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やっぴBLOG

苦労人で仕掛け人。「フロントランナー」フルキャスト・平野社長

2006-07-02 | └キャリア教育

昨日(2006年7月1日)付けの朝日新聞be on Saturday の「フロントランナー」はフルキャストの平野岳史社長。東北楽天ゴールデンイーグルスのホーム球場である県営宮城球場の命名権を3年6億円で買い取ったことで、この人材派遣会社の名前は一躍世間に知られるようになりました。


「8歳で父親と死別。幼い弟と母の3人、家も弁当も小遣いもよそと比べ惨めな暮らし。我慢に慣れ、悔しさをバネに思春期を越え、大学時代はアルバイトに明け暮れ」、「電話機1台で家庭教師を派遣する会社を3人で始めた」。バブルの追い風にも乗り、挫折も経験しながら、今や年商672億円という上場企業に。絵に描いたような成功物語です。


今、日本でいちばん勢いのある会社の一つが人材派遣会社かもしれません。かつては労働者を派遣して報酬を取ることは規制されていました。確かに、「ピンハネ」という悪いイメージもあります。しかし、今は「即戦力」を求める企業からの要請やフリーターの増大という社会現象もあり、人材を適材適所に派遣することは日本でもごく当たり前のことになっています。自分自身の職場でもこれまで何人かの派遣社員の方に会いましたが、いろんな仕事を経験してきているためか、仕事は早いし、よく気がつくし、何よりコミュニケーション能力に長けている方が多いなという印象です。もちろんそれぞれに「派遣」なりの苦労もあるのでしょうが、こういう働き方もあるんだなと思いました。


平野社長は、社内では「ピンハネと見られることを常に意識しよう」と言っているのだそうです。フルキャストでは、1人の派遣職員あたり、企業から1日「1万円強」をもらい、賃金は「7千円強」を支払うのだとか。「ピンハネ」3割というのは率としては相当高いのかもしれません。しかし会社の方も、正社員を雇用するよりメリットがあるから派遣会社を利用するのだろうし、派遣される人も「自分に合った仕事」を探せるというメリットがある。フルキャストのような派遣会社が流行っているのはそういう理由なのでしょう。


一方でフルキャストは、「グローイングスクール」というフリーターのための学校を開設し、フリーターに一歩踏み出してもらうための支援もしています。平野社長自身がそうだったように、起業のために「ちょっとした気づき」を得られるように後押しする。そんな「学校」が青森県にもあったらいい。起業で成功した人はみんな苦労しているわけですが、そんな苦労話だけでなく、彼らが必ずといっていいほど経験している「転機」をチャンスに変えるノウハウを伝授してほしい。


記事の中に、こんな一文がありました。“フリーターには、自分に自信を持てない人が少なからずいる。だが目を凝らすと、小さな職場にもかっこいい兄さんや頼りになる姉さんがいる。自分の居場所を見つけた人たちだ。/「人」それぞれに輝く場がある。しかしなかなかみつけられない。探す応援をするのが、私の仕事だ」”


 


 


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