今回の株価の下落はNY株から始まった。
しかし年初来から先週までの下落率は日経平均-13.2%、NYダウ平均-7.3%。
ウォール街では指数が10%以上の下落率になると相場は調整局面いりというのが経験則になっている。本格的な下落相場は20%以上の下落である。
東京市場は一昨年秋に底入れしアベノミクス相場と世界中が注目したが、結局は東京市場には自律性がなく、NY株しだいという事実を今回の調整局面が露呈した。
相場の立ち直りにはNY株の人気が再び上昇トレンドに入ることが絶対条件である。
先週、最後の2日間でNYダウ平均は+354ドルも上昇した。注目の1月の雇用統計で新規雇用数が予想の数字を大きく下回ったのに、ウォール街は動揺しなかった。
年初来のNY株は典型的な調整局面で、一部の有力なテクニカル・アナリストは「底入れ」か、「底入れ近し」のサインが出たとした。
マイケル・ハートネット(B.A.メリルリンチ)のストラティジストは「1月に始まった調整局面は終局を迎えた。市場の強気筋が降伏のサインを出した」というレポートを出した。今回の下落局面は昨年5~6月と同じで強力な買いサインではないが、むしろエマージング市場の方が底入れの確率が高いとした。
またクリス・パプロバ(PFSグループの運用者)は「市場からの資金流失は2008年以来で、このような弱気人気は相場の典型的な底」とみている。
ウォール街ではこの種の見方が週末から急に出始めたことに注目したい。
東京市場も短期筋の投げが出てNY株の木曜日、金曜日のような強気サインは出なかったが、それは市場での機関投資家の力の差である。
ソフトバンク(9984)、アルプス(6770)、ローム(6963)に注目したい。