山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

消費税の裏 究極の法人税

2010年06月29日 10時24分31秒 | Weblog
 参院選で焦点となっている消費税10%。巨額の国債残高を減らすためには消費税を値上げするのも仕方ないと考えている人が相当増えている。世論調査でも増税の賛否は半々となっている。それもこれもテレビのコメンテーターが消費税値上げが唯一の財政再建策だといいつづけてきた成果だ。
 でも、消費税をこの20年払い続けてきたが、福祉のためではなかった。うばすて山の後期高齢者医療制度ひとつみればわかる。また財政は悪くなる一方だ。消費税を払って、社会保障が前進したり、財政再建がすすんできたら、払い甲斐があったというものだ。事実はちがう。消費税導入以後、総額は224兆円に達している。その分税収が増えたら、財政再建に回せる。ところが、一方で、法人3税の減税額が208兆円だ。これでは福祉に回らないし、財政再建にも回せない。まったく払い甲斐がない。
 ところが、こんどは10%だという。さっそく社会保障・福祉のためだといってるが、うそだ。なぜなら、民主党の考えでも法人税を15%減税するとなっているからだ。財界の総本山・日本経団連は法人税のさらなる値下げを要求している。
 日本の財政は厳しいから、消費税増税はしょうがないと思っている人は、この事実を知った上で考えをまとめるべきだ。
 共産党の志位委員長が、三大メガバンクが10年以上、法人税ゼロだということを告発した(『しんぶん赤旗』2010・6・29)。法人税については、過去の損失を7年間繰り越して黒字と相殺できるようになっている。不良債権処理で生じた損失を繰り越して、今でも法人税を払っていない。こんな制度も財界の要求で繰越期間が5年から7年に延長された(2004税制改正)。バブルをあおった巨大銀行が、不良債権処理に70兆円の公的資金投入枠をもうけてもらい、結局、長銀→新生銀行のように返さずに税金で処理されたものも10兆円前後にのぼった。
 志位委員長によると、三菱UFJの2010年3月期の当期純利益は3887億円、三井住友は2716億円、みずほは2394億円にも昇るのに、この10年以上、そして今期も法人税を払っていないのだ。
 政党討論会で、法人税減税が財政悪化の原因だとはっきりいうのは、共産党だけだ。それをいいことに、テレビはこの肝心な点を隠しつづける。これでは財政再建などできるはずがない。
 
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法人税は思ったより低い

2010年06月27日 08時00分49秒 | Weblog
 『しんぶん赤旗』2010・6・24に、上位100社の法人税の実際の負担率が載せられた。
 法人税と地方税である法人住民税、法人事業税をあわせた法人実効税率は、現在40%となってる。日本経団連は、法人税を大幅にさげろと要求し、民主党はこれを受け入れて25%まで引き下げると発表している。
 だが『しんぶん赤旗』の調査によれば、03~09年の100社の負担率は平均33・7%だ。ソニーは12・9%、住友化学16・6、パナソニック17・6、三井不動産18・8、京セラ18・9、ブリジストン21・3、三菱地所22・5、村田製作所23・6、本田技研工業24・5、クボタ24・6、リコー26・8、神戸製鋼所28・3、小松製作所28・6、積水ハウス29・0、三菱重工業29・7、トヨタ自動車30・1、住友金属工業30・8、住友金属鉱山30・8、花王33・6、キャノン34・6などの数字が並んでいる。
 さまざまな優遇税制で大まけされているではないか。国の税収は、法人税の税率逓減によって、20年前の60兆円から今年の予算では37兆円にまで下がっている。消費税を払っても何にもならない。消費税はそっくり法人税減税の穴埋めに使われてきた。福祉のためにというのはまったくうそだった。
 今度、民主党政権は、法人税のさらなる減税のために消費税を10%にと打ち出した。評判が悪いのであわてて福祉のためとかごまかしを計っているが、本質はかわらない。
 税制政策の基本は累進課税、所得の再分配の機能が大切だが、消費税は逆進税であり、特に日本のは食料品など低所得者に重くのしかかっている。消費税増税の本質を見極めなければならない。
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橋下知事、また横暴

2010年06月25日 08時38分56秒 | Weblog
 6月24日夕刊(『朝日』『毎日』2010・6・24)に、橋下知事が、毎月の定例教育委員会議に出席できるよう会議規則を改めてほしいといったという記事があった。生野照子教育委員長は「慎重に検討する」と回答を留保したそうだ。
 24日は、月例の教育委員会議がひらかれた。10時から2時間が普通の日程だから、昼食休憩後の午後に知事と教育委員との懇談がおこなわれたのだろう。そこでの異例の教育委員会議への出席要望だ。知事という権力者による横暴以外の何ものでもない。
 今日(25日)の『朝日』の「教員人事権移譲 教育委員が異論 府教委定例会議」という記事が事情を解明してくれた。橋下知事が、教員人事権を府教委から市区町村教委に移譲することを文部科学省に提案し、文科省から条例を制定すれば可能だとの見解を引き出していた。条例は府議会の権限だが、その前に府教育委員会議で府教委の権限を委譲するという決定をする必要がある。だが、昨日の教育委員会議では、権限委譲に異論が相次いだという。「府は教育行政の強化を目指しているのに、権限委譲は流れに逆行する」「複数の市町村に権限を移せば、責任の所在があいまいになる」などの意見がでたようだ。結局、結論は先送りになった。
 府教委事務局に対しては、知事は、教育行政の独立性を侵して、さまざまな指図をおこなってきた。だが教育委員会議は当然のことだが、手を突っ込むことはできない。当日の委員会議で権限委譲に異論が相次いだということにいらだちを強めて、委員会議に出席させろといいだしたのだろう。思い通りにいかないときの橋下氏の特徴的な行動パターンだ。
 夕刊によれば、橋下氏は「政治による教育行政のチェックがないのが現行制度の弊害。成熟した民主主義国家で、政治家が好き勝手に権力者崇拝教育をやることはない」と述べたそうだ。とんでもない暴論だ。政治による教育のチェックを教育への政治介入というのだ。これほど府の教育行政に口出しをして、思いの通りやってるのに、まだ思い通りでないといらだって、すき放題しようというのだ。いいかげんにしてほしい。教育行政の独立が法的に規定されたのは、歴史の痛苦の教訓によるものだ。「民主主義国家だから政治家が権力者崇拝教育をやることはない」ということを問題がないということの論拠にあげているのは、まったくの詭弁だ。知事や首相に対する崇拝教育は論外だが、政治が教育を利用・コントロールすることが積み重なって重大な結果をまねく危険性を除くために規定されているのだ。権力は教育に対してはあくまで抑制的でなければならない。
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橋下改革で足げにされた人の声

2010年06月22日 08時52分29秒 | Weblog
 あいかわらず橋下知事の人気は高いようだが、物事の真実は細部にある。細部に目をこらすと真実が見えてくる。
 橋下氏は府立高校の年収100万円あまりの低賃金の臨時職員350人全員の首を切った。また非常勤講師の賃金も大幅に切り下げた。
 偶然、ある非常勤講師の方の怒りの声を目にした。それをここに紹介しよう。

 昨年度も府立高校で非常勤講師をつとめましたが、一昨年までの処遇とうって変わって、この3月など、学年末考査当日巡回の1時間と、その答案返却日の1時間の合計2時間のみの勤務としか認定されず、3月の収入は、5千円余と通勤費としてこの2日分の実費のみとなっています。
 しかし実際は、考査問題の作成とその採点、学年成績の算出、で精根を使い果たしました。
 以上、過酷な橋下教育行政の実態です。

 
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府立園芸高校・池田北高校の勝手な統廃合頓挫か

2010年06月19日 09時03分10秒 | Weblog
 『毎日新聞』2010・6・17に「池田園芸高 来春の開校不可能に 試算で財政負担に問題」という記事が載った。池田市が府立園芸高校と池田北高校を府から無償譲渡をうけて両校を統合移転、一部校地を売り飛ばして再開発事業に乗り出そうというとんでもない計画が、倉田・橋下ラインで画策されあわよくば押し切ろうと狙っていたが、そのあまりの悪辣な計画はその非教育的本質ゆえに頓挫したようだ。
 この計画があらわになって以後、園芸高校関係者を中心に、広範な池田市民が反撃にたちあがった。署名運動もひろがった。集会、シンポジウムが開かれ、その危険な本質が明らかにされ、倉田・橋下コンビは追い詰められてきた。
 だが、完全に撤回したわけでもなく、謝罪していない。だから気をゆるめてはいけない。その違法な行為を謝罪させなければ問題は決着しない。

 5月29日、倉田・橋下の策謀を批判するシンポジウムが共産党の池田市委員会の呼びかけでひらかれた。その場で私も発言した。当日配った発言用の原稿を紹介する。
 このシンポジウムも時宜を得てひらかれ、しかるべき役割を発揮した。当日は70人の参加者があり、活発な討論がなされた。

池田のまちづくりシンポジウム                    2010・5・29
「府立園芸高校・池田北高校の市への移管を中心とする
“まちづくり構想”を画策する動きの違法性・反教育性」
                                    山上俊夫

1、 倉田市長・橋下知事の行為の違法性
① 教育法規は市長・知事の介入を禁止している
・学校その他の教育機関のうち地方公共団体の長(知事・市長)が所管するのは大学のみ
(「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第24条、32条)
・大学以外の教育機関は教育委員会が所管する
(「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第23条、32条)
園芸高校・池田北高校はじめとする府立高校だけでなく、国際児童文学館・青少年会館・臨海スポーツセンター・泉北考古資料館などの博物館も
※山上のブログ『山上俊夫・日本と世界あちこち』の「橋下知事、違法な権力行使」(2010・2・10)参照。
② これまでの経過からみる違法性
12・8 知事と教育長に要望書提出の際、知事から、移転誘致構想の提出をもとめられる
12・11 市長、園芸高校移転構想検討プロジェクト設置
1・26 綛山(かせやま)副知事に移転構想案提出
2・25 綛山副知事から府の考えの示唆をうける。
3・30 綛山副知事に移転構想第2案を提出
4・7 大阪府戦略本部会議
・ 池田市は、教育委員会をないがしろにして、「園芸高校移転構想検討プロジェクト」という市長直轄の組織で教育政策の立案をし、対外的に発表している。違法性は動かない。池田市が相談先としたのは、府教育委員会ではなく、府総務部である。
・ 府も中西教育長が同席することもあるが、知事の腹心の綛山副知事が全体の流れを取りしきっている。1案の府による移転統合、敷地売却、再開発事業で府に巨費が転がり込むという案は、教育施策としてはあまりに醜悪であるということから、府の逆提案(示唆とか考え方の提示とかいっているようだが)すなわち府立両校を廃止し、池田市に無償譲渡するという提案を受けて、府の財政的・技術的支援の下で池田市立高校とする案ができあがったのではないか。
・ この問題が府の公式の会議で議論されたのが、教育委員会議ではなく、4月7日の知事直轄の戦略本部会議である。会議の構成員は、知事を本部長として、副知事、政策企画部長、総務部長である。議題によって担当部局長も参画する。この日の結論は、池田市からの提案への対応については引きつづき検討していくというものである。府立学校の存廃にかかわることは教育委員会の専管事項である。あきらかに逸脱している。
・ 4月下旬の大阪府教育委員会議では、譲渡・移管の件が報告され、教育委員からいろいろ意見がでた。教育委員会議に報告しているということで、違法のそしりをまぬがれていると考えているのだろうが、実態としては、教育委員会は知事に従属しているとしかいいようがない。知事部局がかかわった無償譲渡を柱とする「示唆」は重大な問題がある。橋下知事登場以前の教育委員会ならば、池田市の荒唐無稽な教育破壊案は早い段階で却下したことは間違いない。
・ これまでの府立高校の統廃合の手続は、学校教育審議会に基本的な考え方の検討を付託し、その答申を尊重するという形で、教育委員会としての方針を定め、具体的実施校と統廃合の内容の提案をおこなってきた。まがりなりにも教育の論理でことをすすめようとした。だが、今回の一連の動きは、あからさまにストック=資本の大胆な組み換えで定住人口の確保をめざすとし、そのために府立高校を移転統合し、跡地を売却する。生徒に負担を押し付けてかえりみないという前代未聞の醜聞である。教育の内発的な論理がなく、20年遅れの開発行政に教育を従属させるものである。

2、 学校の主体性をふみにじり、もてあそんでいる
・ 学校は、生徒・教職員・保護者・同窓生・地域住民によってつくられ、ささえられ、発展してきた。歴史的に形成された教育の共同体である。学校の改編・存廃は内発的な教育的論理のみで決められるべきものである。
・ 学科をはじめとする教育課程は、教育の条理を軸に、学校の歴史・教育的蓄積、生徒・保護者の要望などをふまえて検討すべきもので、軽々しく変更すべきものではない。
・ 学校が時々の政治家のおもわくで、もてあそばれてはたまらない。園芸高校・池田北高校は、市長の所有物のごとき扱いをされている。教育が軍国主義と戦争に利用されてきた痛苦の反省から、戦後、教育委員会制度がつくられ、教育行政の独立性が確保されるようになった。ところが、大きい権力をにぎった政治家は、教育に手をつっこみ支配しようとする欲望をあらわにするのが常である。
・ 園芸高校の校地は、府立園芸学校の教育のためにと、70数年前に、神田・八王子地域の農家の方々が先祖伝来の農地を提供してつくられたものである。校地の縮小売却はその思いを踏みにじる行為であり許されない。

3、 池田市の構想の教育上の問題点
・ 府立園芸・池田北高校を池田市に譲渡する教育的理由がない。
・ 園芸高校は府下全域を学区として農業教育を行っており、市民の教育要求に応える市立高校にはなじまない。
・ 府の財政的支援をいうが、他の市は放置して池田市だけに財政的支援はありうるか。
・ 1年は総合学科、2・3年は理数人文、芸術、福祉ボランティア、フラワーファクトリー、バイオサイエンス、食品工学、環境緑化、近郊農業経営のコースを設置するとしている。いったい総合学科高校なのか、専門高校なのか不明で、高校教育制度の理解が不十分。専門教育は2・3年のみということだから総合学科の部類に入るだろう。いずれにせよ専門教育の水準は下げることが前提となっている。専門高校でなければ、制度的に教員の数は少なくなる。
・ 伏尾台の校舎(細河キャンパス)から実習時間のたびにバス移動をする。往復20分?の移動で実習時間が短くなり、農業教育の質は低下する。
・ 2つのキャンパスで教育というが、学校の一体的運営は不可能になる。職員会議、学年会議のたびにどちらかに移動しなければならない。
・ 生徒の諸活動は、2つの生徒会執行部?をはじめ部活動、学校行事など2つに分けなければならない。無理にひとつにしても一体性のないものとなる。教科教育でも教科外教育でも生徒同士顔を合わせることはなく、事実上別の学校となる。
・ 「府立大、関関同立との連携、推薦枠確保」と勝手にいっているが、何の保証もない。
・ 多様な教職員の活用と銘打っているのは、正教員の数を減らすことの別の表現。
・ 市立高校が府下全域さらに全国区もとしているのは、市民の教育機関として納得がえられるのか。
・ 実質2つの高校の人件費をはじめとする運営経費をまかなえるのか。行き詰ったら、北豊島キャンパスを売却する?
・ 北豊島中学校校地に北豊島小学校・北豊島中学校の小中一貫校を設置するとしているが、小学校1年生から9学年上の生徒までの発達段階の異なる児童生徒を同一校地で教育することにともなう諸困難が予想される。運動場・体育館でいっしょに遊ぶことの危険性。放課後の部活動時間は遊べなくなる。
・ 池田園芸高校細河キャンパスと細河中学校の中高一貫校にするとしているが、エリート主義育成をねらうもの。中学校との同居で様々な活動に困難が生じる。
・ 伏尾台小学校と細河小学校を細河中学校の校地に統合移転するとしているが、小学生に大変な通学の負担を強いるものだ。小学校と一体になって成立していた地域社会を破壊する。本当の狙いは児童・地域住民の犠牲によって、統廃合による教育費の削減、跡地の確保にある。


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きゅうりの苗をたべた犯人

2010年06月13日 08時53分01秒 | Weblog
 前の日曜に家の裏の小さい庭にうねをつくった。ここは銀杏の木がどんどん伸びてやや日当たりに不安がある。でも一度野菜をつくってみようと思ってつくったのだ。うねの土は、20年ものあいだの落ち葉の堆肥である。隣のビルとの間の50センチほどのすき間に落ち葉を貯めてきた。それを運んでうねをつくった。新しい腐葉土はまだ葉っぱがガサガサしているが、古いのはしっとりふわふわの黒い土になっている。2メートルくらいのうねができた。
 ミニトマト1本、きゅうり2本、オレンジと青のピーマン各1本をコーナンで買ってきて植えた。たっぷり水をやった。
 何日かして、2階のベランダから見ると、きゅうりの苗が茎だけになっているではないか。あっ、食べられた。食べたのは誰だ?
 その日、キャベツの表の方の葉っぱを3枚むいて2階からうねのそばに投げ落とした。で、今日、上からながめると、なんとキャベツの葉の芯の固い部分をのこしてあとは食べられているではないか。そうか!苗をたべた犯人とキャベツを食べたのは同一人だ。もちろん犯人は人ではない。裏の放置自動車の下をねぐらにしている猫か?時に見かけるイタチか?それとも鳥か?
 さっき、裏庭におりて近づいてみた。すろと3枚のキャベツの葉のうち緑の薄い葉はまだ残っていて、そこに虫がびっしりはり付いているではないか。その虫は、丸虫だった。ダンゴ虫ともいう。丸虫はくるっとなってかわいい。でもびっしり並んでいるのは気持ち悪い。
 そういえば、腐葉土にはたくさんの丸虫がいた。運んだ土とともに丸虫もきたのだ。丸虫は分解者ともいわれるらしく、植物の葉を食べて排泄して土をつくるのに貢献しているらしい。そう思えば、気持ち悪がってはいけない。
 まあ、きゅうりの苗が無理なら、虫がつきにくいピーマン系にしよう。それにしても農業は大変だ。
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菅内閣は党利のために議会制民主主義をこわすな

2010年06月11日 10時27分41秒 | Weblog
 鳩山首相の辞任、菅首相就任によって民主党の支持率が急回復しているという。でも普天間基地の辺野古への押し付の日米合意はそのまま踏襲するのだ。政治資金疑惑はいっさい糾明しようとしないのだ。何なのだ。この変転は。こうなると最大の功績者は鳩山前首相ということになる。つまり、辺野古に押し付けるという泥をかぶり、責任をとって引退し、菅首相に引き渡す。看板を変えて支持率回復。
 ところで菅内閣も、荒井大臣の事務所経費問題、亀井大臣の辞任と船出早々から問題噴出だ。私が疑念を抱いているのが、人気が急回復している今を逃がすなとばかりに、所信表明演説と代表質問だけで参議院選挙につっこんで最大の議席を得ようという姿勢だ。これは、議会制民主主義をこわすものだ。予算委員会をひらいて新政権の施政方針に付いてしっかり議論してから選挙に移るべきだ。普天間の辺野古移設を根本から議論すべきだ。看板を変えてごまかしが通るうちに選挙という、姑息なやりかたを許してはいけない。
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横浜美術館「ポンペイ展」を見学して世界史の授業を懐かしく想い出す

2010年06月08日 08時07分16秒 | Weblog
 6月13日まで横浜美術館で開かれている「ポンペイ展」に行った。会場には、世界史の課題学習と思われる高校生の姿も目に付いた。ちょうど古代ローマの学習をしている時期に重なっているのだろう。
 西暦79年のヴェスヴィオ火山の大噴火によって、イタリア南部ナポリ湾のポンペイの街が一日にして火山灰におおわれてしまった。その結果、生きた街と生活が埋もれたまま今日に伝えられることになった。18世紀に、忘れられた街の跡から古代の遺構が発見された。以後、発掘作業が続けられている。
 ポンペイ展では、フレスコ画がたくさん展示されている。フレスコ画は家のしっくいの壁に描かれたものだ。劣化しやすいフレスコ画だが、灰に埋もれていたために2千年の時をへだてて今によみがえる。だが、家庭の壁に描かれたものだけに、普通の美術展でみる壁画のとは違う。名画といわれるものではない。近所の画工が描いたものだろう。そうだ。ポンペイ展は、有名な作品を展示する美術展ではない。2千年前のローマ帝国の地方都市の日常の姿を見せるためのものだ。
 食器などの日用雑器もたくさん展示されている。銀の食器はみがかれて光沢をはなっている。銀のワイングラスは大きめだ。葡萄の大農場が広がっていたイタリア南部ならではの大きいグラスだ。ガラスのビンやグラスもすばらしい。これらは美術品といってさしつかえない。さまざまな意匠をこらした作品はなかなかのものだ。普通の家庭にこんなものがあるのに驚かされる。
 でも出品されているのは、大土地所有者、貴族の邸宅の発掘ででてきたものだろう。食堂の臥台もあった。ローマの富豪は、臥台に横になってテーブルの食べものをつまみ、ワインを飲む。召使の奴隷が給仕をする。
 そう、古代ローマは典型的な奴隷制社会だ。公衆浴場が有名だが、富豪の邸宅には、専用浴場があった。ボイラーと給湯設備が展示されている。金属製のパイプとパイプにつけられたバルブもあり、これをひねれば湯を通したり止めたりできる。この設備には参観者も驚きの声をあげ、裏にもまわって見ていた。
 ポンペイ展は、噴火で埋もれた人の石膏型から展示が始まっている。展示されているのは、日本人の調査チームがつくった石膏型だ。一瞬にして埋まった噴火の様子を知らせてくれる。つづいて鉄製の奴隷の足かせが2つ展示されている。何人もいっしょにつなぐ足かせもある。まがいもなき奴隷制社会であることを教えてくれる。総体的奴隷性といわれるアジア的制度とは一線を画すローマ的奴隷制だ。
 ローマといえば円形闘技場=コロッセウムだ。ポンペイにも円形闘技場があった。ここで闘われたのは、猛獣と人間の闘い、さらに人間同士の死の闘いだった。この場面に立たされたのは、剣闘士養成所で訓練された剣闘士奴隷だった。この命をかけた試合はローマ帝国の市民の最高の娯楽だった。女性もあこがれの行事だった。剣闘士の兜やすねあてが展示されていた。みごとな彫り物をした豪華なすねあてだった。この兜、すねあてを見たとき、あっ、以前見たすねあてだと直感した。
 このポンペイ展は、古代ローマの社会制度から市民の日常の生活、美術工芸にいたるまで、2千年前の地方都市ポンペイのすがたを展示することでローマ帝国をまるごと知ることができる。もう数日間で、展示は終わる。見学をすすめたい。6月24日からは、名古屋市博物館に会場を移す。そのあとは、新潟、ついで仙台で終わりとなる。
 34年前、非常勤講師を経て正式に採用され、受け持ったのが世界史だった。ギリシア・ローマ史をわくわくしながら授業した。その際、ローマ史の弓削達先生、土井正興先生の本に頼った。ローマの社会構造から市民の生活、宗教などを、また古代ローマ最大の奴隷反乱であるスパルタクスの乱も見てきたように話した。会場で展示されていた剣闘士奴隷の兜、すねあては、土井先生の『スパルタクスの蜂起』に載っていたものと同じ様式のものだ。兜やすねあて、奴隷所有者市民の食事風景、さらに浴場であかをこすり取る道具なども展示会場でみながら、30年余り前の授業プリントにそれらを載せたことを思い出した。
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上杉隆氏の官房機密費によるテレビ・新聞買収追及

2010年06月05日 23時37分55秒 | Weblog
 『週間ポスト』6・11号に上杉隆氏の「官房機密費マスコミ汚染問題」追及第3弾がある。
 誌面には書かれていないが、上杉氏は現在、電車は使わず車で移動しているらしい。さまざまな妨害、攻撃などをしくまれる可能性があるからのようだ。誌面では、あるテレビ局の幹部が、局の政治部の幹部が上杉氏のスキャンダルさがしにやっきになっていることを教えてくれたという。また各方面から圧力も増してきているということだ。
 新聞は本格的な記事を書く姿勢はみられない。『毎日』が書いたとはいえ、野中氏が同じことを繰り返しただけで、真実をさらに語ったわけではない。『毎日』が独自に取材をしたようにもみえない。自社の幹部に取材をすればいいのだから。とにかく新聞、テレビとも無視を決め込んでいる。テレビ朝日『ビートたけしのTVタックル』が6月1日に機密費の特集をやろうとし、上杉氏も呼ばれていたが、直前になって企画自体が中止になったということだ。
 上杉氏は、この1週間ほどでさらに数十人の元官邸関係者の取材をしているという。ある官邸秘書経験者の「盆暮れに記者を呼び出して、平均30万円ぐらいずつ配る。必ず個室で、証拠が残らない形で渡す。部数の多い大新聞や、影響力の高い一部のテレビ局の記者は10万円ぐらい上積みしていた。反対に、部数の少ないブロック紙や通信社は10万円ぐらい低かった」という証言も重要だ。上杉氏はA新聞、Aテレビ、Bテレビが再興ランクの40万という書き方をしているが、名前は公表していない。
 また政治評論家の名前につづいて自民党議員や秘書の名前があり上は1000の数字まで書かれているが、これも議員と秘書をつうじたマスコミ対策だということだ。
 現在はテレビ政治の時代だから、テレビ対策=買収が政権運営の陰の柱になっているのだろう。野中さんの証言は小渕首相時代の範囲だから、それ以後のとくに小泉首相のテレビ政治の時代にもメスをいれてほしい。
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鳩山退陣

2010年06月04日 08時29分35秒 | Weblog
 ついに鳩山首相が辞任した。地元合意を放棄して、アメリカとの合意に乗って普天間基地の辺野古移転を押し付ける決定をのこして辞任した。5月末までに決着という点だけは自分で納得しているだろう。でも辺野古に舞い戻らせたのだから解決ではない。問題をこじらせただけだ。1996年とは情勢が違う。沖縄県も名護市も受け入れることはありえない。地元は振興策をも拒否するという態度なのだ。これは相当の決意がないと総意とはならない。結局、永遠に辺野古移設はできない。解決不能だ。だからといって普天間をそのまま存続することはこれも県民世論がゆるさない。解決策は国外移転しかない。日本が国外移転先をさがす筋ではない。鳩山首相はアメリカに無条件に引き取ってもらう、そのために交渉するという腹を固めないから、結局もとに戻ってしまうのだ。アメリカは沖縄を手放さない。これほど効率的な基地群はない。大阪の橋下知事が、大阪も負担するから辺野古に基地建設をお願いしたいといいだしている。お願いにいってもいいとまでいっている。防衛副大臣にでもなったのか。行くのは自由だからいったらいい。
 根本の安保条約の是非を国民的に議論しなければこれからの日本は先にすすめない。米軍基地の現実は、実は、安保条約の枠さえもこえている。安保条約を厳密に守れ!というスローガンが成り立つほどだ。沖縄からイラクへ出撃するのは安保の枠を超えている。条文をふみにじって、世界安保、地球安保にすでに変質している。日本の保守政治家は一様にアメリカべったりで、安保を縮小しようという冷静な思考もない。私は安保廃棄派だ。安保維持派でも今は行き過ぎだという安保冷静派はいないのか。新聞テレビなどの解説委員、コメンテーターは地球安保派の人たちばかりだ。
 選挙が近いが、自民党政権が崩壊したとき、自民党政治の結果、2つの問題が焦点となっていた。ひとつは、75歳以上を別枠に放り込んだ老人健康保険制度、もうひとつは、派遣など異常な非正規雇用の問題だ。鳩山政府の派遣法の改正案は抜け穴だらけで、被害を受けている人達からは、こんなもの何の役にも立たん!と批判されている。老人健康保険はとりくむ姿勢がまったくない。新自由主義の自民党政治の害悪を正すはずが、まったくやられていない。そしてもうひとつの焦点、普天間の辺野古移設問題は、元の自民党時代に戻してしまった。
 自民党や自民から抜けでてつくった新党は、ここぞとばかりに鳩山政権を攻撃するが、攻撃する資格があるのかを疑う。つまり国民の意思、沖縄の意志を実現するために鳩山政権を批判しているのではないからだ。もともと辺野古に押し付けているのだから、鳩山さんに対しては元に戻してえらい、とでもいうべきところだ。他の2つの問題でもそうだ。
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普天間問題の全国世論調査を沖縄とおなじ項目でやってほしい

2010年06月01日 09時00分51秒 | Weblog
 前に、朝日新聞の普天間問題の世論調査の項目の設定がおかしいという意見を書いた。
 昨日(2010・5・31)の『毎日新聞』に毎日新聞と琉球新報がおこなった世論調査の結果がのっていた。沖縄県民だけを対象にした世論調査だ。私が前にいったような質問項目が並んでいる。
■政府は普天間飛行場を辺野古附近に移設することで米国と合意しました。辺野古附近への移設に賛成ですか、反対ですか。
 賛成                      6
 反対                     84
 わからない                  10
□<反対と答えた方に>反対の理由はなんですか。
 沖縄県以外の日本国内に移すべきだと思うから。 18
 国外に移すべきだと思うから          36
 沖縄県外の他の場所に移したほうがいいと思うから 4
 わからない                   5
■米軍の日本駐留を定めた日米安保条約をどう考えますか。
 日米安保を維持すべきだ             7 
 日米安保を平和友好条約に改めるべきだ     55
 日米安保を破棄すべきだ            14
 米国を含む多国間安保条約に改めるべきだ    10
 わからない                  15
■沖縄への米海兵隊の駐留をどう思いますか。
 必要だ                    15
 必要ない                   71
 わからない                  14
■沖縄に在日米軍専用施設の約74%が集中しています。在沖米軍基地についてどうかんがえますか。
 現状のままでよい                5
 拡大すべきだ                  1
 整理縮小すべきだ               50
 撤去すべきだ                 41
 わからない                   3 
 
 鳩山内閣が辺野古移設を日米で合意し発表したが、このアンケートでも沖縄県民の意志はますます固まっている。実際には移設はできない。注目したのは県外移設よりも国外移設が多いということだ。県民の36%が国外移設を主張している。これが第1の世論なのだ。
 安保条約維持も7%にとどまっている。海兵隊駐留が必要は15%、必要ないが実に71%にも達している。
 ここからいえることは、沖縄県民世論は、単に普天間基地をどうにかしてほしいというところにとどまっているのではなく、安保条約をやめること、沖縄米軍の中心である海兵隊の駐留をやめてほしいということと結びついた世論となっていることだ。
 本土の新聞・テレビが、海兵隊がいなくなったらどうするのだ、抑止力がなくなって日本はあぶないなどど、いっせいにいいたてて米軍の駐留が日本の生きる道だと説いている。しかし、沖縄県民は海兵隊が何をしているか知っている。アフガニスタン戦争、イラク戦争への出撃が任務であり、つぎつぎ出ていって留守のことが多いということも。
 普天間問題を考えるなら、このアンケートにあるように、国外移設も項目に入れ、安保条約のあり方も真正面から問うべきだ。
 来月の全国世論調査では、各新聞とも、この毎日新聞・琉球新報がやった内容をとりいれてやるべきだ。やろうと思えばできないことはない。項目がふえたら調査が困難になるとはいえまい。
 世論誘導的な世論調査、項目設定はやめてほしい。
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