欧米では週末も関係者の懸命な市場対策が続いた。
ポールソン財務長官は金融機関のもつ不良資産を数千億ドル(数十兆円)規模で買い上げる案を議会に提出、水曜日までに実現しそうだ。
バーナンキ議長は世界の中央銀行を動かし、世界の金融市場でのドル不足に対応した。それに加わったのがSECで公開株799社に及ぶ金融株の空売りをストップした。10月2日まで続く。これにロンドン取引所が参加した。世界でもっとも合理的といわれる米英の証券市場の専門家が決めた政策である。
しかしメディアからは、空売り規制には批判が出てきている。
株価の動きが極端になって投資家が近づき難くなるというわけだ。
株価の適正な価値の形成は、「割高と考える投資家の存在」(空売り)があってはじめて成立するという。
これに対して当局は、手持ちの玉のヘッジにはCDS,その他のデリバティブ、オプションなどがあると反論している。
問題は風説を流すように、株価の下落で健全な銀行を挫折させるというケースも考えられた。
今回の金融株全部にわたる規制は初めての実験である。
ロシアでは取引を2日間中止した。世界中で対策が出てきた。
相場を取り巻くセンチメントは極度に悪化していた。来週も週末の反騰の人気が続くなら、政策当局の勝利になる。