先日発表されたGoogleの中国語での社名表記、「谷歌」(Gu Geグゥガ)。「谷」は「穀」の簡体字で、情報という収穫を得る喜びをイメージした造語らしい。イメージビデオも山水画を背景に使うなど、「中国っぽさ」を前面に出しています。
ところが、これが国内ではさんざんの評判らしく、名称変更を求める署名サイトまで立ち上がったとか。「あまりに伝統的でやぼったい」(朝日新聞2006年5月3日付)ということらしい。Googleは、中国進出に際して、中国政府が禁止するサイトを検索結果として表示しない旨を表明していますが、「谷歌」の発音が「国歌」に似ていることから、Googleの当局寄りの姿勢を批判する向きもあるようです。
日本ではGoogleは「グーグル」と発音に近いカタカナ表記ができますが、中国語は外来語もすべて漢字で表記するしかない。発音だけを表し、それ自体は意味を持たないカタカナと違って、漢字はそれぞれ「意味」を持ちますから、外来語を中国語で表すのは一苦労です。特に、「谷歌」のように、「発音」だけでなく「意味」を持たせようとすると…。
「発音」だけを似た漢字に置き換えた例としては、人名、地名はだいたいこのパターンが多いようです。
・モーツァルト→莫札特
・ニュートン→牛頓
・エジソン→愛迪生
・マルクス→馬克思
・アインシュタイン→愛因思坦
・ニューヨーク→紐約
・パリ→巴黎
中には、「発音」+「意味」というのもあります。
・インターネット→因特網(「因特」は発音、「網」(=ネット)は意味)
「谷歌」のように、企業名や商品名は、「発音」と「意味」の両方を持たせるものが多いようです。企業や商品のイメージを表す意味を持つ漢字をあてはめています。よく知られている例に、
・コカコーラ→可口可楽
がありますね。発音も原語に近いし、「口に合う」、「楽しめる」というコカコーラのイメージにぴったりの漢字を使っています。
・キャノン→佳能
・ローソン→羅森
・ボーイング→波音
・ヤフー→雅虎
・ウォシュレット→衛洗麗
「ウォシュレット」は発音が「ウェイシーリー」。「可口可楽」に匹敵する「名訳」かもしれません。名訳といえば、
・ライブドア→活力門
というのもすごい。「live」=活力、「door」=門で、発音より完全に「意味」を重視した訳語のように思われますが、「活力門」の発音は「フォリーメン」。…そうです。「ホリエモン」!
発音にはこだわらず、意味を重視した例としては、たとえば映画のタイトルなんかに多いようです。
・「ジュラシック・パーク」→侏羅紀公園
・「ロスト・ワールド」→失落的世界
・「スーパーマン」→超人
・「バットマン」→蝙蝠侠
・「ライオン・キング」→獅子王
・「トイ・ストーリー」→玩具總動員
・「シンドラのリスト」→辛徳勒的名単
最近流行のエコや健康関連の言葉にもこの手が多い。
・フィットネスクラブ→健身房
・スローフード→慢餐(ちなみに、ファーストフードは快餐)
・サプリメント→補充食品
・クリーンエネルギー→緑色能源
・ビタミン→維他命(これは発音も合っていますね)
よく考えられているなと感心します。
「谷歌」も、きっと考えに考え抜いて編み出された訳語なのでしょうし、意味づけを知ると、なるほどなと思うのですが、とらえ方はいろいろなのですね。
ところで、私がかねがね「名訳」だと思っているのが、
・ミニスカート→迷人尓裙
「あなたを迷わすすそ」。う~ん!
参考サイト
http://www.cuc.ac.jp/~zhao/wailaiyu.htm
http://allabout.co.jp/career/chinanews/closeup/CU20060316B/
ところが、これが国内ではさんざんの評判らしく、名称変更を求める署名サイトまで立ち上がったとか。「あまりに伝統的でやぼったい」(朝日新聞2006年5月3日付)ということらしい。Googleは、中国進出に際して、中国政府が禁止するサイトを検索結果として表示しない旨を表明していますが、「谷歌」の発音が「国歌」に似ていることから、Googleの当局寄りの姿勢を批判する向きもあるようです。
日本ではGoogleは「グーグル」と発音に近いカタカナ表記ができますが、中国語は外来語もすべて漢字で表記するしかない。発音だけを表し、それ自体は意味を持たないカタカナと違って、漢字はそれぞれ「意味」を持ちますから、外来語を中国語で表すのは一苦労です。特に、「谷歌」のように、「発音」だけでなく「意味」を持たせようとすると…。
「発音」だけを似た漢字に置き換えた例としては、人名、地名はだいたいこのパターンが多いようです。
・モーツァルト→莫札特
・ニュートン→牛頓
・エジソン→愛迪生
・マルクス→馬克思
・アインシュタイン→愛因思坦
・ニューヨーク→紐約
・パリ→巴黎
中には、「発音」+「意味」というのもあります。
・インターネット→因特網(「因特」は発音、「網」(=ネット)は意味)
「谷歌」のように、企業名や商品名は、「発音」と「意味」の両方を持たせるものが多いようです。企業や商品のイメージを表す意味を持つ漢字をあてはめています。よく知られている例に、
・コカコーラ→可口可楽
がありますね。発音も原語に近いし、「口に合う」、「楽しめる」というコカコーラのイメージにぴったりの漢字を使っています。
・キャノン→佳能
・ローソン→羅森
・ボーイング→波音
・ヤフー→雅虎
・ウォシュレット→衛洗麗
「ウォシュレット」は発音が「ウェイシーリー」。「可口可楽」に匹敵する「名訳」かもしれません。名訳といえば、
・ライブドア→活力門
というのもすごい。「live」=活力、「door」=門で、発音より完全に「意味」を重視した訳語のように思われますが、「活力門」の発音は「フォリーメン」。…そうです。「ホリエモン」!
発音にはこだわらず、意味を重視した例としては、たとえば映画のタイトルなんかに多いようです。
・「ジュラシック・パーク」→侏羅紀公園
・「ロスト・ワールド」→失落的世界
・「スーパーマン」→超人
・「バットマン」→蝙蝠侠
・「ライオン・キング」→獅子王
・「トイ・ストーリー」→玩具總動員
・「シンドラのリスト」→辛徳勒的名単
最近流行のエコや健康関連の言葉にもこの手が多い。
・フィットネスクラブ→健身房
・スローフード→慢餐(ちなみに、ファーストフードは快餐)
・サプリメント→補充食品
・クリーンエネルギー→緑色能源
・ビタミン→維他命(これは発音も合っていますね)
よく考えられているなと感心します。
「谷歌」も、きっと考えに考え抜いて編み出された訳語なのでしょうし、意味づけを知ると、なるほどなと思うのですが、とらえ方はいろいろなのですね。
ところで、私がかねがね「名訳」だと思っているのが、
・ミニスカート→迷人尓裙
「あなたを迷わすすそ」。う~ん!
参考サイト
http://www.cuc.ac.jp/~zhao/wailaiyu.htm
http://allabout.co.jp/career/chinanews/closeup/CU20060316B/
ミニスカートには笑いました。
お久しぶりです。コメントありがとうございます。
「谷」もそうですが、中国では最近は簡体字ばかりで、本来の漢字の持つ意味もずいぶん違ってきているのかなと思ったりしています。もしかしたら一番漢字を大事にしているのは日本かもしれませんね。
職場で以前隣の席が中国の方でWindowsの中国版を使用しているときにいろいろ見せてもらった中で一番強烈だったのは
「微軟」
これは意味だけですが、どえらく感動した覚えがあります。さすがに分かりますよね?(笑)
マイクロソフトですね。発音無視の直訳例としてこれも紹介しようかと思ったのですが、同じ類の例としては「活力源」の方が相当面白いのでハズしちゃいました。
「軟体銀行」ってものも直訳系ですが、なんかヘンですよね。
上海に進出した「優衣庫」は発音・意味系ですね。