余すところあと2日間になった。
年内のことよりも新年のことを考えるときにきた。
2003年に始まった世界的な株高現象は、5年目に引き継がれる。今年のニューヨーク株は3つの角度の高い経験則を破った。
まず「中間選挙の年は株安」ということ。1年前のウォール街のストラティジストはこの種の経験則は問題にせず、企業業績と金利に関心をもった。業績は4半期連続でフタ桁増益になった。1当たり利益は上昇したが、PER(株価収益率)は上がらなかった。その種の発想が当たった。
いまひとつの確度の高い「5月に売って11月に買い戻す」という戦法が効かなかった。5月はじめには天井になり7月まで下げたが、その後は秋にかけて大幅上昇しダウ平均は1万2000ドル台に乗せた。多くの機関投資家が市場平均に出遅れたのは夏場の弱気をそのまま続けたからである。
最後に「ハイテクやインターネットは第4四半期に動く」という経験則である。これもみごとに外れてしまった。年間を通してハイテク株は市場平均に比べて遅れた。
このような経験則が外れたおおきな理由は世界的な過剰流動性で、特に企業の手元流動性の豊かなことである。世界のM&Aは400兆円を超えた。この流れは相場のテクニカルな分析とはぶつかり合う。目的は企業成長であり、割安な資産を求めての資金の流れである。アナリストの価値分析を超えた経営者の企業家精神の活発化から出たものである。
2007年の有望株をみつけるのには、今年の失敗から出発しなければならない。
キーワードを絞るなら国際商品市況関連、M&A、ハイテクである。新年の有望株の発掘のヒントにしたい。