杜甫、という詩人をご存知でしょうか。
唐代、西暦700年代を生きた詩人は、ようやく得た官職を安禄山の乱(ac755~763)により失ったのち幽閉、下級官吏だったため都を追われています。
この長い戦乱の最中に「春望」という詩を書いています。
「国破れて山河有り」に始まる五言律詩、中学校で習う有名な詩です。
その杜甫が41歳の頃、官職につけずに長安で暮らしていた頃に読んだと言われる詩があります。
「貧交行(ひんこうこう)」
翻手作雲覆手雨 (手を翻せば雲と作(な)り手を覆せば雨となる)
粉粉軽薄何須数 (粉粉たる軽薄何ぞ数うるを須(もち)いん)
君不見管鮑貧時交 (君見ずや管鮑貧時の交わり)
此道今人捨如土 (此の道今人捨てて土の如し)
語弊を恐れずに意味を訳してみると・・・
『今の世はすぐに手のひらを返すほど人情がない。
有り余る軽薄な人々を数えてられようか。
君よ見よ、貧しき時の管仲と鮑叔の友情を。
何故今の人はこの道を土のように捨ててしまったのか。』
というところでしょうか。
漢詩に親しむ素養はありませんが、この数年は書道に没頭する時間を月に数日、持つようになりました。
手元の少ない資料を眺めていて、昨今の状況をも憂うようにも思えたので紹介しました。
世知辛いばかりの政治、世相は、政治家ばかりの責任ではありません。
僕らが誰を選ぶか、それ以前に、選ぶ作業を行うか、ということに尽きます。
行きましょう、投票。活かしましょう、1票。
(たむらまさかず)
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