
県の企画政策部が毎年作成している高校生のキャリアづくり応援マガジン「YELL(エール)」。
かつて、私が人づくり戦略チームという部署にいた時のこと。愛知県でキャリア教育コーディネート活動を展開しているNPO法人アスクネットを訪問した際、高校生が企画・作成しているという「Schan(エスチャン)」という冊子を見せてもらって、これだ!と思ったものでした。高校生が自ら社会人に取材をし、仕事や生き方について冊子を編集する。「YELL」は、「Schan」と同様の手法を取り入れて作成するようになったものです。
今年度発行された第5号では、県内11の高校から高校生が参加しています。学校のチームごとに、話を聞いてみたい人を選び、どんなことを聞くのか企画し、アポを取って職場に足を運んでインタビュー。その際、取材するのは、「会社」ではなくて、あくまで「人」なんですね。その人が、今の仕事に就くまでの経緯や努力の軌跡、今の仕事の魅力、これからの夢や目標など、高校生の立場から、その人自身の人間的な魅力までを引き出しているところがスゴイところ。というより、何か一つの仕事に打ち込んでいる大人って、その仕事の内容が何であれ、みんなどこかキラリと輝くものを持っているということがよく伝わってきます。私たち大人が読んでも勉強になります。
これまで取材した社会人の中には、県出身の「有名人」も何人か含まれています。「はやぶさ」の川口淳一郎さんや、先日TBSの「情熱大陸」デビューを果たした国立極地研究所の田邊優貴子さん、レスリングの元オリンピック銀メダリストで現在は高校で教鞭をとる伊調千春さん、映画監督の横浜聡子さん、ミュージシャンの坂本サトルさんなどが登場。「名を成す」ことがすべてではないけれど、こういう人たちはやっぱり「ひと味もふた味も違う」ということを、高校生たちが感じ取って、刺激を受けてもらえたらいいね。
高校生の学びは、教室や教科書だけではなく、地域や社会全体で行われるべきもの。そういう意味では、「YELL」の取材自体が絶好のキャリア教育の機会になっていますね。
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