ウォール街では弱気が増えてきている。
グリーンスパン前連銀議長が「株価の下落は資産価格への影響だけでなく、景気の回復にも悪影響を与える」とTVで語った。
市場では弱気のムードを示す数字に関心を持つ。これまでの相場の回復をけん引してきたのはハイテク株で、昨年はS&P500のうち株価は+60%と最大の上昇率を記録した。ハイテクを象徴するのが半導体であるが、半導体関連の銘柄のETFであるSemiconductor Holders Trustのプット・オプション(売る権利)の1月末の残高が6年ぶりの高水準になり、ハイテクへの市場の弱気が急増していることを示している。プロの投資家が相場のさらなる下落に賭けている。
また1月27日末の週間でのグローバル・ファンドからの資金流出が90億ドルと記録的な数字になり、先週も9億8000万ドルの資金流失になった。
NYダウ平均は4週間連続の下落になり、昨年7月以来の記録である。昨日は心理的なフシ目である1万ドルの大台を割れた。弱気筋が勢いづく。
このような市場の動きをみて米バロンンズ誌の新年座談会の常連メンバーである有名な運用者マリオ・ギャベリは「記録的な企業業績の回復と投信からの大量の資金流失の組み合わせは、絶好の投資チャンスだ」という。これまで数々のM&Aの株式投資で成功してきた実績の持ち主だけに、その見方には注目したい。
悪気流のなかで昨日のウォール街ではデル、ヒューレット・パッカード、インテルのPC株関連が逆行高をした。