昨日。
用事を済ませ、午後の弘前行きの列車に乗り込む。弘前の友人N氏とともに、「吉田拓郎&かぐや姫 in つま恋」のテレビ放映を観るために…。
途中でおみやげに買った焼酎をぶら下げて、会場であるNさんの友人Tさん宅に着くと、ちょうど第1部が終了して休憩中の部分でした。T氏夫妻は初対面でしたが、どちらももちろん拓郎やかぐや姫世代。第1部は拓郎のパートだったので、観られなかった私のために曲目をメモしておいてくれました。曲名を見ると、「ペニーレインでバーボン」やら「ひらひら」やら「ともだち」やら「知識」、そして締めは「イメージの詩」。懐かしい曲が多く、観られなかった悔しさを胸に秘めつつも、さっそくビールで乾杯し、とりあえず第2部のかぐや姫のステージを観ることにしました。
しかし、少なくとも私とNさんの今日の目的はあくまでも拓郎。かぐや姫の歌はほとんどBGMと化し、話題はもっぱら第1部の拓郎のステージの様子をふりかえることになっていきます。まず、1曲目が何だったか、というクイズ?から始まり(正解は「旧友再会フォーエバーヤング」。なるほどね。)、拓郎が最初「青い顔」で登場し、とても緊張していたこと、朝まではとてもやれないとしつこく言っていたこと、客席が見事におじさんおばさんだらけなこと、行ったこともないくせに昔のつま恋(1975年)と比べてステージが豪華になっているという話などなど。
その間、Tさんが何やらパソコンでごそごそやってるなと思ったら、1枚の紙がプリントアウトされてきました。見ると、拓郎の演奏曲予想ビンゴではありませんか! 私の見られなかった第1部の曲目が「参考」として下の方に並べてあります。これ以外で16曲をそれぞれ記入するのです。ちなみに、自他共に認める拓郎フリークの私とNさんにはハンデが課せられていました。それが、Nさんに1マスのハンデなのに対し、私には2マスのハンデなのです。たぶん、この差は第1部に間に合わなかった罰だと思われます。
それにしても、思いがけないこの企画、うれしい!
さっそくペンを取ります。4~5曲はすぐに出てきました。「春だったね」、「落陽」、「今日までそして明日から」、「外は白い雪の夜」…。これらはまちがいなく歌ってくれるはずだ…。「落陽」やらなきゃみんな納得しないだろうし…、いや、もしかして「外白」は今日はナシかな…?とか、えんえんと頭を悩ませる。テレビに流れるかぐや姫のステージはもう完全にどっかに行ってしまっています。
そうこうしているうちに、問題の4時になりました。なんと! NHKはハイビジョンchでさえ大相撲中継を欠かすことはできないらしく、6時まで生中継は中断なのです。まったく、どういうことだ。大相撲とどっちが大事なんだ! もう受信料払わないぞ!…とひとしきりお決まりの文句を言ったあと、大相撲をハイビジョンで見ても仕方がないということで、テレビを消して、会場を庭に移してバーベキューをすることになりました。その準備の間、N氏がT氏のギターを抱えて爪弾き始める。私も久しぶりにコードを押さえてみましたが、ほとんど忘れています。それにしてもYAMAHAのギター、いい音でした。
バーベキューにはご近所に住む外国人の方もしばし仲間入りしつつ、ビールをあおっているうちにとっぷり日も暮れ、いつのまにか6時です。さて、いよいよ拓郎のステージが!と期待に胸を躍らせながらテレビの前に戻ったのですが、中断中に拓郎がかまやつひろしとともにジョイントしたらしく、ステージには再びかぐや姫が…。南こうせつも変わらないよな~などと話しつつ、懐かしい歌に口を合わせて歌ったりはするものの、かぐや姫のステージはなかなか終わらないのです…。
アルコールはビールから焼酎、日本酒に変わり、こっちは大いに盛り上がっているのに、肝心の主役が登場しないもどかしさ。かぐや姫には大変申し訳ないのですが、とにかく早く拓郎に出てきてほしい一心でした。特に私ときたら、まだ一度も拓郎の姿を拝んでいないのですから…。
だから、拓郎が登場してきた時は、思わず大歓声をあげていました。
まるで還暦とは思えない格好良さ。昔と変わらずマイクに向かって歌う姿は完全に私を虜にしてしまいました。「ああ青春」に始まり、「虹の魚」、「この指とまれ」、「ビートルズが教えてくれた」…。一緒に歌わずにはいられません。MCではやっぱりまだ緊張しているようすでした。数万人の大観衆を目の前に歌うのは彼自身、何十年ぶりかのことですから緊張しない方がおかしいのかもしれません。拓郎の実はものすごくデリケートな部分を垣間見たような気もしました。
5曲目は「言葉」。思わずその場に倒れ込む私…。ビンゴで迷った末に入れた曲だからというだけでなく、これはぜひ聴きたい曲だったからです。拓郎の最高のラブソングだと思います。そして、「サマータイムブルース」。これはコンサートでも何度も聴いていますが、一緒に声を張り上げて歌うととても楽しい曲なのです。
中断中に、Nさんがギターを弾きながら何とはなしに「中島みゆき」の話をしていました。拓郎と仲がいいんだよといった話でした。偶然にも、次に拓郎が歌ったのは、その中島みゆきが拓郎のために書いた曲「永遠の嘘をついてくれ」だったのです。それだけならまだしも、そのあと、今日最大のサプライズが待っていました。なんと、中島みゆき自身が登場してきたのです! おだやかに笑みをたたえながら、この悲しい歌を力強く歌う彼女を茫然と口をあけて見ていると、後光が見えました。この時だけは、「負けた…」と思ってしまいました。完全に中島みゆきは拓郎のステージを乗っ取っていました。たった1曲、しかも後半は拓郎とのデュエットでありながら、あの圧倒的な存在感はいったい何なのでしょうか。私が「中島みゆき」よ。そんな雰囲気を残しながら、中島みゆきは歌が終わると風のようにステージから去っていきました。
しかし、拓郎はやはり拓郎でした。
「外は白い雪の夜」を歌い始めた途端、つま恋は再び拓郎のもとに帰っていきました。そのあと、「春だったね」 、「落陽」と、「定番」で盛り上げてくれて、そして、拓郎もまた風のように消えていきました。
「カリスマ」って、余韻を残せる人のことを言うんだろうな、と今日はつくづく思いました。彼らは、たとえ目の前にいなくても、いつまでも残像を残せるのです。
今日見られなかった第1部と、中断中のステージは、NHKが10月に総集編を放映してくれるそうなので、そちらを楽しみにしたいと思います。
あのつま恋の観客席にいれば、もちろん一体感や臨場感は感じられたでしょう。でも、こうして気の置けない友人と勝手な話をしながらテレビで生中継を観るのもまた楽しい。ビンゴもあったし…。あ、そういえばビンゴは結局一人もビンゴを達成することなく、リーチ止まりで終了してしまいました。それでも本当におもしろかった。イントロが始まり、曲名がテロップされるたびに大盛り上がりでした。
用事を済ませ、午後の弘前行きの列車に乗り込む。弘前の友人N氏とともに、「吉田拓郎&かぐや姫 in つま恋」のテレビ放映を観るために…。
途中でおみやげに買った焼酎をぶら下げて、会場であるNさんの友人Tさん宅に着くと、ちょうど第1部が終了して休憩中の部分でした。T氏夫妻は初対面でしたが、どちらももちろん拓郎やかぐや姫世代。第1部は拓郎のパートだったので、観られなかった私のために曲目をメモしておいてくれました。曲名を見ると、「ペニーレインでバーボン」やら「ひらひら」やら「ともだち」やら「知識」、そして締めは「イメージの詩」。懐かしい曲が多く、観られなかった悔しさを胸に秘めつつも、さっそくビールで乾杯し、とりあえず第2部のかぐや姫のステージを観ることにしました。
しかし、少なくとも私とNさんの今日の目的はあくまでも拓郎。かぐや姫の歌はほとんどBGMと化し、話題はもっぱら第1部の拓郎のステージの様子をふりかえることになっていきます。まず、1曲目が何だったか、というクイズ?から始まり(正解は「旧友再会フォーエバーヤング」。なるほどね。)、拓郎が最初「青い顔」で登場し、とても緊張していたこと、朝まではとてもやれないとしつこく言っていたこと、客席が見事におじさんおばさんだらけなこと、行ったこともないくせに昔のつま恋(1975年)と比べてステージが豪華になっているという話などなど。
その間、Tさんが何やらパソコンでごそごそやってるなと思ったら、1枚の紙がプリントアウトされてきました。見ると、拓郎の演奏曲予想ビンゴではありませんか! 私の見られなかった第1部の曲目が「参考」として下の方に並べてあります。これ以外で16曲をそれぞれ記入するのです。ちなみに、自他共に認める拓郎フリークの私とNさんにはハンデが課せられていました。それが、Nさんに1マスのハンデなのに対し、私には2マスのハンデなのです。たぶん、この差は第1部に間に合わなかった罰だと思われます。
それにしても、思いがけないこの企画、うれしい!
さっそくペンを取ります。4~5曲はすぐに出てきました。「春だったね」、「落陽」、「今日までそして明日から」、「外は白い雪の夜」…。これらはまちがいなく歌ってくれるはずだ…。「落陽」やらなきゃみんな納得しないだろうし…、いや、もしかして「外白」は今日はナシかな…?とか、えんえんと頭を悩ませる。テレビに流れるかぐや姫のステージはもう完全にどっかに行ってしまっています。
そうこうしているうちに、問題の4時になりました。なんと! NHKはハイビジョンchでさえ大相撲中継を欠かすことはできないらしく、6時まで生中継は中断なのです。まったく、どういうことだ。大相撲とどっちが大事なんだ! もう受信料払わないぞ!…とひとしきりお決まりの文句を言ったあと、大相撲をハイビジョンで見ても仕方がないということで、テレビを消して、会場を庭に移してバーベキューをすることになりました。その準備の間、N氏がT氏のギターを抱えて爪弾き始める。私も久しぶりにコードを押さえてみましたが、ほとんど忘れています。それにしてもYAMAHAのギター、いい音でした。
バーベキューにはご近所に住む外国人の方もしばし仲間入りしつつ、ビールをあおっているうちにとっぷり日も暮れ、いつのまにか6時です。さて、いよいよ拓郎のステージが!と期待に胸を躍らせながらテレビの前に戻ったのですが、中断中に拓郎がかまやつひろしとともにジョイントしたらしく、ステージには再びかぐや姫が…。南こうせつも変わらないよな~などと話しつつ、懐かしい歌に口を合わせて歌ったりはするものの、かぐや姫のステージはなかなか終わらないのです…。
アルコールはビールから焼酎、日本酒に変わり、こっちは大いに盛り上がっているのに、肝心の主役が登場しないもどかしさ。かぐや姫には大変申し訳ないのですが、とにかく早く拓郎に出てきてほしい一心でした。特に私ときたら、まだ一度も拓郎の姿を拝んでいないのですから…。
だから、拓郎が登場してきた時は、思わず大歓声をあげていました。
まるで還暦とは思えない格好良さ。昔と変わらずマイクに向かって歌う姿は完全に私を虜にしてしまいました。「ああ青春」に始まり、「虹の魚」、「この指とまれ」、「ビートルズが教えてくれた」…。一緒に歌わずにはいられません。MCではやっぱりまだ緊張しているようすでした。数万人の大観衆を目の前に歌うのは彼自身、何十年ぶりかのことですから緊張しない方がおかしいのかもしれません。拓郎の実はものすごくデリケートな部分を垣間見たような気もしました。
5曲目は「言葉」。思わずその場に倒れ込む私…。ビンゴで迷った末に入れた曲だからというだけでなく、これはぜひ聴きたい曲だったからです。拓郎の最高のラブソングだと思います。そして、「サマータイムブルース」。これはコンサートでも何度も聴いていますが、一緒に声を張り上げて歌うととても楽しい曲なのです。
中断中に、Nさんがギターを弾きながら何とはなしに「中島みゆき」の話をしていました。拓郎と仲がいいんだよといった話でした。偶然にも、次に拓郎が歌ったのは、その中島みゆきが拓郎のために書いた曲「永遠の嘘をついてくれ」だったのです。それだけならまだしも、そのあと、今日最大のサプライズが待っていました。なんと、中島みゆき自身が登場してきたのです! おだやかに笑みをたたえながら、この悲しい歌を力強く歌う彼女を茫然と口をあけて見ていると、後光が見えました。この時だけは、「負けた…」と思ってしまいました。完全に中島みゆきは拓郎のステージを乗っ取っていました。たった1曲、しかも後半は拓郎とのデュエットでありながら、あの圧倒的な存在感はいったい何なのでしょうか。私が「中島みゆき」よ。そんな雰囲気を残しながら、中島みゆきは歌が終わると風のようにステージから去っていきました。
しかし、拓郎はやはり拓郎でした。
「外は白い雪の夜」を歌い始めた途端、つま恋は再び拓郎のもとに帰っていきました。そのあと、「春だったね」 、「落陽」と、「定番」で盛り上げてくれて、そして、拓郎もまた風のように消えていきました。
「カリスマ」って、余韻を残せる人のことを言うんだろうな、と今日はつくづく思いました。彼らは、たとえ目の前にいなくても、いつまでも残像を残せるのです。
今日見られなかった第1部と、中断中のステージは、NHKが10月に総集編を放映してくれるそうなので、そちらを楽しみにしたいと思います。
あのつま恋の観客席にいれば、もちろん一体感や臨場感は感じられたでしょう。でも、こうして気の置けない友人と勝手な話をしながらテレビで生中継を観るのもまた楽しい。ビンゴもあったし…。あ、そういえばビンゴは結局一人もビンゴを達成することなく、リーチ止まりで終了してしまいました。それでも本当におもしろかった。イントロが始まり、曲名がテロップされるたびに大盛り上がりでした。
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