徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

八ッ場ダムの怪!―工事中止か、継続か―

2009-09-25 21:00:00 | 雑感

八ッ場(やんば)ダムの由来を調べてみると、狭い谷で猟をする場所を矢場(やば→やんば)と言ったり、谷川の流れの急なところを谷場(やば→やんば)と言ったとか、八つの猟場を八つ場またはやん場と呼んだとか・・・。
諸説紛々で、いずれもさだかではないようだ。
「やば」より「やんば」の方が発音しやすいから、「やんば」と呼ばれるようになったのではないかとも言われている。

それはさておき、その揺れる八ッ場ダムが膠着状態だ。
国交省と地元住民が、話し合いのための、同じテーブルに着くのはいつのことになるのか。
その日はくるのだろうか。

「ダム工事中止」についての、あるテレビの世論調査の結果を見た。
それによると、「支持する」は33%、「支持しない」は34%、「わからない」が33%だった。
この数字は、何を物語るか。
ダムは本当に必要か。
そのことが、公共工事見直しの一歩になると国交相は言う。
公共工事より、人、生命、子供を大切にするのか。
それとも、ここまで進めてしまったコンクリート工事を大事にするのか。

政府主導の実現というのは、国民(住民)との対話は欠かせない。
ムダなダム工事の中止は当然としても、それを実行する手順などは何も決まっていない。
国民にも知らされていない。
両者の言い分はもっともだ。
国民の暮らしをよくしようとするからには、民主主義はプロセスが大切なはずだ。

八ッ場ダム建設に反対する、地元民の反発をどう見るか。
群馬県というと、町議、代議士、知事まで、自民党でなければ政治家ではないというお国柄ではないか。
八ッ場ダム地元の温泉街の観光協会会長は、今年の7月、ある大新聞のインタビューで、「ダムの建設をやめてもかまわない」と明言した人だ。
それなのに、総選挙の後で態度を一変、ダム建設推進派に変わった。
どうしてだ。何ゆえの変節か。
何か、圧力があったのか、勘ぐられても仕方がない。

国民を欺いてはいけない。
え~ッと思うような、仰天の情報がある。
国交省の職員が、ダム建設を落札している企業37社に、52人も天下りしているのだ。
さらに、7つの公益法人に25人、随意契約者へも大勢が天下っていて、何と57社に99人、合計176人もがこのダムを食い物にしているというのだ!
当然、受注企業の中には、自民党に献金しているところもある。
地元民の、ダム中止への反発を煽って、民主党の公約なんぞ立ち往生させるというなら、ダム工事は存続だ。
民主党政権には大打撃だろうし、何やら怪しげな思惑が見え隠れする。

ダム建設推進派と別に、建設中止派もいることを忘れてはいないか。
中止派の住民は、前原国交相と会って話し合いの場を持ちたかったらしいのだが、推進派にもみ消された。
中止派が、町長ら推進派の強い圧力に屈し、村八分を恐れたか。
そこには、不気味な静謐が漂っている。
マスコミも、これらの動静は全く報道しようとはしない。
何故だろうか。

いま、新聞、テレビの報道を100%うのみにすることはできない。
裏で、何が動いているのか。
176人もの天下りは、何を意味するのか。
前自民政権の、大いなる負の遺産を前に、民主政権は重責を担っている。
どうしたって、改革が必要なのだ。
変りゆこうとするもの、変わるべきものがある・・・、だから政権交代なのだ。
船出したばかりの民主党政権だが、はじめは試行錯誤の繰り返しだ。
それを、批判的にあげつらう報道の多い中で、いかにして国民目線に沿って報道していくことができるか。
報道は、いつも、公正に真実を伝えてくれているのだろうか?

群馬県長野原町の町役場には、24日夕方から25日朝にかけて、「八ッ場ダムを中止しろ」のコールが、鳴りっぱなしだったというではないか。
電話は、一夜だけで約500本あって、もうパンク状態だったそうだ。
ダム建設中止か。継続か。(いや、ムダ建設なら中止の方がよいが)

ダム工事などの公共工事に限らず、このような住民騒動は、ほかにも各地で起こりうることだろう。
それも、また当然だ。
表と裏、上と下、180度の転換だ。
私たちが、実質、初めて経験する政権交代とは何だ。
平成維新、これが、まさに政権交代なのだ。


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2 コメント

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誰しも (茶柱)
2009-09-25 22:44:01
一度味わってしまった甘い汁はみすみす手放したくはありませんからね・・・。

でも、本当にそれでいいんでしょうかね・・・。権力者に媚びるのが民主主義なんでしょうかね・・・。
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ダム中止反対の住民は・・・ (Julien)
2009-09-27 08:54:34
テレビの片隅で、怒りをあらわにしていますが、おかしいと思っても口に出せない住民がいるのです。
あからさまに、ダム中止を訴えれば、後で何をされるかわからないからだといいます。
いわば、「つくられた民意」というから、妙な話です。
本来「ダム建設反対」なのに、彼らを「ダム建設推進派」に押しやっていて、なんとそこには地元に対する「巨額な補償金」が住民を縛っているといわれます。
この問題は、表に出てこないブラックボックスなのだそうで・・・。
公表されない、隠された「巨額補償金」の存在があるとは・・・。
元にもどることが、住民にとって怖いことだとすれば、それもわかる気がします。
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