足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

再びMMFへ資金が移行

2010-05-17 07:10:41 | 株式

ウォール街では資金が再び安全資産の方に逆流を始めた。

2008年のリーマンショック以来、投資家が資金を株から債券のMMF(マネー・マーケット・ファンド)に移行していたが、今年の3~4月には重たい腰を上げ株式投信へ資金の還流を始めていた。

20093月以来、株価が80%も上昇し企業業績の好調にようやく、痺れを切らして株式に関心が移った。

しかしギリシア問題が投資家の出鼻をくじき、再びMMFの方に資金が向いている。

米国の投資家は日本の投資家に比べてはるかにヨーロッパの動きには敏感である。

「ヨーロッパからの輸出入が大きく、米国への影響度も高い」と、ユーロ圏の動きには敏感である。

いま一つ金相場が史上最高値をつけたように、金市場への関心が一段と高まった。2008年の金融市場の波乱で大きな利益をあげてきたヘッジファンドのジョン・ポールソンは昨年後半から金の投資比率を上げてきたが、今回も金相場の上昇で投資戦略がズバリ当たった。

今回のギリシア問題に株価が大きくは反応し、今月初めにはNYダウが1日に1,000ドル近くも下落するという市場心理は、現在の相場の環境を端的に示している。

相場の過熱である。NYダウは過去14週間のうち、11週間も3ケタ台の上昇を示してきた。それだけに「いつ調整が起こっても当然」であった。

いま一つ昨年3月以来の上昇相場の習性が今回も作用した。「決算発表を売る」という習性である。昨年4月を除いては同7月、10月、そして今年1月と相場は決算前後には下落した。この相場のリズムが今回も働いた。

引き続き世界の投資家の目はユーロ圏に集中する。