足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

バフェットの来日・・・意中になにかを考えているのか?

2011-11-16 07:50:24 | 株式

ウォーレン・バフェットが来週初めに来日する。

ことし3月に来日の予定であったが震災で中止した。

目的は系列会社タンガロイの工場祝典ということである。元の上場企業である東芝タンガロイで、バークシア・ハザウェイの子会社イスカルの傘下にある。バフェットにとっては「わざわざ・・」という存在の企業であるが、今週初めにはこれまでの自己の不文律を破ってハイテクのIBM100億ドルの大型投資を行ったあとだけに関心が集まる。

なにか日本企業に投資の案件があるのか、われわれの関心事である。いまのころそのような話は全く出ていないが、今週のIBMへの投資もTV出演した時に公表しただけに、ひょっとしたら何かの案件の話が飛び出すかも知れない。

これまでから日本企業への投資については言及はしてきた。彼の「市場が先行き恐怖心を抱いた時には投資する」という投資哲学は、いまの日本はチャンスとみるはずだ。

IBMは配当利回り3%、米国債の2%からすると有利な存在である。東京市場ではこのような企業で選択できる銘柄がごろごろしている。

たとえば総合商社の配当利回りは三菱商事(80584.4%、伊藤忠(80014.8%、丸紅(80024.4%で昭和30年代の株価評価と同じである。

「投資先に困る」というバフェットの関心を引き付ける銘柄は山積している。


バフェットがハイテク株に投資はじめる

2011-11-15 07:41:05 | 株式

イタリア問題が峠を越した感じのユーロ圏であったが昨日はスペイン国債が売られた。

イタリアに次ぐユーロ圏第4番目の大国である。この動きをみていると投機資金が将棋倒しのように弱い国をめがけて攻撃をかけている。

スペインはギシア、イタリアに次いで第3番目の標的になるのか?

世界の株式市場の方向感は依然として不透明である。

こんな環境下でウォーレン・バフェットが動いている。

昨日はIBMに大量投資したことを明らかにした。

ウォール街が驚いたのはこれまで「ハイテクには投資しない」と避けてきた分野にも食指を動かし始めたことである。これまで自分に果たしてきた不文律を破った。

3四半期を通じて買い付けを行ってきたが金額は100億ドル(7700億円)を超えた。

バフェットが注目したのはIBMの安定した業績の伸びである。6年前にPC部門を中国企業に売却してから、ビジネスモデルはIT産業のサービス提供企業に変貌し景気変動に左右されない業態になった。

現在のPER14倍、配当利回り3.00%はバフェットの投資基準を充たす。現在の1株当り利益$132015年には$20になるという道筋も見えている。

ハイテク分野にはバフェットの投資基準を満たす銘柄は多い。

われわれが注目したいのは現在が歴史上みられない割安銘柄が多いという彼の自信がある判断である。過去45年の運用成果が4400倍という強い自負がバフェットにはある。


相場は落ち着きの方向へ

2011-11-14 05:53:07 | 株式

当面の懸案材料であったイタリア問題が峠を越した。先週は国債が7%台を割った。ひと安心である。今週は米国株の動向が世界を左右することになるが、特に大きな材料はない。

東京市場ではオリンパスの株価であるが連日のストップ安から週末は落ち着きをみせた。次の関心事は期限通りに決算発表が行われるかどうかにかかってきた。

先週末、韓国のSNSゲーム開発の最大手であるネクソンの東京市場への上場が決まったがロイターによると新株発行の想定価格は1360円。

この価格だと時価総額は6000億円になりグリーの時価総額6300億円に迫る。

市場では株価の2000円超を予想する向きもあり1兆円に迫り、場合によれば1兆円超になる可能性も考えられる。これはわれわれが計算している理論株価の上限である。

グリーの理論株価を同じように計算すれば想像もできないような株価が出る。人気面では大きなプラス要因である。

グリーをはじめSNSゲーム関連の人気を一段と高めることになるだろう。

日本の大手のSNSゲーム企業が有利なのは世界的にプラットフォーム網を拡大しサードパーティのソフトを供給することである。

それに日本には他国にみられない優れたゲームソフト開発企業が存在して業界の発展を盛り上げるというシステムが出来上がっている。

2012年はこの業界が一段と世界的に市場を拡大する元年になりそうである。


平穏な週末を迎える・・・世界の株価 

2011-11-12 07:56:33 | 株式

ーロ圏が落ち着き久しぶりの目先には安泰な週末である。

東京市場が株価形成の独自性を失ってから久しいが、特に最近は欧米で週末はなにか懸案材料が出て日本の株価に不安感をもたらせてきた。

今週はイタリア議会が緊縮政策に取り組み、危機水準の7%超になった金利も安定してきた。先にも本ブログで紹介したように先週はタイミングよくヨーロッパの銀行家と東京で会ったが、彼は「国債がここまで売られるのは行き過ぎ」としてイタリア国債への投資をはじめたことを強調した。

昨日はウォール街でもゴールドマン・サックスが「目先の危機は乗り越えた」とレポートしてイタリアの安定を強調した。

東京市場では1214日に韓国のSNSゲーム・ソフト開発の最大手ネクソン(3659)のIPO(新規公開)が決まった。

日経新聞はグリー並みの時価総額になると報じたが手元に入手できる資料で調べた限りでは、理論株価で判断するとグリーの4分の1弱の株価である。なぜ公開を東京市場を選ぶのか分からないが、日本でのSNSゲームの人気を高く評価したのか?

むしろわれわれの関心事では米国のジンガ(Zynga)の方に魅力を感じる。年内にNY市場で公開される。

SNSゲームソフトの世界もIT技術の優劣が勝負の一つになってきた。


NY株は落ち着く・・・イタリア債の反発を好感

2011-11-11 07:40:22 | 株式

NY株は落ち着いた。

ヨーロッパではECB(ヨーロッパ中央銀行)がイタリア、スペイン、ポルトガルの国債を14億ユーロ購入した。その3分の2はイタリア国債だ。ヨーロッパの銀行家は「イタリアの国債は日本と同じように国内の個人、企業が購入してきた。ギリシアなどほかの国と同列に論じるのは間違いだ」と語っていたが、状況は日本に似ている。

国債の金利が一時は7.48%と危機ラインといわれる7%を超えたが、この日は6.89%に下落した。またS&P社が「フランス国債の格下げの考えはない」と先の報道を否定したこともユーロ圏の落ち着きの一因になった。

米国では先週の失業保険申請件数が40万人を割り39万人台になったことが好感された。

ウォール街は落ち着きを取り戻してきた。

昨日の東京市場は大幅安になり日経平均は8500円と10月初めの安値8382円に接近した。テクニカル指標が弱気に傾き株価の位置は売られ過ぎのゾーンに近づいていた。

オリンパスの下落が相場のセンチメントを悪化させているが、この問題はほかの上場企業には波及しないだろう。かねてオリンパスは経営者のガバナンスには疑問をもつ向きもあった。

相場が下落のなかでも昨日はDeNA,グリーなど代表的なSNSソフト関連は堅調。われわれが注目してきたKlab(3656)、ドリコム(3793)も下値は強い。一時の過熱感は軽減され注目できる株価にきた。