「中国で大規模移民ブーム 富豪企業家では27%が移民済み」だという。この現象は前からあったが、最近は甚だしい傾向だといわれている。中国から金持ちがお金を持って出て行ってしまったら残るのは何か。共産党幹部と貧乏人たちだ。一党独裁の中、中国が取った開放政策が行き詰ってしまった。今の体制ではこの行き詰まりは解消できない。共産党一党独裁政権の限界が来ている。小平が打ち立てた開放路線は、あの時にはうまくいっていたが、時代が変わった、というよりも共産党が権力を強く持ちすぎたからである。
一部の企業家と共産党幹部が連携して市場経済を取り入れたが、金儲けをした企業家は自国では自分の命と財産の保証がないことが解っている。従って、自国に止まっていれば何時かは自分のところに不幸が舞い込んでくるはずだ。そんな読みをした企業家は、自国を捨てて外国へ逃避してしまった。勿論財産も持ち逃げしたことになる。中国に残っているのは共産党幹部と貧乏人だけになり、果たしてこの国が成り立っていくかどうかである。
中国は個人財産の保証は一切ない。しあtがって、今のままでは金儲けした人たちは財産を海外へ持ち出し、そして自らも海外へ逃避することである。「移民」と言えば綺麗に聞こえるが実際は逃避なのである。国を捨てていく姿は、その昔ベトナムでもあった。政府要人たちがスイスの銀行へ隠し預金をして海外逃亡をしていったのである。今の中国は全くその時と同じ状態だ。今の一党独裁体制は、政府要人にとっては宝物の中にいる状態ではあるが、その宝物は、何時唯の葉っぱに化けるかもしれないのだ。狐につままれて持っているお金はすべて木の葉っぱかもしれない。しかし、海外へ逃避できない人もいる。それは貧乏人である。3重構造の社会の中で最下層の人民は、何時まで経っても、どんな政権が出来たとしても最下層を抜け出せないでいる。最下層の人民が中間層に登れる日は何時来るのか。恐らく政権が代わっても永久に来ないであろう。
海外へ逃避した人たちはどのように生活をしていくのか。彼らには、お金がある。地位や人格を捨てても最低レベルの生活はできる。外国では、法治国家である以上、人権は保障され、自由な生活を営むことが出来る。自国からは恨まれるかもしれないが、彼らは、そんなことを承知で逃避したのである。自国へ帰ることは殆ど考えていないのではないか。数億円、数十億円のお金を持ち出したお金持ちたちは、海外で悠々自適の生活をすることが出来れば、全てを捨てても構わないと思っていると思う。
一方、中国は貧困層をどのように救済するか、などということは考えない。今の政府は、自分たちが一定レベルの生活が出来れば、権力を保持したままでいられるからだ。共産党政権が出来る前の状況に戻ることになるだろう。一体、共産党革命とは何だったのだろうか。毛沢東、周恩来たちが唱えていた共産革命はどこに消えていくのか。この国が5000年の歴史を持っているというが、何時まで経っても元の木阿弥に戻ってしまう。不思議な国だ。これも中華民族の国民性だろう。