12月23日の「まつだ」さんの記事に、「夫婦そろって育児休業が取れるようになる」との話が記載されていましたので、詳細についてあらためてお知らせいたします。
今年6月24日に、民間育児・介護休業法の改正法案が参議院で可決され、成立しています。この改正法の成立は、これまで連合に結集して取り組んできた大きな成果として確認できるものです。
今回の改正内容については、①子育て中の短時間勤務制度及び所定外労働(残業)の免除の義務化、②子の看護休暇制度の拡充、③父親の育児休業の取得促進、などが柱となっており、一部を除き来年6月に施行予定となっています。(詳細、動画)
この民間の改正に合わせる形で、公務においても、人事院規則の改正等、必要な措置が図られることとなります。
夫婦そろって育児休業が取れるようになるという話は、これまでは、労使協定を定めることによって、配偶者が専業主婦(夫)や育児休業中である場合等の労働者からの育児休業申出を拒めるような制度になっていた点について、今回の改正によりこの制度が廃止され、専業主婦(夫)家庭の夫(妻)を含め、すべての労働者が育児休業を取得できるようになることを指していると思われます。
実は、あまり知られていませんが(当局からは説明もないと思いますが)いまでも男性職員は妻の産前・産後期間中(第1子の場合は産後8週間、第2子の場合は産前6週間と産後8週間)は、妻の就業状況にかかわりなく、育児休業、育児短時間勤務、育児時間の取得が可能となっています。(具体例はこちら)
今回の改正により、公務においても、産後8週間に育児休業を取得した場合は、その後に再度、育児休業を取得できるようになります。
あくまで私個人の意見ですが、男性の育児休業取得を促進するには、まずは配偶者出産休暇(2日)と育児参加休暇(5日)の取得率を100%にすることで男性が育児に継続的に参加するきっかけをつくり、次に先ほど書いた産前・産後の両立支援制度の活用を促進するといったステップが必要だと思います。
今年度末をもって「特定事業主行動計画」と「取組指針」が見直されることになりますので、数値目標の設定も含めたより実効性のある見直しを行わせることが当面の課題といえます。(Nagano)
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しかし、依然として、男性の育児休業取得や家庭での役割増加は、道半ばの状況といえます。
以前にもコメントしましたが、各自の意識改革(特に日本の文化として、ジェンダーバイアスとの誤解を恐れず言えば、外(仕事)=男、内(家庭)=女という、方程式がDNAにあるような思いさえします)が必要ですし、何よりも職場の上司や周囲の理解も必要になります。
ハード面の制度の整備が進む中、ソフト面である各位の意識改革と安心して休業できるための職場の雰囲気づくりが重要だと思います。
そのため、特定事業主行動計画などの数値目標を含めて、実効ある見直しの実施とその検証は重要ですね。
地域・職場からこうした観点で、是非、ワーク・ライフ・バランスを含めて議論していただきたいと思います。
一方、未婚率も上がっており、こういった状況を考えると、男女問わず10~15年後には親の介護に直面する可能性が高いと考えられます。
つまり、いまは育児のための休業の問題が中心となっていますが、将来的には間違いなく、親の介護のために職場を休まざるを得ない職員(特に男性)が増加する懸念が想定されるわけです。
そういった将来的な状況を見越せば、両立支援制度制度の活用だけでは対応できず、そもそもワーク・ライフ・バランスの可能な職場環境(超過勤務を前提とした働き方の見直し等)こそを目指さなければならないと思っています。
一方で、多様な働き方に対応した職域開発なども必要となります。
いまのうちから将来を見据えた対応が必要だと思うのですが…。