今日(2015・1・30)菅官房長官が、記者会見で重大なことを述べた。述べざるをえなかったというのが真実だ。
囚われている後藤健二さんの妻が29日夜、「イスラム国」の脅しのもとで声明を発表することになった。その声明の中で、1月20日の2億ドル要求のあと「私とそのグループの間で数通の電子メールのやりとりがあり、私は彼の命を救うため、たたかってきました」というくだりがある。12月2日に妻に身代金の要求がメールであったという報もあったはずだが。今日はとにかく20日以後のやりとりが公になった。つまり「イスラム国」が後藤さんを捉え、通信機器を取り上げた段階で妻へのメールが可能になった。正確にはいつから妻への要求がなされるようになったのかはわからないが、メールがあったということは、「イスラム国」のメールアドレスもわかったということだ。後藤さんの妻は早い段階で外務省に伝えていたのだから、外務省=安倍内閣は「イスラム国」への連絡方法は早くからわかっていたはずだ。
ところが、今日の記者会見で菅官房長官は、「イスラム国」と接触する気はあるかと問われて、「ありません」と答えた。あぜんとする発言だ。そういえばこれまで、「緊張感を持って情報収集につとめる」というのが政府の決まり文句となっていた。交渉するとはついにいっていない。公然と、交渉する気はないといったのだ。ヨルダン政府におまかせ、さらに宗教指導者、部族長などあらゆるチャンネルをつかって救出に努力しているというが、直接交渉するチャンネルがあるのに、それを使おうとはしない。宗教指導者や部族長にお願いするには、タダというわけにはいかない。外交には大金が必要だ。
わたしは、「イスラム国」の脅迫を外務省につたえた妻の声を無視したと前に書いていたが、政府がいつからか不明だが昨年中に対策室、ヨルダンに現地本部ををつくって対応していたことを先日初めて知った。政府は隠していたから知ることができなかった。フリージャーナリストの常岡浩介さんが、新聞になぜ載せないのかと要求しても、外務省が認めようとしないため確認不能ということで載らなかったといっていた。政府はひた隠しにしていた。誘拐事件で警察に知らせると人質を殺すぞと脅されるのと違って、新聞に載ったら後藤さんの命が危ないという事件ではない。なのに秘密にしてきたのは、安倍首相官邸の総選挙対策だった。選挙後も秘密にし、中東外遊にでかけた。さらに「イスラム国と戦う周辺国に支援を2億ドル贈る」と挑発的発言をした。当然ねらっているのを分かったうえで、あえて挑発した。首相の周りにその原稿に待ったをかける人物はいなかった。
で、世界的問題になってどう対応したかといえば、みずからは交渉のチャンネルをもっていながら、そこからは逃げ続けた。どういうことだ。
その一方で、国会で、安倍首相は自衛隊を救出のために使えるよう法整備をすすめる意欲を示している。あきらかに方向性が違う。あわよくばこの事件をつかって自衛隊派兵に道をひらこうという考えが見え見えだ。
そんなことを裏で検討する暇があったら、後藤さんの妻に入ったメールアドレスを使って直接交渉をすべきだ。2か月も交渉ひとつしていない。対策室をつくって交渉しないのであれば何の意味もない。
囚われている後藤健二さんの妻が29日夜、「イスラム国」の脅しのもとで声明を発表することになった。その声明の中で、1月20日の2億ドル要求のあと「私とそのグループの間で数通の電子メールのやりとりがあり、私は彼の命を救うため、たたかってきました」というくだりがある。12月2日に妻に身代金の要求がメールであったという報もあったはずだが。今日はとにかく20日以後のやりとりが公になった。つまり「イスラム国」が後藤さんを捉え、通信機器を取り上げた段階で妻へのメールが可能になった。正確にはいつから妻への要求がなされるようになったのかはわからないが、メールがあったということは、「イスラム国」のメールアドレスもわかったということだ。後藤さんの妻は早い段階で外務省に伝えていたのだから、外務省=安倍内閣は「イスラム国」への連絡方法は早くからわかっていたはずだ。
ところが、今日の記者会見で菅官房長官は、「イスラム国」と接触する気はあるかと問われて、「ありません」と答えた。あぜんとする発言だ。そういえばこれまで、「緊張感を持って情報収集につとめる」というのが政府の決まり文句となっていた。交渉するとはついにいっていない。公然と、交渉する気はないといったのだ。ヨルダン政府におまかせ、さらに宗教指導者、部族長などあらゆるチャンネルをつかって救出に努力しているというが、直接交渉するチャンネルがあるのに、それを使おうとはしない。宗教指導者や部族長にお願いするには、タダというわけにはいかない。外交には大金が必要だ。
わたしは、「イスラム国」の脅迫を外務省につたえた妻の声を無視したと前に書いていたが、政府がいつからか不明だが昨年中に対策室、ヨルダンに現地本部ををつくって対応していたことを先日初めて知った。政府は隠していたから知ることができなかった。フリージャーナリストの常岡浩介さんが、新聞になぜ載せないのかと要求しても、外務省が認めようとしないため確認不能ということで載らなかったといっていた。政府はひた隠しにしていた。誘拐事件で警察に知らせると人質を殺すぞと脅されるのと違って、新聞に載ったら後藤さんの命が危ないという事件ではない。なのに秘密にしてきたのは、安倍首相官邸の総選挙対策だった。選挙後も秘密にし、中東外遊にでかけた。さらに「イスラム国と戦う周辺国に支援を2億ドル贈る」と挑発的発言をした。当然ねらっているのを分かったうえで、あえて挑発した。首相の周りにその原稿に待ったをかける人物はいなかった。
で、世界的問題になってどう対応したかといえば、みずからは交渉のチャンネルをもっていながら、そこからは逃げ続けた。どういうことだ。
その一方で、国会で、安倍首相は自衛隊を救出のために使えるよう法整備をすすめる意欲を示している。あきらかに方向性が違う。あわよくばこの事件をつかって自衛隊派兵に道をひらこうという考えが見え見えだ。
そんなことを裏で検討する暇があったら、後藤さんの妻に入ったメールアドレスを使って直接交渉をすべきだ。2か月も交渉ひとつしていない。対策室をつくって交渉しないのであれば何の意味もない。