YS Journal アメリカからの雑感

政治、経済、手当たり次第、そしてゴルフ

ルポ貧困大国アメリカ II:堤 未果

2010-03-15 11:16:28 | 書評
先週、シカゴに出張したおり三省堂書店で『ルポ貧困大国アメリカII』を購入。実は『ルポ貧困大国アメリカ』、と間違って購入という間抜けぶりだ。(帯で、II が隠れていた)オリジナルの方はベストセラーなので、あちこちで目にしていたので気になっていた。時間がなかったので購入を決意。ちょいと見で内容が随分新しいとは思ったが、急いでたのでやってしまった。それはそれでありだろう。このIIも結構売れているようだ。

読後の第一印象は、全く同じ手法で『ルポそれでも経済大国アメリカ』を書けるのではないかという事だ。つまり、内容的には良くまとまっており、取材もしっかりされているが、バランスが悪いのである。(タイトル自体が、貧困大国なので当たり前ではあるが)

学生ローン、年金崩壊、医療保険問題、受刑者問題と個人レベルでの貧困問題に付いて良く調べてある。上手く書いてもあるので、短時間で読める。でも、それだけだ。

取材期間が、オバマ大統領就任から、結局何も変わらなかった昨年暮れまでなので、政治への虚無感を強く滲ませている。(なかなかオバマ大統領が悪いとは書けないようだ)

堤 未果は、アメリカでジャーナリズムを勉強のの影響か、この本も翻訳本かと思える様な書きぶりでした。(まさか、個人へのインタビューがどこかのからの引用では無いと思うが)

あとがきの最後に妙な希望を述べて終わっているのが、ジャーナリストから活動家への兆しと思うのは、考え過ぎか?

読む価値については微妙。結構すいすい読めるので、立ち読み45分で如何でしょうか。

やっぱり、オリジナルの方も読んでみたいと思わせる一冊であった。

日本の税抜き定価の720円、シカゴ三省堂書店で $11.88 ($10.80+Tax(10%) $1.08)。

Minoru Yamasaki

2010-03-15 00:12:35 | 雑記
Minoru Yamasaki は有名な建築家であり、デトロイト郊外のトロイ市に事務所を持っていたのだが、ニューヨークの世界貿易センターがテロで倒壊するまで、全く知らなかった。

彼こそが、世界貿易センターを設計したのである。但し,1986年に没しているので倒壊を知る由もなく、事務所も昨年倒産している。

今日の DFP記事 に、保管されている設計図や模型などが、取り敢えず廃棄を免れた事が載っていた。廃棄を免れたものには世界貿易センターの資料も含まれていた。銀行等の設計図が流失すると犯罪の恐れがあるので、倒産を機に廃棄処分が決定していたようである。一時的に州に保管されるようであるが、最終的にどのような形になるのかは未だ決定していない。

彼が活躍した時代の建築物が、再開発の為に取り壊しになったりしており、建築史研究の意義からも、資料、写真、設計図、模型等の保存の手段が必要になってきているようだ。

20世紀後半から加速度的に増えていると思われる物理的な歴史的物体を、今後どのように保存するのか、難しい問題だと思う。ビルの様な巨大な建築物は取り壊して設計図を残したりする事で解決しそうである。アメリカは土地が広い事もあり、空母も繋ぎっぱなし、ロケットは転がしたままと贅沢な事をしているが、これもそのうち限界がくるだろう。

個人でも同じ事が起きており,うちの地下室も段ボールの数が不気味に増えてきている。しかし、素振り出来るスペースは死守する覚悟である。