足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

新興市場の株をPEGレシオでみたら・・「金の卵」を見つける試論

2004-12-27 17:38:32 | 株式
本年の最終商いのせいか相場には元気がなかった。12月末の株式分割などの銘柄は1日早く権利を落としたが、それ以外の銘柄は月内に受け渡し。特にことしは節税対策のための損を確定する売りが出た。仕手株や新興市場の銘柄で大きな利益を出した向きも多かったと聞く。
先週からの新興市場の人気株も一服するか、反落するものが多かった。先週公開されたウェルネット(2428・JQ)、フィデック(8423・マ)、ケイブ(3760・HC)はいずれも大きく下げたし、今月中旬に公開されて、着実に下値を切り上げてきたアウトソーシング(2427・JQ)もこの日は元気がなかった。
「どう対処すればよいか?」 投資家の皆さんの関心事だと思う。
たとえばアウトソーシング、フィデックを例にとって、先行きを考えてみよう。
新興市場の株価の評価はわれわれ投資家にとっては難しい。本欄でこれまで紹介してきたのは、私が開発した理論株価のモデルであるが、昨今のように公開当日に寄らないというような異常人気になってくると、公開後、投資してよいのかどうか、迷う。しかしその中には「金の卵」があるかも知れない。テンバーガー(10倍になる株)が隠れているのを、見つけ出すのがわれわれの仕事の一つである。見落とすリスクもある。
さしあたり上記2銘柄をどう評価するかのケース・スタディーをしてみよう。

PEGレシオ(PER÷1株当たり利益)を使う。
アウトソーシングのPERは38倍である。来期の利益成長率は+32.2の予想。PEGレシオ=38÷32.2=1.1倍
フィデックのPERは78倍である。今期の利益成長率は+146%の予想。PEGレシオ=78÷146=0.53倍。
両銘柄ともPERは市場平均以上に買われているが、PEGレシオは低い。「低い」おいう」基準はなにか。
私はアメリカの同じようようなビジネスモデルの銘柄と比較する。たとえばロバート・ハーフ・インターナショナル(RHI)。PERは54倍、PEGレシオは1.94倍。
モンスター・ワールド(MNST)はPERが64倍、PEGレシオは2.2倍。
これらの銘柄と比較してもアウトソーシング、フィデックが買い余地のあることが納得できると思う。
グローバル化した市場ではこの種の合理的な評価で、必ず株価形成が行われるようになる。
ウェルネット(2428・JQ)とケイブ(3760・HC)は、ぜひご自分で計算されたらどうだろうか。

(注)PEG・RatioはPrice Earning Growth Ratioの頭文字をとったもの。