米バロンズ誌が恒例の新春座談会を10人の実践家を集めて行った。機関投資家、ヘッジファンド、ストラティジストで、海外からの参加者2人を含む。同誌ならではの豪華メンバーで世界最大の債券ファンドの経営者ビル・グロス、かつてグリーンスパン前連銀議長と並んで「世界で持つとも影響力をもつ」といわれたゴールドマン・サックスのアビー・コーヘン、ティーロー・ブライスの経営者ブライン・ロジャーズなどが参加。メンバーの顔ぶれには継続性があり、前年の推奨銘柄(ショートも含む)の採点表を掲載する。読者はその実績からそのアイディアを取り入れる化の参考になる。
昨年と本年の座談会の内容には大きな違いが出た。
2013年は「株式は有望、債券は問題、金は有望」というのがタイトルであったが、ことしは一転して見通しが分裂し「好調、不振、荒れ模様」というタイトルになった。見通しが大きく割れたからだ。根底には株式相場が2009年に底いれして足掛け5年もの上昇をしてきたからである。極端な弱気はリーママンショックの2の舞のシステミックリスクの発生の懸念を指摘する。
昨年の成果をみると推奨銘柄10社が全勝で+48~+15%の上昇率を上げ、うち7銘柄がダウ平均を上回ったのはマリオ・ギャベリ(ガムコ・インベスターズ)だ。過去のデータをみても平均的には群を抜く。
メアリー・ウイィツトマー(イーグル・キャピタル)は3銘柄の推奨で+48.7~+76.5%と、引き続きすごいい成果をだした。参加者のなかではもっとも優れた銘柄を推奨してきた。
ことしは相場観が割れただけに、個々の銘柄の勝負の年になりそうである。