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TOKIO 2020

2013-09-11 | ■社会/政治
これまで誘致活動に携わってきた皆さんにとっては、涙が出るほどうれしい瞬間だったと思います。これまでの苦労が報われたことに対して、心から祝福します。

7年後のオリンピック開催が決まって良かったなあと思うのは、日本中の老若男女がこぞって「7年後には…」という会話をしている風景です。微笑ましいなあと思います。少なくとも、「未来」に目を向けて、しかも未来の具体的な自分の姿を想像したり希望を語ったりする機会を与えてくれたことに感謝しなければなりません。オリンピックって、子どもからお年寄りまで、まさに世代を超えて楽しめる大イベントなんだなあとつくづく思います。

ただ、一方では、今回の誘致成功に関しては、国民のすべてが手放しで喜んでいたわけではなく、むしろ「反対派」も多かったことも事実です。ま、誰かが書いてましたが、反対派の人たちも、いざオリンピックが始まると、熱狂しちゃったりするんでしょうけどね。

私自身は、手放しで喜べないほうに属します。前にこのブログで奥田英朗の「オリンピックの身代金」のレビューを書いた時にも触れていますが、そもそも、8年前に前東京都知事が「国威発揚」を掲げて誘致をぶち上げた時には、その時代錯誤的な発想にぶっとんだものでした。1964年とは明らかに日本が置かれた状況が異なるでしょうに。さらに、大震災が起こると、とってつけたように、「震災復興」を旗印にしようとした時には、「浅ましさ」さえ感じたものです。本来、平和なスポーツの祭典であるはずのオリンピックを、政治的・経済的に利用しようとする露骨さにはうんざりしました。もちろん、きれいごとだけでオリンピックを開けないことは十分承知ですが、あまりにも露骨すぎた。気持ち悪すぎた。

前回は敗戦からの復興、今回は大震災からの復興。東京に決定したことを伝えるロシアのテレビ局は、そんなふうに分かりやすく説明していました。でも、本当に震災からの復興を世界に見せようと思ったら、東京2020ではなく、「東北2020」でなければなりませんね。

今回、安倍首相の「汚染水は大丈夫、国が責任を持つ」発言にしても、それはあくまでも「東京」での状況であって、福島では現に人が住めない村が厳然として存在するではありませんか。遅々として進まない原発被災からの復興。被災地の方のインタビューの中に、「それどころではない」という趣旨の意見がありましたが、いまだに明日が見えない暮らしを強いられている人たちからすれば、当然の思いだと思います。

この国はやっぱり「東京」を中心に動いている国なんだなと改めて感じます。東京が中心ということは、それ以外の地方は周縁だということです。オリンピックに経済効果があるとしたら(実際あるのですが)、今は、その効果を東京ではなく、「地方」にこそ波及させなければならない時代ですよ。いつまでも「東京幻想」に酔っていては、日本はいずれ立ち行かなくなるのでは…とさえ思います。

しかし、とにもかくにも「東京2020」。決まった以上は、ちゃんと、誘致活動に「震災復興」を掲げたことを忘れずに準備してほしいと思います。(…って、完全に他人事ですね。)

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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無防備都市のお祭り (鈴木輝一)
2013-09-16 00:47:11
こちら馬路村大好き・スーさんです。
景気浮揚の誘導水として、都市改造のチャンスとして光と陰が生まれる。
新スタジアムに税金使うより、都内公立中学校の体育館を統廃合を進めつつ耐震・冷暖房完備にする方が優先ではないかと個人的に思う。先の世界大戦でも巨艦巨砲より山椒でもピリ辛の零戦が日本を守ってくれた。最悪事態の「東京直下型地震で原発メルトダウン、富士山噴火」に備えつつオリンピックを成功させて欲しい。千兆円超の借金、返せるのかも大心配。インフラの補修費にもお金がかかる。
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乾君と話せて楽しかった私(愚民) (スーさんボイス)
2016-09-14 16:26:25
ゴメンなさい。寂しかったんです。
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