足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

バフェットの中国株の売却の理由

2007-11-07 18:28:54 | 株式

ウォーレン・バフェット(世界第2位の富豪)は大量投資していた中国の石油企業ペトロ・チャイナ株(PTR)を売却したが、それについてバフェットは10月下旬に「中国株投資は注意をしたほうがよい。われわれは株価が上がった時は絶対に買わない」と警告した。

今週の米バロンズ誌は「中国の空高く舞い上がった株価は説明がつかない」という記事を掲載した。バフェットが買ったペトロ・チャイナは今年の夏以来、2倍に上がった。

ウォール街で売買されているが、最近は石油相場の上昇にもかかわらず、$266の高値から$2220まで下落した。

米バロンズ誌はエクソン(XOM)PER13倍に対してペトロ・チャイナのPER20倍はどうみても説明がつかないとみる。

時価総額ではエクソンの4930億ドル(56兆円)に対して、ペトロ・チャイナは1兆ドル(114兆円)になった。発行株式数のうち政府が85%保有しているので、市場で取引されているのは15%である。この点でもいびつな株価形成がみられる。

中国国内の資金がはけ口がなく、株式市場に向かっている結果、グローバル・スタンダードで判断されて形成される昨今の世界の株価とは、まったく別の価値観で判断される。

バフェットの価値基準では明らかに行き過ぎとみる。

それに引き換えグローバル化のなかで、いびつな株価形成になっているのが東京市場である。

スイスのヘッジファンドのフェリックス・ズーロッフは「来年はユーロ・ドルから資金は日本に向かう」とみる。その資金は円だけではなく、取り残された株式市場にも向かうかどうか、2008年の日本株相場の鍵をにぎる。