資金供給の拡大を、バーナンキ議長は決定した。
サブプライム問題の解決には、一時は公的資金の投入を主張するエコノミストもいたが、今週の連銀FOMCでの利下げに続いて、ヨーロッパ中央銀行、スイス中央銀行との間での最近はその種の声も聞かれなくなってきた。
連銀に発表によると、米連銀の資金供給はヨーロッパでは2倍増、米国でも5割増になる。
30日のFOMC後の声明文で注目されたのは“成長への鈍化のリスク”という文言が消えたことだ。
連銀の0.25%の利下げでFFレートは2.00%になっただけではなく、それに引き続いて予想外の資金供給を行った。金利だけではなく現実の市場で連銀のメッセージが確実に伝わるようにという行動である。名実ともに政策の遂行を行うというのは、言行一致という欧米のプラグマティズムを地で行くという行動である。
反応したのはドル相場であった。
今回の連銀の政策に同調したヨーロッパ中央銀行は、このまま現状維持の政策を続けていけば、ヨーロッパ経済は信用不安の影響が出て景気に問題がでると出るという判断に傾いている。
昨日、ユーロ・ドルは3月24日以来の安値になった。ベアースターンズ破綻が回避されたときだ。
スイスのヘッジファンドの運用者であるフェリクス・ズーロッフは「ユーロが天井をつくのはECBの利下げがきっかけになる」とみている。その可能性が高まってきた。
ドル相場の反騰、ユーロと円相場の軟調という図式が出現しそうである。
ウォール街の反騰のリード役は金融株である。
連休明けの東京市場でも金融株の人気は続くとみる。