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重陽の節句

2012-09-09 | ■世界史
今日9月9日は、重陽の節句です。

1年に月と日が奇数の重なる日が5回ありますが、これを「五節句(五節供)」と呼びます。

1月7日:人日(じんじつ)(※1月1日だけは別格とされ、7日が節句とされています。)
3月3日:上巳(じょうし)
5月5日:端午(たんご)
7月7日:七夕(しちせき)
9月9日:重陽(ちょうよう)

これは、古代中国の陰陽思想に由来するものです。陰陽思想では、この世のあらゆるものを陰と陽とに分けて考えます。闇と光、暗と明、夜と昼、水と火、夏と冬、寒と暖、柔と剛、女と男…。これらは一方だけでは存在しえないものであり、相反する両者が調和して初めて秩序が保たれるという考え方です。陰陽思想では、数字は偶数が陰で奇数が陽とされます。この陽の数が重なる月日を、めでたい日として「節供」とし、お祝い事をするわけです。特に日本では、季節の植物や食べ物をお供えしてお祝いします。一番知られているのは、もちろん「桃の節句」ですね。

9月9日は、一番大きな数字が重なる日ですから、特に「重陽」と呼ばれますが、あまりにも陽の気が強いので逆に不吉ともされ、邪気を払うために様々な神事が執り行われています。

重陽の節句のシンボルは、「菊」です。古来、菊の花には邪気を払い、長寿を招く効能があるとされてきました。平安時代には、重陽の日に、菊の花を浮かべた酒(菊酒)を酌み交わす習慣があったようです。これ、すごくいい感じだと思うのですが、なぜ今誰もやらないんだろう?



もっと優雅なのは、前日の夜に菊の花に真綿をかぶせておいて、重陽の日に夜露に濡れた真綿で体を拭いて、菊の香りを楽しんだり、長寿を願ったりという習慣です。『枕草子』にもその記述があるそうです。昔の日本人って、ほんと、発想が豊かですね。

それから、調べていて、へーと思ったのは、九州の「おくんち」という祭りは実は「お九日(くんち)」のことで、重陽の日を指す言葉なのだそうです。毎年10月に開催されていますが、これはもちろん旧暦の重陽の日に合わせてのことです。

七草かゆ、桃の節句(ひな祭り)、端午の節句、七夕と、他の節句はそれぞれ日本人にもなじみ深いのに、なぜ重陽の節句だけはほとんど知られていないのか? 「菊祭り」というのは各地で見られますが、「菊の節句」という言い方はほとんど聞いたことがありません。謎ですね。

では、今宵は菊の花を浮かべたつもりで、寝酒を一杯…。

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