年金受給者の日々へ 悪戦苦闘の記録から

自分のXデーに向かってまっすぐに走る日々
   年金受給前の悪戦苦闘の日々より

あたふたと

2011-08-18 00:00:00 | Weblog
 Sさんが久し振りにやって来た。目の前の長椅子に座って私を待っていてくれる。でも、Sさんの前に二人が待っていられるので、ともすれば1時間は待って頂くことになるかもしれないと思うと、気が重くなる。今相談しているのは16歳の少年である。優秀な頭を感じさせる受け答えをしながら、ついつい聞いてはいけないことまで踏み込んでいきそうで、注意を払いながらA少年が仕事をすることについて、訊ねた。私立の中高一貫校にいたけれど、訳あり高校には進学せず、そこをやめ、働きながら高校に行く道を選択した。少年の真っ直ぐに私を見る目にいじらしさを感じる。もしかして、ごくごく普通の平凡な家庭環境が彼にあれば、今ごろ難関大学を目指して高校生活を送っているんだろう・・などと想像した。でも彼の家庭環境がそれをさせなかったし、本人も取あえずの高卒資格を取るために、今を送っている、ように映った。午後12時を回ったところで突然、スミマセン・・夏休み中の小学生の弟の昼ご飯を作りに自宅に帰りますので、又午後1時過ぎに来ます、と言って席を立った。保護観察所から依頼を受けている少年である。次に60歳前のご婦人がやって来られた。洋服の販売の仕事がしたいという。いくつかの求人票を検索し、選択した事業所に面接に行くことにする。家から通勤時間20分以内のところでないとイヤ、社会保険が完備していないところはダメ、勤務時間の夜遅いところはイヤ、ブランド名は何でも良いが、マイナーなブランドはイヤ、などと欲望の限りを話している。現在の市場の状況を納得するのに時間がかかりそう・・・
 やっとイライラ顔になったSさんがやって来た。久し振りだけど、どうした・・・とお聞きすると、入院をしていたと返事が返ってきた。続けて、どうした?と聞くと、自殺未遂です、昨日退院したばかりです、伏目がちに小さな声で、死にきれなかった、と聞こえてきた・・・私がSさんに紹介状を持たせて面接に行ってもらった会社は3社である。3社とも不採用となっている。数ヶ月前に刑務所から出てこられたときには、目をギラギラさせながら、早く就職して許婚と秋には式を挙げるんだと張り切っていたけれど。昨晩は許婚から思いっきり泣かれた・・・と私に話した。私は、何も言葉を返すことが出来ず、黙って聞くばかり。取あえずの次の相談日時の約束をして別れた。

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