同軍事演習を大々的にやっている。アメリカは毎年の恒例のものだから何の問題もないというが、それは違う。明らかな軍事的威嚇だ。訓練に過ぎないというならアメリカの沿岸でやってもいいはずだ。これは国連憲章が禁止する軍事的威嚇だ。上陸作戦・斬首作戦もやっているのだから。日本のマスコミでは米韓合同軍事演習による北朝鮮威嚇をまったく問題にせず批判もしない。これでは問題の全体をとらえたことにはならない。
 見過ごせないのは安倍首相の発言だ。トランプ大統領との電話会談で「北朝鮮に対話の用意がないことは明らかであり、いまは圧力をさらに高めるときだ。『すべての選択肢が俎上にある』というアメリカの立場を支持している」と述べた。安倍首相は一貫して圧力を強めることを主張し、菅官房長官は「対話のための対話は意味がない」といった。この政権は対話に踏み切るべきだとは絶対に言わない。しかし、圧力を強めるといい続けてきた拉致問題で事態は進展したか。1ミリも進んでいない。圧力一辺倒は完全に失敗している。菅官房長官は、対話のための対話もできないくせによくいうよ。まずは簡単なあいさつ、ついでなんの成果がなくても対話する、そう、対話のための対話から出発する。これが大事だ。
 ひどくがっかりしたのが河野太郎外相だ。河野洋平氏の息子ということで根拠もなく期待をあつめていたが、北朝鮮がグアムでなく北海道沖に撃ったことについて「米国の対応に北朝鮮が少しひるんだということはあるだろう」と発言した。これは北朝鮮を逆に挑発するものだ。彼はミサイル問題では、安倍首相と完全に同じく対話否定を言明していた。
 6時2分にJアラートを政府は発動した。だが、政府は「わが国にむけて飛来する恐れがない」(小野寺防衛相)と判断していた。日本に向けたものでないにもかかわらず北海道・東北・北関東に避難指示をだした。明らかに矛盾している。恐れがないのに避難指示は、いたずらに国民を不安に陥れるものだ。不安をあおった方が、尻に火がついている安倍内閣にとって、国内情勢を有利な方向にもっていくチャンスになる。
 Jアラートが発動したのは6時2分だが、6時7分には襟裳岬上空を通り過ぎている。警報を聞いて避難しようと動き出したころにはもう飛び去っているのだ。しかも避難するといってもどう、どこへ避難するのか。どこかへ避難することの意味があるのか。右往左往するだけではないか。かえって危ない。首都圏では鉄道の運行を一時見合わせたところもあったが、大げさで全く無意味だ。学校でも公私立学校6校が休校にした。この対応も異常だ。トラック運転中の携帯に警報が鳴ってびっくりした運転手の反応で衝突事故を起こした事例も生まれている。
 ミサイル発射から時を置かずに、着弾地点を推定できるのだから、国民の不安をあおって世論誘導をするようなことは辞めるべきだ。マスコミももっと冷静になれ。帽子をかぶって逃げまどっても何の意味もないのだから、真の解決、無条件対話の開始こそ、こぞって求めなければならない。

 ひとつ気になったことがあった。昨日の「報道ステーション」で解説の後藤さんが、日本の頭越しに米朝会談が行われることは避けなければならないということを言った。わたしはむしろ頭越し会談を歓迎したい。後藤さんの意図は十分わからなかったが、わたしには会談にブレーキをかけるように感じた。日本政府はアメリカ政府よりずっと対話には否定的だ。トランプ電話会談でも対話へ行かないよう足を引っ張った。アメリカの方が現実主義だ。わたしは一転して会談に踏み込むリアリズムを期待したい。ワイドショーの居並ぶコメンテーターが政府に追随して危機感をあおるのはうんざりだ。
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清水寛・埼玉大名誉教授の「ハンセン病問題は終わっていない」を読む

2017年08月27日 16時53分35秒 | Weblog
 清水寛・埼玉大学名誉教授の「ハンセン病問題は終わっていない――『ハンセン病児問題史研究』を編んで(上・下)」(『前衛』№952、2017・8~9月号)を読んだ。ハンセン病問題には関心をもってきたが、それほどくわしくはない。だから、ハンセン病児問題について、この『前衛』連載は勉強になった。清水氏の本はハンセン病児だった人たちからたくさんの聞き取りをもとに編まれており、氏は大学教育でも学生たちといっしょにハンセン病療養所で学ぶという姿勢を貫いてきた。
 この連載で、あっと思ったことをひとつだけ紹介したい。
 植民地朝鮮のハンセン病療養所と戦後の韓国の政策についてだ。植民地朝鮮では、日本の療養所以上にひどい実態だった。全羅南道南端の鹿洞沖の小鹿島の療養所では、朝鮮全体から6000人もが強制収容されていた。宿舎の建設はすべて患者の労働でやられていたが、労役拒否をしたり、反日的な態度を示すと、焼きごてを当てられた。その焼きごては、資料館に展示されている。
 戦後独立した韓国では、ハンセン病者の隔離政策を廃止し、患者や回復者が家族と共同生活をする定着村を韓国各地につくった。だが、定着村の子どもに対する通学拒否事件があった。その後、定着村の近隣に一般の人々も住み着くようになり、、壁がなくなって、通学拒否もなくなった。
 ところがその後も、優勢思想に基づく断種とワゼクトミーの手術が行われ、それが憲法違反だという判決が最近最高裁であったというから、戦前日本の差別政策が染み通ってもいた。定着村という形で解放された側面とともに、植民地時代からの差別感が残っていたという複雑性をもっていた。
 誠実な研究者の仕事には学ぶところが多い。
 
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小池都知事、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式に異様な冷たさ

2017年08月26日 23時53分22秒 | Weblog
 小池百合子都知事が、9月1日におこなわれる関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典に、これまで毎年都知事が送ってきた追悼の辞をやめた。3月の都議会で自民党都議が朝鮮人犠牲者の数が不確かだと言いがかりをつけて式典への追悼の辞を取りやめるように圧力をかけた。
 石原知事でさえ追悼の辞を送っていたのに、小池知事が言いがかりに屈したのはあまりの不見識としかいいようがない。南京大虐殺にしろ、朝鮮人慰安婦にしろ、この朝鮮人虐殺にしろ、詳細な人数を確定することはできない。あたりまえだ。真実に迫る姿勢こそが尊い。この自民都議や右翼は、被害人数のような確定し得ない問題をあげつらって、それが不確かならことの全体も不確かで信用ならないという屁理屈を必ずこねる。しかし重要なのはそのような人道に反する問題の本質であって、人数の詳細ではない。
 小池知事は安倍政治に対して何の態度表明もしていない。安倍政治の根本にはこの都議のような朝鮮人殺害、植民地支配、戦争責任を不問にする姿勢がある。こんな問題にころりと屈服する政治家が東京だけでなく日本政治にも手を伸ばそうとするその危険性を指摘しなければならない。
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目の前で憲法無視・憲法違反をつづける自民公明に憲法改正を語る資格なし

2017年08月24日 10時28分20秒 | Weblog
 8月23日、自民・公明両党は臨時国会を9月末に召集することで一致した。だが待て。6月末に野党は、衆参いずれかの議員の4分の1以上の要求があれば内閣は召集しなければならないという憲法53条に基づき臨時国会を要求している。取り下げてはいない。53条は何日以内にとは書いていないが、合理的な範囲というのが常識だ。自民党の改憲案には念を入れて、「20日以内」と書いてあるではないか。9月末が20日以内か。90日を20日と読むのか。目の前で憲法無視、憲法違反をつづける政党に、憲法改正をうんぬんさせるわけにはいかない。資格がない。
 森友学園。『朝日』が8億の根拠だというゴミの穴の写真を入手した。3・8メートル以下に47・1%の混入率でゴミがいっぱいだという政府の説明をくつがえす写真だ。ご栄転の佐川・前理財局長が買取価格は提示したこともないし聞いたこともないと断言していたのに、実際はいくらだったら出せますかとねんごろにやり取りしていた事実もあきらかになっている。安倍昭恵氏の喚問もまだだ。大阪では、学校建設の根幹となる基金には4億の寄付があるといっていたのが架空のものだった。右翼教育にほれ込んでいた歴代維新知事の下で森友の幼稚園教員を次々表彰し、架空の基金を見抜けぬまま、あっという間に認可適当のお墨付きを与えた。これからが糾明の本番だ。
 加計学園。今年1月20日事業者を加計に決めた最終日に初めて加計の応募を知ったという安倍首相の超おとぼけ証言。国民の誰も信じていないウソを放置できない。建設費が192億円だからその半分96億円を愛媛県・今治市が負担するという。ところが実際の建設費は127億だ。その差額65億円はどこへ消えるのか。県民市民の税金の詐取ではないか。しかも127億でつくる建物の坪単価は150万円。北里大学獣医学部の改築は坪82万だった。倍近い。ところが加計獣医学部の建物は鉄骨造りで通常のビルの建築法だ。マンションや学校はより耐久性のある鉄筋コンクリートだが、鉄骨造りだと坪単価は70~80万らしい。おかしい。ということは、県市の補助金だけで建物のほとんどが建ってしまう計算だ。森友学園と同じじゃないか。補助金詐欺だ。籠池氏は逮捕されている。こんなものを逃がすわけにはいかない。加計孝太郎氏も喚問だ。
 稲田・自衛隊日報問題もある。国会はすぐ開いて徹底究明すべきだ。
 安倍首相は河口湖での夏休み別荘ライフを今年は短くしたといっている。別荘がご近所の加計孝太郎氏と出くわしたりしたらあらぬ疑惑を呼ぶので、今年は東京高級ホテルの夏休みだ。昨日は六本木のグランドハイアット東京のフィットネスクラブで運動をした。運動も高級ホテルでするとは安倍お坊ちゃまは違うなあ。冷房が完備したとかで、高校どころが小学校までもう学校が始まってるではないか。高級ホテルライフを楽しんでいる場合ではないよ。すぐに臨時国会を開け。
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高校生平和大使に演説させない日本政府

2017年08月22日 23時45分20秒 | Weblog
 2014年以来、ジュネーブでの軍縮会議で核兵器廃絶を訴える演説をしてきた日本の高校生平和大使が、今年はできなくなった。日本政府が演説の場を保障しなかった。核廃絶を訴える活動をしてきた高校生が、国連の核兵器禁止条約に賛意を示し、日本を含む条約に反対している国々に署名を勧める演説をされたら困ると政府は思ったのだろう。核廃絶運動が条約に実ったのは眼前の事実であり、それにうろたえているのが日本政府だ。
 情けないとしか言いようがない。子どもが立派な活動をするようになったのを前にして、活動の足を引っ張る。あまりに心が狭い。いまの日本政府・安倍内閣の姿だ。政府はこんなに早く核兵器禁止条約が成立するとは思ってもいなかったのだろう。政府は今まで核兵器国と非核兵器国との橋渡しをする、それをするのが日本の役割だといってきた。なのに、今や日本は、国連会議にも参加もせず(オランダは反対だけど参加した、その点立派)、核兵器国の強固な一員だと宣言し、橋渡しの土台を自ら崩してしまった。高校生の発言にさえおびえるようになった。今年の広島長崎では、安倍首相は被爆者から厳しい批判を受けた。
 この平和大使の活動は長崎と広島の高校生が中心で、6、7年前の広島での平和教育の大会で高校生が世界に活動の場をひろげようと発表していたのを思い出す。頼もしい限りだ。
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セミは鳴き納め

2017年08月22日 14時17分31秒 | Weblog
 2017年は我が家の狭い地面からもたくさんのクマゼミが生まれ、集団で鳴きつづけた。2、30年ぶりにアブラゼミを孫が見つけたてくれたのも嬉しいことだった。
 だが最近セミの声がないなと思っていたら、20日ちょっとだけ鳴いたのが鳴き納めとなった。集団鳴きは18日がおわり。クマゼミの幼虫は固い土のなかでも生き続け数年後に地上に顔を出すらしいから、元気で生きてほしい。
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帰省・墓参・懇親・九谷

2017年08月20日 16時05分54秒 | Weblog
 久しぶりの帰省・墓参だった。朝早めに出て、快速を乗り継いで小松まで行った。途中、敦賀で「焼き鱒弁当」を買って電車で食べた。ます寿司のますの表面が炙ってありちょっと香ばしい。片道5時間から5時間半くらいだ。サンダーバードの2倍かかる。でも安い。湖西線風景は十分見慣れているので、新聞をゆっくり読んで、古本市で買った文庫本を読んだ。
 実家ではまず冷えたスイカを食べた。甘い。今年はたくさんのスイカが実って配ったそうだ。夕方、村の同級の友人が集まってくれ酒をくみかわした。花菱を予約したと連絡があったので、小松の料亭かと思ったが、村の酒屋が始めた居酒屋だったので安心した。5人も集まってくれた。
 翌朝は墓参りだ。村はずれの墓場に向かった。昔は遠く感じたが、今は家がつついている。ずいぶん立派な墓がふえた。競っているように見える。花を添えて、ろうそくに火をつけ、その火を線香に移す。父母の墓に手を合わせた。兄がお経の本を忘れたということで、いつもの阿弥陀経はなくあっという間に終わった。
 午後2時ごろ、兄に駅まで送ってもらった。小松市街をぶらぶらした。大阪の新聞にも小松駅東側の八日市地方遺跡で「柄付き鉄製やりがんな」が発掘されたと報じられていた。いい状態でずいぶん貴重なものだ。
 商店街としての八日市や三日市があるがシャッター街だ。八日市の西の大文字町に向かった。4代徳田八十吉の窯か店がある通りだ。たどり着く前に美術品の店があり入った。九谷焼の専門店だ。有名作家の作品、新しいもの古いもの、名もない陶工の作は安く展示されている。100円、500円と紙が貼ってある。値段に比していいものばかりだ。しかし数十万円の人間国宝の3代徳田八十吉・吉田美統、北出塔次郎のものはガラスケースに入っている。安い方の棚で目についたのが浅蔵五十吉の陶板だ。深い黄色に緑の陶板が訴えかけるように飾ってある。縦15センチ横22センチで朝顔、カタツムリが描かれている。値段を見ると12,000円。文化勲章作家が。聞くと、旧家の家の解体に際し、引き取ってくれとの求めでひとまとめで買いとったという。本来10万円のものだが、今は全般に値が下がっており、早くさばくのが大事なので安くしているという。90年代前半文化功労者受賞後の作で略歴も付されている。あと、5つ組の盃500円、5枚組の小皿500円を買って計13,000円。なんかうれしい気分で駅に向かった。店でたくさんの品を鑑賞するのに時間を取ってしまい窯に行くのは次回に回した。
 帰りも快速乗り継ぎで帰った。時間があるので、雑誌論文をずいぶん読むことができた。普通電車は混んでいて、ほぼ満席に近いほどだった。普通の本数が少ないからだ。1時間に1本という感じだ。特急中心が地元民を粗末にしている。これが新幹線となると、在来線は切り捨てられ、地元負担の別会社にさせられさらに不便になる。
 途中遅れが出て、大阪駅についたのは、10時前になった。鈍行で本をずっと読みながらの旅だったので、ずいぶん長く感じた1泊2日だった。
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きゅうりの漬物

2017年08月19日 23時42分21秒 | Weblog
 きゅうり、なすの漬物の塩はずっと適当にやってきたが、新聞に2%の塩でやるとサラダも含めいろんなものに使えると書いてあったので、ほんとにそうなのかとためした。きゅうり3本で300g。2%が6g。紙に塩を載せて測ると、6gは山盛り、とんでもない量だ。半分に減らして漬けたが塩辛かった。ネットの料理指南では、2%で砂糖をそれ以上加えて人気の漬物というのもあった。砂糖も入れれば塩分高くても美味しいだろう。市販の漬物は化学調味料も入っているだろうから、塩分量が高くても塩辛く感じず、うまいのだ。
 わたしは塩分を減らしたいと常々思っているので、やはり、1%以下、0・5%強くらいがいい。
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北朝鮮のミサイル発射保留をうけ、米韓合同演習を中止して、米朝直接対話をすぐ行え

2017年08月17日 12時36分05秒 | Weblog
 北朝鮮とアメリカとの軍事緊張が高まっている。キューバ危機にもなぞらえる見解が出るほどだ。8月10日には、トランプ大統領が「15日までに彼がグアムに何をするか見てみよう。何かをすれば、誰も見たことがないようなことが北朝鮮で起きる」とその発言をエスカレートさせた。14日にはマティス国防長官が、「(グアム周辺にミサイルが発射されれば)一気に戦争に発展しかねない」と述べた。
 これに対し、14日、北朝鮮の金正恩委員長は「米国の様子をもう少し見守る」とミサイル発射留保を示唆する発言をした。今が米朝直接対話のチャンスだ。これに対し、トランプ大統領は16日、「北朝鮮の金正恩委員長は非常に賢く、非常に筋の通った選択をした。別の選択をすれば、破滅的で容認できない事態になっただろう」とツイッターした。
 だが、国務省のナウアート報道官は15日、北朝鮮がグアムへのミサイルへのミサイル発射を保留しただけでは対話開始の条件としては不十分で、朝鮮半島非核化の意図を示す必要があるとの認識を示している。この時点でそこまで要求したら、うまくいくものもいかなくなる。
 さらにアメリカは、21日から31日まで米韓合同軍事演習を予定している。もしこの軍事演習を強行するなら、すべてがご破算になる可能性が強い。米韓軍事演習は3~4月にも行ったが、この時も北朝鮮は対抗的にミサイル発射をやった。3~4月には、海・空からの攻撃に加え、特殊部隊を上陸させて金正恩氏ら幹部の斬首作戦の演習を行った。今度は期間が11日と前回より短く、コンピューターによる机上演習中心ということだから斬首作戦までやるのかわからないが、北朝鮮からすれば目の前で自国と指導者を壊滅する演習をやられるのは我慢できないことだ。個人レベルで考えれば、自分の家の前で家に殴り込み、命を奪う練習をしている集団がいるとしたらどうだろう。れっきとした犯罪だ。2003年、アメリカがイラクに攻め込みフセイン政権を転覆した事実は北朝鮮を震え上がらせた。それと同じ演習を目の前で繰り返すのは、国連憲章に違反する行為だ。もともと北朝鮮の一連の行為はこのイラクが引き金になっている。イラク戦争は国連憲章違反の100%の侵略戦争だ。米韓合同演習をやるとしても、カリフォルニアの海岸でやればいい。刺激しないように。目の前でやるのは、脅すためにやっているのであり、国連憲章違反だ。北が発射保留をした今、アメリカも演習を中止すべきだ。そうすれば対話はスムーズに進む。
 わたしがこれを考え、ブログに書こうと思っていたら、今日(17日)の『赤旗』に「中国、独ロと外相会談」の記事が載った。中国の王毅外相が15日、独ロ外相と相次いで電話会談をした。王毅氏はロシアのラブロフ外相に「当面の急務は米朝双方が刺激し合う言動にブレーキをかけ、『8月危機』を防ぐことだ」とのべ、ラブロフ氏は「まもなく始まる米韓合同軍事演習で、朝鮮半島情勢は再び激化する可能性がある」「軍事的手段を通じての朝鮮半島核問題の解決は全く受け入れられない」と語った。ドイツのガブリエル外相は、中国が提唱する北朝鮮の核・ミサイル実験と米韓軍事演習の『双方一時中止』の提案に理解と賛同を示したと記事は伝える。中国が提唱し、ドイツが賛同した「双方の一時中止」は次の平和的展開を生む唯一の道だ。
 『朝日』17日付けは、「中国外相、独ロと協議 対北朝鮮 米の批判かわす狙い」との記事を載せた。王毅氏は米韓の軍事演習を念頭に「8月危機はまだ終わっていない」とのべ、対立回避に向け協力を独ロによびかけたと伝えた。協議の中身はこれ以上触れていない。逆にトランプ氏が中国に不満を表明し、14日には中国対象に「通商法301条で」調査を指示した、中国は積極的な対応をアピールしてトランプ政権の対中批判をかわす狙いがありそうだと北京発の記事を結んでいる。だがちょっと変だ。なぜ中国とロシア、特にドイツとの間の協議内容を伝えずに、中国の行動が対中批判をかわすためにやっているという味付けした解釈は納得できない。ドイツは中国の狙いに利用されたのか。21日以後ふたたび危機に突入しかねないぎりぎりの状況の下、真剣な対話開始への努力が必要だ。
 そういう点で、中ロ、特に中独の協議内容は、お互いに武力を使った威嚇をやめるという、国連憲章・国際法にのっとった提案であり、国際的にただちに検討すべきものだ。国際法を認める国ならば、否定できない内容だ。
 それにつけても情けないのは日本の安倍政権だ。すすんで対話開始提案することもなくアメリカに追随するのみだ。中・ロ・独の会談の対象とされていない。15日の安倍記者会見では、かろうじて北朝鮮への「圧力」のことばを初めて外したのが若干の変化か。だが、21日の軍事演習開始をもろ手を挙げて賛成するのか、何の見解ももたないのか。
 14日からの1週間は、対話への好条件が訪れたまたとない期間だ。これを実らせるかどうかは後々に重大な影響をおよぼす。各国政府、マスコミの見識が問われる。
 
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天皇の「深い反省」と、安倍首相のアジアも念頭にない内向きの式辞

2017年08月15日 23時55分54秒 | Weblog
 2017年8 月15日、政府主催の全国戦没者追悼式が開かれた。天皇の「おことば」は短いながらも心のこもったもので、「過去を顧み、深い反省」を表明した。
 一方、安倍首相の式辞は、ことばは踊るが、その思想は内向きに徹する。「先の大戦において、300万余の方々が、・・・命を落とされました」といい、日本人にしか目を向けていない。日本が起こした戦争によって2000万のアジア諸国民の命を奪ったことは眼中にない。植民地朝鮮・台湾人の犠牲者も埒外だ。これでは21世紀国際社会では相手にされない。日本国憲法の精神にも反する。
 「平和と繁栄は・・・皆様の尊い犠牲の上に築かれたもので・・・敬意と感謝の念を捧げます」という。今日の平和と繁栄は、アジアと世界の反ファシズム・民主主義の貢献によると考えないのか。日本の反戦平和の運動の(共謀罪のお手本治安維持法によって弾圧されたが)貢献はないというのか。ドイツのワイツゼッカー大統領の演説のと雲泥の差に愕然とする。安倍首相の演説は、あくまでも侵略戦争を美化・肯定する前提でのもの。日本誰を相手に戦争したのか、どこに攻め込んだのか。安倍首相演説では、被害者は300万余の日本だけしかでてこない。日本が攻め込んだ結果、その先の相手国民の被害者はどうだったのか。そこに思いをいたさなくていいのか。とにかく安倍首相のなさけない思考方法が目についた8月15日だ。
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飛行自粛を取り下げ、アメリカにものも言えない安倍内閣

2017年08月13日 11時38分35秒 | Weblog
 8月12日(2017)、沖縄で「辺野古新基地をつくらせないオール沖縄会議」の主催で県民大会が開かれ、4万5千人が集まった。そこでオーストラリア沖でのオスプレイ墜落に抗議する特別決議が採択された。今月5日の事故で、昨年末の名護市の海岸での墜落(政府は不時着水と強弁)につづいて半年余りで2度の重大事故だ。
 安倍内閣は飛行自粛をアメリカに要請していたのに、なんと6日で取り下げた。翁長知事は集会で「米軍が運用上必要といえばすぐ引き下がる。これでは日本の独立は神話であるといわざるをえない」と政府を厳しく批判した。日本の独立は神話とは最も厳しい批判だ。無理を通す相手には、すすんで道理をひっこめる。植民地根性丸出しだ。
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初めての台湾、故宮博物院はさすが

2017年08月11日 21時47分17秒 | Weblog
 初めて4日間の台湾旅行をした。阪急トラピックスのツアーだ。以前から台北の故宮博物院に行きたかったので、新聞で5万円というのをみて即刻決めた。もちろん旅行保険、空港利用料、燃料サーチャージなども加わって、63000円弱となる。関空午後出発で台北まで2時間半だ。時差は1時間。
 台湾の人口は2380万人、台北は300万人。面積は九州と同じ。人々の多くは鉄筋コンクリートの中層・高層のマンションに住む。戸建て住宅を求める風潮はないという。ガイドさんに聞くと台風が多くて、しっかりした構造の建物でないとだめだという。
 1台湾ドルが4円。ドルというが実際は紙幣に元と書いてある。干し梅干を買ったが250元だから日本円で1000円という具合だ。
 高速道路は片側4車線。車は日本車が多い、次がドイツ車、アメ車、韓国車だ。一般道も3、4車線が多い。通勤にはもっぱらスクーター型のバイクが使われている。これが道にあふれている。2人乗り、3人乗りも可だ。自転車はほとんど見かけない。日本で駅やスーパーには自転車があふれているのと対照的だ。バイクは機車といい、自動車は汽車だ。
 気候は亜熱帯で温帯の日本よりも少し暑い。でも日本の暑さも相当なもので、いい勝負をしている。街路樹は、クスノキ、ガジュマルが多い。クスノキはおなじみだが、ガジュマルは沖縄でしか見られない。枝から根が無数の根が垂れ下がり、そのうちの何本かは太くなって幹と一体になって大きい木になる。周りに広い木陰ができ、憩いの場となる。古い公園だとこのガジュマルがどんと構えることになる。沖縄の名護のガジュマルを思い出した。20mから40メートルにも達する大王ヤシがあちこちに林立する風景は南国気分全開だった。街路樹で見事だったのが花槐だ。オレンジより赤に近い花が夏から秋にかけて咲くエンジュで、道路が華やかになる。
 市内のビル、マンションは、数十年の経年変化で壁面は劣化、黒ずみが目立った。日本ではやる塗装などの壁面修理をしていないのだろう。一方で真新しいより高層のマンションもある。日本以上に多かったのが看板だ。見方によれば活気があるということだが、ガチャガチャした感じは否めない。
 台湾で一番高い山は新高山だ。真珠湾攻撃命令の「ニイタカヤマノボレ」のあの新高山だ。新高山は実は旧称で、今は玉山といい、標高3952mと富士山より高い。
 台湾で一番びっくりしたのが、ギャンブルが一切ないということだ。いま日本では、安倍内閣と日本維新の会の合作で、カジノを造ろうという陰謀がすすんでいる。不幸な人を造ることで経済発展を狙う(経済発展といっていいかどうか)。ガイドさんによれば、競馬競輪パチンコ何もないという。
 
 観光で一番感動したのは故宮博物院だ。以前から見学したいと思っていた。北京・紫禁城の故宮博物院の収蔵品もすごいが、いいものは台北に運ばれていると聞いていたので実際に確かめたかった。蒋介石・国民党政府は、北京の故宮博物院の収蔵品を日本の中国侵略の被害から守るために、重要文物を1万箱以上につめて、上海、南京へと疎開させた。日本軍の首都南京への侵攻で山奥の四川省へと非難させた。荷車や馬の背に載せての大移動だった。人類の遺産保護の大事業だ。戦後、国共内戦で蒋介石軍が不利になる状況下、疎開文物のなかでも第1級品を選んで、台湾へ運んだ。台北故宮博物院はそれを収蔵している。実際見学してみると、その質の高さには腰を抜かした。紫禁城の故宮博物院も中国の歴史上一級の文物が収蔵されているが、台北はよりえりすぐられ、洗練された品々が展示されていた。紫禁城には清の時代にヨーロッパから手に入れた大型の時計がたくさん収蔵されているが、台北にはそれらはない。あまりに大きく運ぶのに手間がかかる。それよりも小さくて価値の高い玉や陶磁器、金属器などに集中した結果だろう。
 ガイドさんは有名な品をめざして、つぎつぎと移動する。でないと90分の時間におさまらない。一番有名なのが、白と緑のヒスイで作った「翠玉白菜」だ。大きさは19センチで思ったより小さい。白菜の緑の葉っぱにバッタとキリギリスが食いついている。人だかりが山のようになって、なかなか接近できない。スマホで写真を撮る人が多くすぐには移動しない。
 70分であと自由となったのでもう少し回ろうとしたが収拾がつかない。そこで書籍の販売店に入った。が中国語ばかりだ。びっくりしたのは図録の種類の多さだ。つまり収蔵品の部門が多くそれぞれが圧倒的な量を誇るから分厚い。手が出なかった。実際展示されているのは収蔵品のごく一部だ。
 観光は、あと寺院や湖などを訪れた。よかったのは古都・台南の孔子廟とオランダ東インド会社の支配の拠点跡などだ。
 
 もっと観光の時間を取ってほしかった。だがショッピングの店に初日と最終日は各1回、2、3日目は各2回連れていかれた。すべて40分ずつ。阪急トラピックスは安いが、買い物ツアーだと聞かされていたが、まさにその通りだった。普通の土産物だけでなく、ラテックスの枕とベッドの店、ラジウム石の腕輪、ネックレスの店は買い物ツアーの極みだった。ラジウムのために台南を通り過ぎて最南端の高雄までいって宿泊し、最終日朝、バスでラジウム石のビデオを見、ガイドの推奨を受け、店に入ったらさらに店長の講義を受けた。日本人の博士の功績で今これがある、いかに健康にいいか万病に効くかを叩き込まれる。そして広い店のガラスケースに広がっている腕輪・ネックレスをのぞき込むと、店員がぴったりと寄り添ってみごとな日本語ですすめる。40数人20組の客に20人余の店員という体制で売り込む。たちまち喧噪状態になった。一種の催眠商法だ。たくさんの品を前に選ぶというのではない。ひとつの種類の商品を前に売り込みをかける。ガイガーカウンターのようなもので低線量の放射線が出ていることも示し、これが体を活性化させるという。ぐいぐいと迫る商法にはへきえきした。でも5万円余の腕輪を少し値引きしてもらって買う人が続出。15万円がどうのという声も聞こえる。元ではなく1万円札をあちこちで数えている。あっという間に莫大な売り上げだ。素晴らしい買い物をされましたねえと褒められて上機嫌の客たち。客も興奮状態だった。買い物ツアーには不満はあるが、これが格安の値段の元にもなっているのでしょうがないか。。
 高雄まで南下せずに、台南で泊まって古都を満喫したかった。そうすれば移動時間も含め節約できた。台南空港は軍事基地でもあった。現地時間15時35分発の予定が30分ほど遅れて出発。時差の1時間を入れたら4時間かかって関空着だった。
 ガイドさんの話の中で、心に残っているのが、日本の植民地だった台湾が、戦時中、軍事基地とされていた高雄・台南が戦争末期に日本本土と同じように米軍の空襲を受けて大きな被害を受け犠牲者が続出したそうだ。戦争被害については日本人のという観点しかなかったが、台湾の空襲についても研究がなされなければならない。朝鮮・台湾に対する日本の植民地支配責任はずっと追及されてきたが、大日本帝国の軍事基地があるが故の犠牲について、あらためて追究しなければならない。
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被爆者の願い、広島・長崎市長の熱い思いと、安倍首相の冷淡なことば

2017年08月10日 13時34分36秒 | Weblog
 8月6日。広島の平和記念式典で松井一美市長は「今年7月、国連では核保有国や核の傘の下にある国々を除く122か国の賛同を得て、核兵器禁止条約を採択し、核兵器廃絶に向かう明確な決意が示されました。こうした中、各国政府は、核兵器のない世界に向けた取り組みをさらに前進させなければなりません。特に、日本政府には、『日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う』と明記している日本国憲法が掲げる平和主義を体現するためにも、核兵器禁止条約の締結促進をめざして核保有国と非核保有国との橋渡しに本気で取り組んでいただきたい」と「広島平和宣言」を発表した。
 これに対し、安倍首相は、「真に核兵器のない世界を実現するためには、核兵器国と非核兵器国双方の参画が必要です。我が国は、非核3原則そ堅持し、双方に働きかけを行うことを通じて、国際社会を主導していく決意です」と述べた。式典後の記者会見ではより明確に「核兵器国と非核兵器国の立場の隔たりを深め、核兵器のない世界の実現をかえって遠ざける」結果になるとして、条約への署名・批准はしないと明言した。
 これは被爆者の気持ちをふみにじるものだ。広島被爆者団体連絡会議の吉岡事務局長(88)は「核兵器禁止条約は被爆者の悲願であり、世界各国の大きな喜びだ。ところが被爆国である日本が署名しないという、驚くべき態度をとった。満腔の怒りをもって抗議する」と述べたのは当然だ。
 8月9日の田上富久長崎市長の「長崎平和宣言」は感動的なものだった。核兵器禁止条約は被爆者が長年積み重ねてきた努力がようやく形になったものだとして、「日本政府に訴えます」
と切り込んだ。「核兵器のない世界を目指してリーダーシップをとり、核兵器を持つ国々と持たない国々の橋渡し役を務めると明言しているにもかかわらず、核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を、被爆地は到底理解できません。唯一の戦争被爆国として核兵器禁止条約への一日も早い参加を目指し、核の傘に依存する政策の見直しを進めてください。日本の参加を国際社会は待っています。」つづいて「私たちは決して忘れません」と72年前の被爆の実相と今もつづく放射能障害を詳述した。田上市長の確固とした姿勢を示した宣言だった。

 去年の11月には、今年3月からの核兵器禁止条約の会議には参加すると明言していた広島出身の岸田外務大臣を、安倍首相はアメリカの意向を受けて参加させないようにした。その後、岸田氏は不参加は自分の意志で整合性はあるといっていたが、屈服したのは明らかだ。
 広島・長崎の平和式典で両市長の平和宣言を聞いているときの安倍首相は、目をつぶり、真正面から受け止めたくないという気持ちがありありだった。被爆者をはじめ熱い思いで参加した人々の中で、だたひとり浮いているような感じだった。
 安倍首相は、核兵器禁止条約は「核兵器のない世界の実現をかえって遠ざける」といった。核廃絶には逆効果だというのだ。ならば、被爆者の70年余に及ぶ努力と訴えはなんだったのだ。被爆者が涙を流して喜んでいるのに、その冷たい態度はなんだ。それなら安倍首相がどんな努力をしてきたのか。逆効果だというのなら、日本政府の努力で核兵器の禁止、さらに廃絶へ今一歩まで来たのにという中身を出すべきだ。ないことは国民皆が知っている。アメリカの腰ぎんちゃくになっているのに、その枠を踏み出すことはできるはずがないではないか。
 この条約をつくるうえで、大きな力を発揮したのは小さな国だ。議長を務め最大の推進役となったエレン・ホワイトさんのコスタリカ、核抑止力論を打ち破る論陣を張ったオーストリア、アイルランドなど小さな国ばかりだ。でも堂々としている。国際政治の主役は変わった。大国主導は前時代のものとなった。またこの国連会議では、市民社会の代表、世界の反核運動の代表が正式に会議の構成員となった。画期的なことだ。日本の被爆者も、原水協の代表も正式に発言時間を与えられた。
 6日から広島で、ついで長崎で原水爆禁止世界大会が開かれた。そこには中満泉・国連軍縮問題担当上級代表が参加し、エレン・ホワイト議長がメッセージを寄せた。国連は、核兵器禁止・廃絶のためにたゆまず努力してきた市民運動をその推進者として頼りにしている。
 国連も、以前は核兵器は道徳的にはよくないが合法だという立場だった。だがここ数年、核兵器を人道的側面からとらえることが中心であるべきだとの考えに立つようになった。それまで核兵器は必要悪で、核抑止力論つまり核兵器をちらつかせて脅すことで安全を確保するのが正しいことだとしてきた。でもこの立場に立てば、永久に核兵器はなくならない。
 これに対し、正面から核兵器を非合法化し、禁止する方向が急速に国連内で支持をひろげた。安倍首相はそれは溝を深めるだけで逆効果だという。しかし、細菌兵器禁止条約、化学兵器禁止条約、クラスター爆弾禁止条約などは、大量殺害兵器、残虐兵器は禁止するという明確な意思の下につくられた。これらの残虐兵器を禁止する条約をつくるのは逆効果だったといえるか。条約加盟国は増えてきたのが事実だ。核兵器を持っている国が核兵器をなくすまで待つというなら、それまで世界はおびえ続けなければならない。それが正しいとどうしていえるか。禁止し、非合法化して、核兵器を持つ国に迫っていくことが正しいということは、過去の残虐兵器禁止の歴史が証明している。
 安倍内閣は、被爆国政府にもかかわらず、おどろくべき見解を持っている。2016年3月の参院予算委員会で、横畠内閣法制局長官(安倍首相がむりやり押し込んだ人物)は「憲法上、あらゆる種類の核兵器への使用がおよそ禁止されているとは考えていない」と答弁し、2017年4月1日の質問主意書への答弁書(閣議決定)で「憲法9条は一切の核兵器の保有および使用をおよそ禁止しているわけではない」という態度表明をした。
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