前日のドイツのカラ売り規制をいや気してヨーロッパ株が続落し、NY株をはじめ世界の株価が下落した。ただユーロ・ドルは米ドルに対して反発した。
スイス中央銀行のユーロ買いに反応した感じである。
カラ売り規制は2008年9月の米国でのリーマンショックの連想が働いた。当局が目指したのは米国でのこの種の規制が効果をあげてNY株が大きく反騰する下地をつくったことだ。しかし、その前に株価が暴落したことの方を市場は注目した。
日本でも2000年前半にこの種の規制を実行したが、発表当時はおおむね市場の反応はよくなかった。しかし時間が経てば効果が認められた。
「それほどまで市場の実態が悪いのか?」
「自由市場の価格形成をゆがめる」
差し当たり、このような見方を動きの速いトレダーが利用した。
このままヨーロッパ株が下落を続けるなら、今週末には再び欧米の政策当局が新しい対策検討に入りそうである。市場の波乱期には必ず日曜日に材料が出る。
東京市場でもこれまで相場の足を引っ張ってきたソニー、任天堂、エルピーダメモリなどが昨日は大幅な反発をした。ショート筋の買い戻しと、値ごろ感からの押し目買いである。
ウォール街では四半期ベースの4月決算企業が決算を発表している。先のヒューレット・パッカードに次いで、小売株が好決算を出している。ファンダメンタルにはミクロ面で好調が続く。