山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

沖縄振興費、そのごまかしを明らかにしなければならない

2013年12月29日 17時47分18秒 | Weblog
 仲井真沖縄県知事が、辺野古埋め立て許可とひきかえに、2021年度まで毎年3000億円台の振興費を安倍首相が口約束したことを「有史以来の予算、税制だ。これはいい正月になるというのが私の実感だ」と天までもちあげた。これまでも政府は、基地と引き換えの振興費で沖縄をだまし続けてきた。
 この沖縄振興費が純粋にプラスアルファとして沖縄にごほうびとして渡されていたものかどうかが検証されなければならない。その前にまず、仲井真知事の、「有史以来」という評価のいい加減さを指摘しなければならない。2014年度の3460億円に対し、1998年度革新の太田昌秀知事の時は4713億円だった。
 『琉球新報』2013・12・25付けに、国が沖縄振興費というくくりで予算を発表することであたかも沖縄を厚遇しているかのように演出していることを突いた大型の記事があった。明治大教授・池宮城秀正氏の解説もついている。
 結論は、沖縄県民にも「国民に向けても沖縄には全国よりも多額の予算をつぎ込んでいるの印象を醸し出している」ことと、「同じく財政力が弱い他の『類似県』などと比較しても国への依存財源(国からの交付金)は突出している、との見方が正しくない」ということだ。
 2011年度決算では都道府県別国庫支出金を人口1人当たりで比較すると、沖縄は11万5千円で全国2位、地方交付税は14万9千円で全国15位だ。両方の合計は26万4千円で全国7位。国庫支出金額1613億円で11位、地方交付税額は2806億円で12位、それらを含めた財政移転の総額は3699億円で全国12位。このなかには国管理空港として政府の空港整備勘定(旧空港整備特別会計)から支出されるべき那覇空港の第2滑走路増設経費が沖縄振興予算に組み込まれている。また国家的事業としての沖縄科学技術大学院大学の予算も文科省予算からではなく沖縄振興予算となっている。
 池宮城教授によると、沖縄振興予算は県と市町村への国庫支出金と国直轄事業費などをまとめたものだ。沖縄振興予算というから、沖縄だけにある予算だとの誤解が生まれるが、国庫支出金と国直轄事業費は他の都道府県にも同様にある。教授は国庫支出金について類似県並の部分と基地の存在による上乗せ部分を明らかにすべきだと主張する。これは県が国に要求すべきことだ。
 上乗せ部分がいくらなのかが明らかになれば、米軍基地の過重負担の「対価」としてふさわしいのかどうかが改めて問われることになる。

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名護の市長候補も金で公約をひるがえす

2013年12月27日 00時45分39秒 | Weblog
 名護の市長選挙に辺野古への新基地建設をかかげて立候補を表明していた島袋よしかず氏は、見立てどおり立候補を撤回した。男は意思を貫くといきまいていたが、自民党幹部からのあいつぐ圧力に見事に屈した。地元名護では、金で決着がつくといわれていた。年末までこじらせて引っ張ったのだから金額もはねあがったことだろう。安倍首相が仲井真知事を屈服させた25日、中谷元・額賀福志郎元防衛庁長官がふたたび沖縄を訪れ、4時間がかりで島袋氏引きおろしを成し遂げた。
 一本化で辺野古埋め立て派市長候補はすえまつ文信氏となった。末松氏の基本政策では、(基地の)再編交付金35億円が目玉だ。これで市役所を移転新築すると公約に掲げる。築30年余りの賞をもらった建築物を放棄する。これでわかるように建築土建関係の市長なのだ。建設業界の決起集会を12月18日にやっている。わたしと同い年の末松氏のチラシをじっくり見たら不思議なことを発見した。工業高校をでたあと関係の会社で働き、1983年末松設計工房を設立。その4年後39歳で名護市役所に採用され、わずか6年で企画部長に就任し、以後もとんとん拍子で出世し、副市長を経て、2012年県会議員に当選した。常識では考えられない異常な昇進だ。そしていま、安倍首相の後押しを受けて、基地推進市長をねらう。
 だが、名護市民はかつてのように、振興策という名の付いた金が欲しいから問題をうやむやにするという考えではない。というのは、稲嶺すすむ市長はこの4年で、基地の再編交付金を断ったうえで、財源を新たに確保し、市内の経済振興でも税収をふやすことで前市長の時よりも年間予算額を大幅に増やしたのだ。名護市民は、仲井真知事のように札束に屈して「心から感謝し、お礼を申し上げる」などということはない。
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圧力に屈した仲井真知事、県民への裏切り

2013年12月27日 00時45分39秒 | Weblog
 沖縄県の仲井真弘多知事は27日(2013・12・27)、米海兵隊普天間基地の移設に伴う名護市辺野古の公有水面埋め立て申請を承認した。仲井真知事は2010年の知事選で普天間基地の県外移設を公約していた。仲井真氏は「県外移設の方が早いという考えは変わらない」「公約は変えていないので、説明する必要もない」と開き直っている。まったくの詭弁で、県民を裏切って公約投げ捨てたことは明らかだ。この記者会見自体、多くの警官に守られて知事公舎でやっており、県庁に戻ることさえしなかった。
 そもそも仲井真氏が東京に行って埋め立て承認にいたる経過は、11月に沖縄選出自民党国会議員が東京に呼びつけられ、石破幹事長に脅されて公約放棄の屈服をしたのに似ている。足腰がしびれるからといって検査と入院をし、屈服が完了するまで沖縄に帰らなかった。沖縄では知事はすぐ戻れという声がわき起こっていた。病名は腰椎菅狭窄症だったとか。ありふれた病気で沖縄に整形外科の医師はいないことはない。入院の病院名はついに明らかにされなかった。秘密のうちに政権幹部が仲井真氏とやりとりをし、丸め込むための装置だったのだ。じじつ3連休には仲井真氏は病院をぬけだして官房長官と密会をしている。入院したが病状はよくなっていない。なのに屈服が完了したら戻った。入院が政治的な装置だったことは明らかだ。仲井真氏は東京に囚われて屈服を迫られた。
 仲井真氏が安倍首相の「沖縄振興・基地負担軽減」策を絶賛した発言は、歯の浮くようなもので、県民からするならばとても許せないしろものだ。いわく「驚くべき立派な内容を提示していただいた。心から感謝し、お礼を申し上げる。」「有史以来の予算、税制だ。これはいい正月になるというのが私の実感だ。」「何から何までしていただいた。さすが安倍首相だ。」
 だが、普天間基地の「5年以内の運用停止」という要望に対して、首相は具体的な時期についていっさい言質を与えてはいない。日米合意では、「2022年度またはその後」となっており、これに何の変更も加えていない。仲井真氏は、いま普天間に配備されているオスプレイ24機のうち12機の県外配備を要望したが、首相が提示したのは「訓練の半分を県外で行う」というものだ。すでにオスプレイは岩国や四国、滋賀など本土での訓練しており、ヘーゲル米国防長官も「すでにオスプレイの訓練の半分は沖縄県外で行われている」といっている。一方、沖縄では、伊江島や宜野座村などでオスプレイ訓練が激化しており、辺野古新基地が完成すればオスプレイ100機体制になるといわれている。仲井真氏は、「有史以来の予算」と安倍首相をほめちぎった。2014年度3460億円、2021年度まで毎年3000億円台の振興費を確保するといったのを有史以来と持ち上げた。有史以来とは、仲井真氏も相当舞い上がったことがうかがえる。だが、革新の太田昌秀知事のころは4800億円だったのだから、仲井真氏の軽さも相当だ。
 沖縄県民、とくに基地を押し付けられる地元名護の市民にとっては、「いい正月になる」ことはなく、「最悪の正月になる」ことは間違いない。新基地がつくられれば、100年はもつ最新鋭のものになり、危険は100年延長する。
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安倍首相靖国参拝、なぜ千鳥ヶ淵墓苑でないのか

2013年12月25日 13時15分36秒 | Weblog
 安倍首相が26日(2013・12・26)午前、靖国神社に参拝した。これに対し、中国・韓国が厳しい批判をしている。国内でも、共産党、社民党、民主党が批判している。当然のことだ。
 安倍首相は記者団に「靖国神社の参拝はいわゆる戦犯を崇拝する行為であると誤解にもとづく批判がありますが」といっているが、靖国神社は侵略戦争を計画し遂行した責任者であるA級戦犯をも神としてまつっている神社であることは事実だ。そこに参拝することはA級戦犯を神として崇拝することだ。また、靖国神社は、神社として公然と侵略戦争を美化し、あおるという政治活動をしている神社だ。ここに参拝することは、その政治宣伝に同調することになる。日本が受諾したポツダム宣言、日本国憲法の平和条項9条、サンフランシスコ講和条約をくつがえすものであり、憲法の21条政教分離条項を否定するものだ。
 安倍首相はまた、「中国あるいは韓国の人びとの気持ちを傷つける、そんな考えは毛頭ございません」とも述べている。この人はこの言葉で、人権というものについて何の理解もないことを暴露した。侵略された側が、侵略を肯定する神社をあがめる行為は耐えられないといっているのに、傷つけるつもりはないのだからいいではないか、いう方がおかしいというのだ。傷つけるつもりがないといえば、責任をのがれることができるならば、人の行動について責任を問うことはできなくなる。ストーカー犯が、傷つけるつもりはなかったから責任は問われないというなら、ストーカーという犯罪は存在しなくなる。
 安倍首相はさらに、「母を残し、愛する妻や子を残し、戦場で散った英霊のご冥福をお祈りをし、そしてリーダーとし手を合わせる。このことは、世界共通のリーダーの姿勢ではないでしょうか」といったが、国際条約と憲法に従ってこのリーダー論を実践するならば、靖国神社ではなく、千鳥ヶ淵墓苑に行くべきではないか。
 千鳥ヶ淵墓苑は、国立の墓地で、したがって当然無宗教の施設だ。靖国のように特定の宗教でもなく、侵略戦争美化の政治活動施設でもない。アメリカのケリー国務長官とヘーゲル国防長官が10月、この千鳥ヶ淵墓苑を訪れ、献花し黙とうをささげた。靖国に参拝する外国首脳がいるのか安倍さんにききたいものだ。
 ケネディ米駐日大使が「失望した」とコメントしたのもうなずける。中国・韓国だけでなく、アメリカ政府からも顔をしかめられる。21世紀に侵略戦争美化の神社に参拝する時代錯誤は国際リーダーのものではない。
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日本の行方を指し示す名護市長選挙

2013年12月25日 10時58分02秒 | Weblog
 2014年1月19日、沖縄・名護市長選挙が行われる。これは沖縄の基地問題に決定的な影響をおよぼすとともに、日本のこれからの行方を指し示す選挙になる。
 それだけに政府自民党ははげしく介入している。人口6万余りの街が、今、日本の焦点になっている。自民党石破幹事長は沖縄選出の自民党国会議員5人を東京に呼びつけ、恫喝をくわえて、辺野古容認へと転換させた。11月25日、勝ち誇った石破幹事長の後ろに並んで座らされた5人はうなだれた姿で写真におさまった。次は仲井真知事の番だ。腰の治療ということで東京の病院に入院しているが、県民は知事は東京に囚われていると感じている。安倍首相の辺野古埋め立て承認をせよという圧力の下で滞在しているのだ。
 さらに自民党は、名護市長選挙で自民系候補が2人(島袋よしかず・前市長、すえまつ文信・元副市長)が立候補を表明し、運動を展開しているのに対し、島袋氏を引きずりおろして一本化するための圧力をかけている。自民党の中谷元・元防衛庁長官につづいて、額賀福志郎・元防衛庁長官が沖縄を訪れ、島袋氏に会っている。22日には、額賀氏は仲井真知事を病院に訪ね、一本化をめぐる状況を説明している。札束で一本化しようというのだろう。領収証なして何にでも使える官房機密費を使うに違いない。
 だが、島袋氏は、自らの後援会幹部が丸め込まれて末松氏に寝返ったことを批判し、自分は決して降りないと宣言したビラを配り、毎日宣伝カーを走らせている。情報通の市民たちは、島袋氏は金で降りるに違いないと思われているのを嫌悪し、意地を通す決意を固めていると語ってくれた。島袋氏は辺野古に新基地をつくることを公約している。末松氏は辺野古には触れず、基地再編交付金で市役所を新築するなどといっているが、辺野古受入れに変わりはない。
 現市長・稲嶺すすむ氏は、海にも陸にも新基地はつくらせないと4年間がんばり、今はいっそうその決意を固め、市民を引っ張るリーダーとしての存在感を強めている。安倍首相は辺野古新基地ができなければ普天間基地が固定化されると脅しをかけるが、辺野古に基地をつくらせなければ、普天間の海兵隊は沖縄から出ていくことにならざるをえない。県民世論は8割、名護市民は9割が県内移設反対の意思表明している。
 沖縄の米軍基地は、すべて敗戦後、銃剣とブルドーザーで土地を奪ってつくったものだ。ひとつとして県民が承認を与えてつくらせたものはない。だが、仲井真知事が辺野古埋め立てを承認すれば、初めて、すすんで基地を提供したことになる。県民はその事情を知っており、7割が埋め立て承認をするなといっている。
 名護の街をハンドマイクをもって歩き回ったら、ある私立幼稚園の園長(理事長?)がでてきて、辺野古新基地はとんでもない、稲嶺さんを応援している、職員が30人いるが、みんなにもよく話しておくといってくれた。通る車からは、車中で会釈してくれたり、ハンドルをもちながら手を振ってくれたりの激励があいついだ。沖縄戦を経験した89歳の女性の話は数日前に書いた。大阪に帰る前日の23日、屋我地島の村々を回っていたら、日本聖公会の教会と保育園があり、そこの牧師さんも安倍内閣の秘密保護法を厳しく批判し、稲嶺市長への期待と、大阪から支援に来てくれたことへの感謝をのべてくれた。農作業しているおじいさんも、屋我地島の手づくり塩の作業をしている人たちも同じ気持ちを伝えてくれた。
 市民の総意は変わらない。地元の意思を無視して軍事基地をつくるなど許されることではない。
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仲井真知事は安倍自公政府の脅しに屈するな

2013年12月23日 08時48分03秒 | Weblog
 安倍内閣は辺野古新基地建設を強行するために、まず沖縄の自民党国会議員と沖縄県連を脅して、県外移設の選挙公約を撤回させた。政治家、政党としての自殺行為だ。石破幹事長の後ろで首をうなだれる議員たちの姿をみて、沖縄県民は屈辱を覚えた。
 それに続くのが仲井真知事の東京詣でだ。沖縄では知事は条件闘争、屈服への道を歩んでいるととられている。しかし辺野古埋め立て承認をするならば、これまでの知事の発言、公約ともいえる発言を否定することになり、県民の避難は収まらないだろう。その汚名は百年残るだろう。辺野古の新基地は百年もつ最新鋭のものとなり仲井真氏の汚名の記念碑となる。
 いま沖縄では、仲井真知事は自らの発言に責任を持て、裏切りをするなと新たな世論が巻き起こっている。安倍内閣はうそを含めて仲井真知事の条件を飲もうとするだろう。だがことの本質は何も変わっていない。普天間の県内移設反対の県民の80%の世論を代表する知事はこれを尊重するのが務めだ。安倍内閣の脅しと懐柔に屈してはならない。
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街中で沖縄戦の体験を聞く

2013年12月21日 23時15分21秒 | Weblog
 今、沖縄・名護にいる。名護市長選挙の稲嶺すすむ市長の支援の活動に参加している。今日、ハンドマイクで市内の住宅地で訴えをしていたとき、100メートルほど向こうの住宅から女性がこちらに向かって歩いてきた。足がやや不自由な感じだった。旗をもっていた仲間が、あいさつに向かった。わたしは7分くらいの話を終えて、女性の方に行った。女性は沖縄戦の体験を話し始めたところだった。
 女性は1945年の米軍による地上戦が行なわれた沖縄戦で、壮絶な体験をした。沖縄北部の本部(もとぶ)の地下壕に避難していたが、日本兵が銃剣で脅して数十人の住民を壕から追い出した。追い出したあとに彼ら日本軍が入り込んで占領してしまった。日本軍は沖縄県民を守るのではなく、自分たちの安全のために住民を犠牲にしたのだ。追い出された人の中からは当然米軍の攻撃による犠牲者が出た。彼女は生き延びた。アメリカ兵よりも日本兵のほうが怖かったと語った。当時彼女は21歳だった。
 彼女はS・Kさん、89歳だ。足が悪いというが、顔は若々しく、話しぶりはじつにしっかりしていた。東条、岸が憎いという。今、ふたたび当時の状況に近づきつつあるのを憂え、なんとしても歴史の逆行を許してはならないという。今度の市長選挙も歴史の後退を許さないために大事だとわれわれにいう。わたしの顔を見て内地の人間だろうという。大阪ですというと、大阪はいいところだ、と何度も言ってくれた。沖縄の人もたくさんいると。
 名護の市長選挙では稲嶺さんの再選をかちとり、戦争への逆行をくい止めるためにともに頑張りましょうと誓い合って別れた。89歳だが、ほんとにしっかりした判断、思考力と力強い話しぶりにわれわれが励まされたひとときだった。
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ひんぷんガジュマル、徳田球一の碑

2013年12月21日 08時06分26秒 | Weblog
 沖縄・名護に来ている。市の中心地にある天然記念物「ひんぷんガジュマル」を見た。「ひんぷん」とは、沖縄の伝統的な家屋で正門と母屋の間に立つ目隠しの塀のこと。木のそばに江戸時代からの古い石碑があったので、その屏風石(ヒンプンシー)にちなんで「ひんぷんガジュマル」と呼ばれるようになった。現在は高さ19メートル、枝の広がりは30メートル、樹齢は推定320年。がじゅまるは沖縄に多く自生しており、枝から空中の水分を吸収する気根がたくさん垂れ下がり、地面に達する。幹のほかに気根が垂れ、絡まり巨木の風貌に凄みが加わる。
 ガジュマル公園には、徳田球一の碑がある。弁護士で日本共産党の創立者のひとりだ。沖縄の出身だとは知っていたが名護だとは知らなかった。1945年9月、府中刑務所から解放されるまで18年獄にとらわれた。名護生まれの反戦運動の画家・宮城與徳の碑もあった。
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大阪維新の会、内部崩壊はじまる

2013年12月18日 21時58分30秒 | Weblog
 16日(2013・12・16)大阪府議会は、泉北高速鉄道を運営する第3セクターの株式を米投資ファンド・ローンスターに売却する議案を反対53、賛成51で否決した。維新の会が過半数を制する府議会で否決されたのは、維新議員の中から4人が造反したからだ。
 買取額を781億円としたローンスターに対し、第2位の南海電鉄は720億円を提示した。だがローンスターは高すぎる運賃の値下げについて、10円としたのに対し、南海電鉄は80円を提示していた。住民の利便性という点では完全に南海に軍配があがっていた。しかし、恣意的な評価基準でローンスターが選ばれるようになっていた。
 松井知事と維新の会の方針に対して、沿線住民は怒りを抑えきれなかった。堺市議会、和泉市議会で反対決議があがった。造反した4人の維新府議は、知事・維新の方針の不条理と住民の怒りの大きさを前に悩んだことだろう。住民の願い、そして1年半後の選挙のことを考えた結果であろう。
 これまで傍若無人の振る舞いをしてきた維新が、内部分裂を起こし始めた。内部から崩壊が始まった。これまで橋下氏を中心とする維新に苦しめられた人々は感慨ひとしおだろう。橋下知事が府立高校の350人の非常勤職員が一人残らず首を切った、切られた方の労働者の生活破壊は言語に絶するものがあった。橋下氏は350人の賃金を切って、御堂筋のイルミネーションに投入するほうが大事だと言い放った。
 今秋の堺市長選挙と岸和田市長選挙での2連敗は、維新にとって大阪では初めての敗北だった。今度は住民の厳しい批判の前に、維新の内部で崩壊が始まったのだ。大阪都構想を住民投票に持ち込むこと自体がむずかしくなってきた。住民投票したとしても否決されることはほぼ見えている。
 ついでに、翌17日の大阪市議会では、橋下市長提案の市営地下鉄・バス廃止・民営化条例案が三たび継続審議となった。
 
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急落!安倍内閣の支持率28%

2013年12月17日 22時44分23秒 | Weblog
 安倍内閣の支持率が28%になった。支持しないのは51%だ。うそだろうと思うかもしれないが、事実だ。ただしこれは、沖縄県民の世論調査の結果だ。『沖縄タイムス』の2013・12・17付けに発表された。日本全体では、秘密保護法強行採決の蛮行を見て、10ポイント減の50%程度の支持率になったとして話題になったが、沖縄では、もっときびしい判断をしている。秘密保護法のこともあるが、沖縄では、さらに普天間基地の移転をめぐって安倍・石破コンビが批判を受けている。
 沖縄選出の自民党国会議員の普天間基地県外移設公約を力ずくで撤回、辺野古移設容認に転換させた。くわえて石破氏は、国会議員らを後ろに並べて記者会見をした。『琉球新報』12・17社説は、移設容認の発表に同席させた安倍政権の強権的手段を明治政府の琉球処分と重ねる県民も少なくないとして、「『処分官』に例えられた石破茂自民党幹事長を前に、こうべを垂れる地元代議士の屈辱的な姿を目の当たりにし、県民の間に政権与党への反発が強まっている」と指摘している。
 好調だ?といわれるアベノミクスに支えられて、高い人気を保ってきた安倍政権も、やがて沖縄県民の判断に追いつく時がくることは間違いない。
 『沖縄タイムス』では、辺野古埋め立ての可否について、不承認64%・承認22%・その他14%、辺野古移設について、反対66%・賛成22%、仲井真知事について、支持56・7%・不支持13・7%・その他29・6%、自民県連の方針転換について、納得しない71%・納得17%と報じている。


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中教審、首長の教育行政支配に道開く

2013年12月11日 17時01分30秒 | Weblog
 中央教育審議会教育制度分科会が10日(2013・12・10)、知事や市長などが教育行政を支配する道を開く答申案を分科会長のごり押しで決めた。分科会長は小川正人放送大学教授。現在の教育行政は、首長の権力から独立した行政委員会となっている。これは、天皇制国家と軍国主義が子どもと教育を戦争に全面的に動員した痛苦の反省から、戦後、憲法と教育基本法のもとで独立した行政委員会となった。多大の犠牲の上に確立した教育の原則なのだ。橋下大阪市長などは、現在、教育を戦争に動員することをたくらむ首長がいるはずがない、だから教育の独立は古くさい、住民の信任を得た首長が教育行政を取り仕切るのが当然と言いつのってきた。橋下氏に代表される潮流が全国的に顕著になってきた。
 だが、権力が教育の中身を操作・支配・コントロールしたいと願うのは、古くから、これからも、権力のもつ本性だ。だから独立した行政委員会が必要だ。卒業式の口元調査から、カリキュラム、教科書の選定、授業や行事の中身にいたるまで、すべてを思いの通りにしたいという欲望が膨らんでくる。
 教育には教育の普遍の原理がある。ときの権力の関心事項に沿って、右に左にと振り回されると教育の本質を損なう。
 答申案では、首長を執行機関とし、教育の大綱的方針も首長がつくる。首長が任命する教育長(現在は教育委員会が任命)に権限を集中し、教育委員会は付属機関に格下げする。
 首長のお友達を教育長にすえ(大阪府の教育長はその代表)、教育行政を好き放題にいじくりまわすことができる。教育的見識の欠如した民間人校長をどんどん取り込み、お友達をつぎつぎ校長にすることもたやすいことになる。教科書も社会科は戦争賛美、憲法改正推進の教科書に変えられるだろう。安倍首相や橋下大阪市長らにはよだれの出るような答申案だ。そうなるように中教審の委員を配置してきた結果だ。こんな答申案は撤回させなければならない。
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横暴安倍内閣、支持率急落

2013年12月10日 10時18分52秒 | Weblog
 秘密保護法強行採決で国民的批判にさらされている安倍自公内閣の支持率が急落している。JNNの世論調査では、前月比13・9ポイント減の54・6%、不支持率は14・3ポイント増の44・4%だ。共同通信では10・3ポイント減の47・6%、NHKでは支持10ポイント減の50%、不支持10ポイント増の35%だった。いずれも10ポイント以上の急落だ。
 その理由は、秘密保護法強行採決にある。共同通信調査では、法律への賛否では反対が60・3%、賛成は24・9%、法律に「不安を感じる」が70・8%「不安を感じない」が22・3%、法律を「このまま施行する」9・4%、に対し通常国会で「修正する」54・1%「廃止する」28・2%があわせて82・3%にも達した。廃止が3割近いのが心強い。反対の割合は国会開会中よりも増えている。
 あわてた安倍首相は、記者会見で弁解した。「秘密が際限なく広がる、知る権利が奪われるという懸念の声があるが、このようなことは断じてあり得ない」と声を張り上げた。さらに「今回の法律により秘密の範囲が広がることはない」といった。ならば、なにも秘密保護法を新たにつくる必要はない。現行法でも秘密管理をしているのだから。合理的な立法の根拠を言えないのにやるのは、かくされた狙いがあり、やがてこの法律がとんでもない威力を発揮することが想定されているからだ。
「私自身がもっと丁寧に時間を取って説明すべきであったと反省もしている」といったが、よく言うよだ。委員会で強行した5日、22時38分まで本会議をやっていたのに、安倍首相は18時26分からホテルオークラで「年末エコノミスト懇親会」に出席し、さらに四谷の焼き肉店龍月園で秘書官と食事をし、21時18分私邸に戻った。6日、15000人が国会を包囲して抗議をつづけたが、23時22分参院本会議で強行可決した。だが参院本会議場には安倍首相の姿はなく、20時41分公邸に入り、くつろいでいたのだ。
 とにかく審議が長引けばまずいと、強行に次ぐ強行でごり押しした。そのうさんくささを多くの人が感じた。アベノミクスで経済が好調だという一枚看板がそうでもないと知れることにでもなれば、総崩れになることは間違いない。経済が好調というが、それは本当かどうか見極める必要がある。
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なにがなんでも押し通す安倍自公政権の本質、戦時体制への一里塚

2013年12月07日 11時43分22秒 | Weblog
 会期末の6日、安倍自公政権は戦時体制への一里塚となる特定秘密保護法案をたび重なる強行採決の上に押しとおした。
 国家公務員法や自衛隊法などで秘密保護がやられており、漏えい事件がほとんどないにもかかわらず、重罰をかける新法の必要性が示されない。結局アメリカの戦争体制との情報共有ということが目的で、日本も米軍との軍事一体化を完成させようということだ。この悪法の代名詞ともなった、何が秘密かも秘密という秘密指定は国会がチェックできず、恣意的に、不都合な情報はなんでも秘密にされる。何が刑罰の対象かを明示せずに懲役10年を科すのは罪刑法定主義をさだめた憲法に違反する。石破発言で注目をあつめたテロ防止、スパイ活動防止の名目で公安警察の人権侵害の監視・情報収集活動がやりたい放題になり、日本は秘密警察国家になる。特定秘密は60年も秘密にでき、安保条約の秘密はすでに60年たっているのに、これからさらに60年となると1世紀以上の秘密指定となる。国民の知る権利も絵に描いた餅だ。
 もともと自民党の選挙公約にもなかった秘密保護法案。突如出してきて1か月でごり押し。選挙で多数を取れば何をやっても許されるのか。そんな民主主義は聞いたことがない。
 それにしても平和の党といっていた公明党の哀れな姿はどうだ。2003年のイラク戦争でサマワは安全だと自衛隊派兵の水先案内人を買って出た時から平和の党ではなくなっていたが。今や単なる賛成の投票要員にすぎない。みんなの党、日本維新の会も安倍自民にすりよって翼賛政党になりさがった。
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安倍自公内閣の暴挙を糾弾する!

2013年12月05日 17時01分53秒 | Weblog
 自民公明安倍内閣は、5日午後4時、特別委員会での強行採決に出た。自民党議員の審議打ち切りの緊急動議を野党の抗議と怒号のなかで何も聞こえないにもかかわらず、自公議員は指揮者にしたがって起立をくりかえした。これで可決だと。
 参議院で審議に入ってわずか1週間。衆院での強行に加えて、参院ではかさにかかって横暴の連続。議会制民主主義は滅んだ。これが石破幹事長のいう本来の民主主義なのだ。対極としての人権行使の抗議行動をテロと呼ぶ。近代民主主義の歴史とは逆の意味づけがまかり通るのが21世紀安倍自公政治だ。問答無用の政治だ。こんな内閣は急速に劣化するにちがいない。
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秘密保護法案反対の世論のひろがり

2013年12月04日 22時47分39秒 | Weblog
 今日(2013・12・4)、秘密保護法案反対の宣伝に参加した。阪急石橋タクシー乗り場側だ。池田9条の会の行動だ。17時から18時まで1時間。何人かがハンドマイクでこの法案の危険性を訴え、他の参加者がリーフレットを配った。母親連絡会の人はアジア太平洋戦争開始の12月ということで赤紙(召集令状)を配った。13人で、赤紙60枚、反対リーフレット240枚を配った。毎月の9条宣伝に比べて、受け取る人は大変多かった(通常の2倍)。国民の関心、反対世論の強まりを肌で感ずることが出来た。わたしに、「廃案にしてください」と訴える女性もいた。高校生も関心を示しよく受け取ってくれた。ただ近くにある大阪大学の学生の受け取りが悪かったのが気がかりだった。もっとも鋭い反応を示すべき学生が無関心無表情なのが気がかりだった。
 秘密保護法案には各界の人びとが反対運動にとりくんでいる。この法案の危険性のあらわれでもある。昨日は「特定秘密保護法案に反対する映画人の会」が発足した。映画監督、俳優ら264人だそうだ。監督の山田洋次、高畑勲、宮崎駿、大林宣彦、是枝裕和、井筒和幸、山本晋也、小栗康平さん、俳優の吉永小百合、大竹しのぶ、奈良岡朋子さんら。こころづよい。
 自民・公明の悪党はいっそう狂暴になっている。さっきのテレビニュースでは、明日5日、参院特別委員会の審議を途中で打ち切って委員会採決、本会議まで一気に持っていく方針を決めたそうだ。なんとしても廃案をかちとろう。
 
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