中央本部溝口です。
ジェンダー研究の先駆者、上野千鶴子先生の東大入学式における祝辞が巷でバズっているそうだが、さすが上野千鶴子先生、いつも適度にエッジが効いていて、エッジが効いているからこそ刺さるものがある。
東大入学式の祝辞では序盤で愉快なお話も織り交ぜつつ、終盤では、こんなことを言っている。
『あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。
あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です。』(東大HPより引用)
目下、既に機関紙「全財務」の末のコラム「起翔転結」の草稿が溜まりに溜まって6/1分までおおむね仕上がっているところであるが、
「がんばろうにもがんばれないひと」→溝口、「がんばりすぎて(?)心と体をこわしたひと」→溝口の行きつく先を暗示(5/15掲載予定)
「女性学を生んだのはフェミニズムという女性運動ですが、フェミニズムはけっして女も男のようにふるまいたいとか、弱者が強者になりたいという思想ではありません。フェミニズムは弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想です。」→5/15、6/1号両方に通ずる基本的な考え方と合致
こんな内容でお届けすることを予定していたところだったので、ちょうど時宜を得ていて、上野千鶴子先生の祝辞が刺さりに刺さった。
なんならジェンダーという労組にも関係するテーマで、いずれ全財務の集会で講演してもらいたいぐらいであるが、講演料とてつもなく高いんだろうな。。。
わたくしも、全財務労働組合ならびに財務局の職員との連帯の下、「自分が勝ち抜くため」ではなく、「他者と共に生きていく」ために(やや貧弱な)全精力を注いでまいりたい。