2日間にわたる米連銀のFOMCが始まった。
先にウォールストリート・ジャーナル紙に利下げの観測記事が掲載されたが、現在の市場ではこの見方でコンセンサスがまとまっていない。連銀内の高官が市場の反応をさぐるために上げた観測気球の類と冷めた見方をとる向きの方が多い。
CNNMoneyの調査によるとエコノミストの74%が「新しい緩和策は出ない。決定は9月12~13日のFOMCまで持ち越される。残り26%がQE3(第3次量的緩和)に踏み切るとみる」。
QE3では連銀が場からの買上げ証券に国債のほか住宅抵当証券も加える。
次回のFOMCは9月12~13日で、この間に月間の雇用統計の数字が2回発表される。その結果をみて景気がどれぐらい冷え込んでいるかを判断しても遅くないというのが慎重派の見方だ。
具体的な緩和策よりも差し当たりは実質金利ゼロを2014年までではなく、2015年まで引き延ばすというコメントを出すと慎重派はみる。
世界の株価の最大の懸念材料のユーロ圏であるが、2日のECB理事会では金利の下げのほか、量的な資金注入を決めるだろう。すでにドラギECB総裁が言明しただけにこちらの方の確度は高い。
以上のような見方が入り乱れているだけに、バーナンキ議長がQE3に踏み切った場合にはサプライズになり世界の株価は大きく動くだろう。米連銀FOMCの終了時刻は現地時間の午後2時15分で東京市場では今夜半である。
6~7月に東京市場で公開された日本エマージェンンシー(6063)、エニグモ(3665)、ワイヤレスゲート(9419)の人気に久しぶりに継続性が出てきた。いずれもユニークなビジネスモデルで時流に乗り成長性がある。目先の資金が雁行的にこれらの銘柄にはいる。
ウォール街で利用されている尺度のPSR(時価総額÷売上)でみると日本エマージェンシーが13.5倍、エニグモ6.4倍、ワイヤレスゲートが3.9倍である。後者2社には買い余地が残る。