カクレマショウ

やっぴBLOG

一歩先行く高校生

2011-11-30 | └キャリア教育

朝日で連載している「いま子どもたちは」というシリーズ、今のテーマは「私、農水ギャル」。

 

農業高校とか水産高校で学ぶ女子を紹介しているのですが、なんか、いつもすごいなあと感心して読んでいます。時には、ぐぐっとこみあげちゃったりする時も。学校で飼っている乳用牛、たまたま自分の出席番号と同じ「8番」を割り振られて、「ベベ」と名付けて世話をしていた。出産にも初めて立ち会った。なのに、べべは「淘汰」になってしまう。病気になって乳を出せなくなってしまった乳用牛は「淘汰」されるしか道はない。乳用牛は「経済動物」なのであきらめるしかないのです。

 

でも、その女の子、大塚さんは、べべが淘汰されると帰り道に聞いて、涙が止まらなくなる。学校に戻って、牛舎に行ってみるが、途中で引き返してべべに会わずに別れた。家に帰って、母に話すと、「ありがとうって思いなさい」と言われてまた涙が出てきた…。

 

大塚さんのお母さん! いい言葉ですね。「ありがとうって思いなさい」。娘がべべからいろんなことを学んだことをお母さんはよく知っているのですね。

 

そんな体験を1年生の時にした大塚さんも、今、3年生になって、酪農の道を本気で考えている。

 

このテーマに登場する女の子たちは、もちろん、「イマドキ」の高校生でもある。だけど、農業や酪農や漁業が好きで、そういう専門高校を選んで、普通高校では決してできない体験をしています。大塚さんのように、将来も高校で学んだことをきちんと行かせる仕事をしたいと考えている子も多いでしょう。そういう意味では、農業高校や水産高校で学ぶ子は、一歩先を歩く高校生という感じもしています。少なくとも、将来の目的意識も漠然としたまま、とりえず「入れる大学」に進学できればいいと考えている高校生よりは。どっちがいい悪いということではなくて、専門高校の高校生が、自分が学んでいることが楽しくて、将来につながっていると思って学んでいることは確かでしょう。

 

これまでこの場で何度か紹介したこともありますが、青森県内でも、農業高校や水産高校の取組はものすごく活発です。柏木農業高校の「きょうしつ野菜」、名久井農業高校の「白いリンゴ」づくり、三本木農業高校の商品開発プロジェクト、最近では、五所川原農林高校が「五農農業会社」を立ち上げたというのも面白い。これについては、『脱サラ農業で年商110億円!』の著者、青森市出身の鈴木誠さん(株式会社ナチュラルアート社長)が、最近のブログで絶賛しています。

 

もちろん、こうした取組は、先生方が引っ張っていっている部分も多分にあると思うのですが、それでも、高校生たちが一生懸命何かに打ち込んでいる姿、それも、決して「イマドキ」ではないことにひたむきになっている姿は、ただそれだけで心を打つ。

 

鈴木さんの言葉じゃないけど、第一次産業は、いつか「イマドキ」の産業になるかもしれません。その時、今の高校生たちが、リーダーとして輝いてくれることを祈りたい。

 


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2 コメント

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Unknown (おこあん)
2011-12-01 21:25:44
第一次産業がイマドキ産業に…
可能性おおいにありますね!第二次第三次よりもはるかに開拓の余地がありそうです。若いエネルギーと感覚でイケてる産業になり得そう。

若いエネルギーといえば、先日コバケンとその仲間達オーケストラを鑑賞しました。ステージ上のプロの方含め大人達の演奏はもちろん素敵でしたが、一緒に参加した高校生達の演奏もまた素敵でした。若々しさがそのまま音になるっていうんでしょうか、うまく言えませんが魅力的でした。元気になりました。
あ、もちろん趣旨である障害者(障がい者?)支援についても思うところがありましたが、話題が脱線しすぎるのでやめときます。
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Unknown (やっぴ)
2011-12-05 00:15:28
特に青森県の場合は、農業や水産業が生命線とも言えるので、若い力と発想の転換に期待したいし、そういう力を発揮できる体制を作らなければならないと思います。

どんなステージに立っても、高校生の「一所懸命」とか「ひたすら」のオーラは輝いていますよね!
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