足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

指標面では”陰の極”

2015-09-28 06:56:25 | 投資戦略
バロンズ誌に記事を寄稿しているマーク・ハルバート(Mark Hulbert)が先週末のNY株の動きをみて”投資家のセンチメントは15年ぶりの弱気のサイン”が出たと宣言した。
彼は金融・株式関連のニュースレターの見方を集約して、相場のテクニカル分析を行うユニークな存在。市場での専門家の相場観を集め分析し、そのデータをもとにして独自の投資戦略を出す。
彼が開発したナスダック関連ニュースレター指数によると、市場は15年ぶりの弱気になった。現在の相場の位置は“陰の極”にあるとみる(ナスダック関連のニュースレターの見方を集合)。そのデータから逆張り手法では「買い場」が到来したと判断した。

個人投資家やヘッジファンドの売買比率の高いナスダック指数は市場のセンチメントの分析には格好の指標的な存在である。テンバーガー(10倍になる株)どころか、50倍~100倍になる銘柄はナスダック市場から生まれてきた。最近の好例ではヘルスケア関連のバイオ株である。米国産業界の技術革新の宝庫である。
ちょうど1年前も9~10月にかけて彼のセンチメント指数が急速に低下し、「買い」のシグナルを出した。相場はその時点で底入れし、昨年10月~本年7月の上昇相場を示現した。
このときはニュースレターの集合知の応用が有効であった。
現在も8月の底に続いて9月の下落は2番底入れを形成中ともみられる。

中国問題が8月~9月相場下落のきっかけになったが、最近では米連銀FOMCの利上げ先送り決定もマイナスに受け止めた。皮肉な現象である。そこへ独フォルクスワーゲンの不祥事でヨーロッパ株が叩かれるという突発的な悪材料がでた。FOMCの決定をみて連銀が現在の米国景気を世間よりも厳しくみているという裏読みをする向きもふえた
マーク・ハルバーとの論理を東京市場に当てはめるなら、東京市場も“陰の極”が近いといえる。
ヘルスケア関連に注目を始めたい。