NY株の続伸は10日間でストップした。
これといつた悪材料が出たわけではないが、市場では「調整は歓迎。これまで待機していた新しい投資家の参入に機会を与える」という見方も出る。市場のセンチメントには余裕が出てきた。
久しぶりにグリーンスパン議長がメディアに登場した。17年前の1996年に当時の株高に「理由なき熱狂相場」と発言してNY株の上昇に冷や水を浴びせ株価の暴落を呼んだ。NY株安が世界の相場にも大きな影響を与えた。今回は「株価はまだ割安」と現在の相場にコメントした。また2014年1月に任期切れするバーナンキ議長について、これまでの功績を評価し継投を期待した。
米国経済は回復トレンドにはいり企業にも余裕が出てきた。昨日は大手銀行の自社株買いや増配を政府が認め、バンク・オブ・アメリカ(BAC)やウェルズ・ファーゴ(WFC)などが株主優遇策を発表した。東京市場では先行きに好材料が山積する。
安倍首相が懸案のTPPへの加入への準備を決定したし、日銀の新首脳陣が金融緩和策の検討にはいる。自民党政権の積極的な行動力には信頼感が高まる。
不動産株の動きが強い。株価の動きをみていると循環的な回復というよりも、1980~1980年代の不動産ブームな初期を想起させる。不動産株の評価の視点を変えなければならない。
特に東京の湾岸地区での再開発が30年前とは異なり、静かなブームの兆しを感じさせる。
豊洲地区の再開発が後半にはいり三井不動産、三菱地所、住友不動産などが活躍、新しいタウンの創出が周辺地区に広がってきた。東雲、有明地区での開発に波及し、新副都心のお台場にもその動きが及ぶ。また晴海、月島地区でも大きなプロジェクトが進行中だ。
われわれの事務所は豊洲にあるがこの動きの中心地で毎日、実感できる。
不動産開発は東京だけでなく、いずれ関西、名古屋地区にも波及するという循環が始まる気配を感じる。歴史は繰り返す。アナリストに申し上げたいのはこの周辺を車でなく電気自転車で走ってみることである。3ヵ月ごとに変化がみらえる。
しばらく鳴りをひそめていた中堅の不動産開発関連にも人気が還流してきた。
昨日はパワビルダー大手の東栄住宅(8875)が2013年1月期の決算発表をした。好調な内容であった。