カクレマショウ

やっぴBLOG

「モーニング娘。」の偽サイン事件と情報リテラシー

2004-11-23 | └社会教育
報道によると、大阪市内の中・高校生女子3人が、「モーニング娘。」の偽サイン入りブロマイドをネットオークションに出品して金をだまし取ったとして、詐欺容疑で書類送検されたとのこと。

だます方もだます方だが、だまされる大人の方もどうかと思います。そういう意味では、構図としては、「おれおれ詐欺」と似ていますね。「情報」をどう受け止めるかという点で。

まず「だました方」ですが、まず思ったのは、中・高校生がネットオークションに出品できるというシステムがおかしいということ。この国のインターネットに関するしくみは、子どもたちに甘すぎるのではないかと常々考えています。情報リテラシーの教育が満足に行われていないのに、「使うこと」の教育だけはさかんに行われています。学校教育だけではなく、社会教育でも家庭においてもです。

ま、そもそも、インターネットがどうのこうのという問題以前に、サインを偽造して売りつける行為が犯罪行為であるという認識がないことの方が問題なのかもしれません。しかし、そのような行為を可能にしてしまったのは、やはりインターネットという匿名性の高いメディアが存在したからでしょう。偽サインを作ったとしても、例えば学校や路上で「面と向かって」売りつけることは彼女たちにもさすがにできなかったのではないでしょうか。

「だまされた方」。ネットオークションは、商品自体を手に取ることができないということを前提とした売買の場ですから、「買った」ことについては完全に自己責任です。それがたとえ偽物であったとしても。出品されたときの情報から、「偽物かもしれない」ということを見抜けなかったわけですから。これはいくらリテラシーが身に付いていても無理なことなのかもしれません。そもそも情報に対するリテラシーがある人はネットオークションで買物はしないのかもしれません。

「おれおれ詐欺」の被害者の方は、身内に降りかかった災難に際して気が動転してしまったせいで、正しい情報を見抜けなかったということで、同情の念は禁じ得ないところですが、これもまた「電話」という顔が見えないメディアだからこそ可能な犯罪なのだと思います。面と向かってであれば、相手の表情から、おかしいなと思うところもあるはずです。

送り手の顔が見えない情報に対するリテラシー。大事なことですが、顔が見えない分、なかなかむずかしいことですね。

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