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カクレマショウ

やっぴBLOG

走る民族タラウマラ

2010-09-08 | ■世界史
先日の「世界ふしぎ発見!」を見ていたら、「走る民族」タラウマラ族が出ていました。1990年代に米国で開催されたウルトラマラソン(160km)で2年連続優勝者を出したことで一躍注目を集めたのが、メキシコの山岳地帯に住むタラウマラ族です。

彼らは独特のサンダルを履いて走ることでも知られています。番組ではその作り方も紹介してくれていました。古タイヤを足の形に合わせて切って、穴をあけて革紐を通すだけ。いたってシンプル!ミステリーハンターのお姉さんのサンダルもあっという間に作ってくれていました。履くときは、親指からかかとにかけて革紐を巻いて足に固定させる。サンダルなんかで走れるのかなあとずっと思っていましたが、実際ミステリーハンターが履いて走ってみたら、意外にも「走りやす~い」という感想。要するに、足にしっかり固定しさえすれば、素材そのものは軽いし、足にフィットして走りやすいのですね。

ネットで調べてみたら、既に多くの市民ランナーが、「タラウマラ・サンダル」を自作して走ってみている!これにも驚きました。ほとんどの人は、ビーチサンダルを転用しているみたいでしたが。で、実際に走ってみた感想はといえば、走りやすいというのがやはり圧倒的。タラウマラ・サンダルだと、かかとが地面につかない、いわゆる「ベアフット走法」になるのだそうで、裸足で走るのとほぼ同じ感覚という人もいました。

考えてみれば、昔の日本人も、草鞋(わらじ)を履いて長距離を歩いたり走ったりしていたわけで、究極のフィットな履き物、なのかもしれません。そういえば、現地語で彼らはサンダルのことを「ワラッチ」と呼んでいるのだとか。んん…? わらじとワラッチ?? 思わず、両者の関係を疑いたくなりますね。だけど、ワラッチの方はもう何百年も前から人々が履いていたことがわかっていて、わらじとの関連性はあまりないそうです。それにしても不思議な巡り合わせ。

タラウマラの人々は、祭礼の際、「ラリヒリバ」と呼ばれる長距離ランを行う。番組ではその様子も再現してくれていましたが、午後1時に走り始めて、夜の0時にゴールするというとんでもないマラソンです。夜になると、たいまつを持った補助ランナーが付いたりもする。途中で口にするのは、いかにもアメリカ大陸らしく、トウモロコシの粉を溶いた飲み物だけ。

しかも、「ラリヒリバ」は、ただ走るだけではない。野球ボールほどの木の玉を蹴りながら走るのです。なぜ蹴りながら走るのか? その答は聞き逃してしまいましたが、彼らが「なぜ走るのか」という問いにうまく答えられないのと同じで、あまり深い意味はないのかもしれません。彼らは、小さい時から、ゴム・サンダルを履いて、木の玉を蹴りながら走っていたのです。彼らの父も、その父も、そのまた父も。何百年にもわたって、代々、「そうすることになっている」から彼らもそうする。

クリストファー・マクドゥーガルという人が「走る民族」タラウマラのことを書いた『BORN TO RUN 走るために生まれた』(近藤隆文訳、NHK出版)という本も面白いらしい。「走るために生まれた」だなんて、ほんとに彼らにぴったりの言葉ですね。

時折、「風が俺を呼んでいる」せいで、近くの公園を走っているのですが(せいぜい週2~3回ですけど)、自分のペースで走るのは本当に楽しい。私も、ワラッチを履いて走ってみたら、彼らのように息も切らさずに、飛ぶように走れるようになるのでしょうか。


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2 コメント

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Unknown (naochan)
2010-09-13 18:38:13
鈍足の私には、「走るために生まれた」なんて、本当にうらやましく、素敵に聞こえます。
しかも、あんなサンダルで走れるんだ・・・!!

子供のころ、運動会で、足袋を履いて走った記憶がありますが、あんな感じでしょうか?
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足袋 (やっぴ)
2010-09-15 00:54:03
naochanさん

そう、まさに足袋ですよね!
足袋で走るのが一番走りやすいのです!
(ちょっと足裏痛かった記憶もありますが…)

それにしても、いつ頃から運動会で足袋をはかなくなったんでしょうね…。
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