ある中学校で行われた金融教室の公開授業。そのあとで行われた、経済教育の研究者による講演とパネルディスカッションで、経済学に関わるワークをいくつか体験しました。
一つめは、「最終提案ゲーム」。やり方はこうです。
(1) 二人一組になる。どちらをA、もう片方をBとする。
(2) 1,000円をAに渡す。ただし、Aは必ずBと分け合わなければならない。Aはカードに自分の取りたい金額(割合)を書いてBに渡す。
(3) Bがカードに書かれた数値に納得すれば、そのまま二人で分け合う。
(4) Bがもし拒否すれば1,000円は没収され、二人の取り分はなしとなる。
さて、あなたが「A」になったら何%と書くでしょうか?Aは考えます。
Bは、いくら自分の取り分が少なくても、拒否すれば「ゼロ」になってしまうのだから、ほとんどの場合、自分の言い値で了解するはず。ならば、自分の取り分が一番多い、「999円」にしよう。Bはたった1円しかもらえないけど、ゼロよりはましなんだから…。
これは、経済学の原理にもかなった考えなのだとか。
でも、実際には、「999円」と書くAは非常に少ないのだという。半分くらいの人は、「500円」にするのだそうです。私も「500円」と書こうとしましたが、せっかく選ぶ権利があるのだからと、みみっちく「600円」と書きました。もちろん、相手のBの人に了解ももらえました。
Bのほうも、全員がOKしたわけではなく、あまりにも自分の取り分が少ない数字を提示されて、憤慨?して拒否する人も、中にはいたようです。
「999円」と書かない(というか書きたくない)Aの「気前の良さ」、そして、取り分ゼロになっても取引を拒否するBの態度は、合理的な経済学の考え方とはずいぶんかけ離れています。つまり、現実の経済は、必ずしも合理的なものではないということ。人間は、「フェアでありたい」、「相手に対して誠実でいたい」という気持ちが必ずある。一方で、人より儲けたいとかお金をたくさん持ちたいという気持ちも当然あって、両者の間でいつも揺れ動いているのだなと感じました。
もう一つのワークは、これは割と有名で、私も聞いたことがありました。
次のどちらかを必ず選んでください。
A すぐに1万円もらう。
B 1週間後に1万1千円もらう。
結果はほぼ半々でした。続いて、
C 1年後に1万円もらう。
D 1年と1週間後に1万1千円もらう。
こちらは圧倒的に「D」を選ぶ人が多い。これも合理的なものの考え方をすれば、「A」を選んだ人は「C」、「B」を選んだ人は「D」を選ぶように思われますが、実際には「A・D」のパターンが一番多いのだそうです。つまり、1週間待って1,000円増えるよりは今すぐ1万円をもらいたいけど、1年後なら1週間くらい待っても1,000円多い方がいいや。これは、借入金利の高さにかかわらず、クレジットカードによる負債が多いということにつながっていきます。なるほどね。
こういうワークを中学生や高校生にしてもらうのは、決して意味がないことではないでしょう。人間誰しも大人になれば、いろいろな形で「経済」とつきあっていかなければならないのですから。
一つめは、「最終提案ゲーム」。やり方はこうです。
(1) 二人一組になる。どちらをA、もう片方をBとする。
(2) 1,000円をAに渡す。ただし、Aは必ずBと分け合わなければならない。Aはカードに自分の取りたい金額(割合)を書いてBに渡す。
(3) Bがカードに書かれた数値に納得すれば、そのまま二人で分け合う。
(4) Bがもし拒否すれば1,000円は没収され、二人の取り分はなしとなる。
さて、あなたが「A」になったら何%と書くでしょうか?Aは考えます。
Bは、いくら自分の取り分が少なくても、拒否すれば「ゼロ」になってしまうのだから、ほとんどの場合、自分の言い値で了解するはず。ならば、自分の取り分が一番多い、「999円」にしよう。Bはたった1円しかもらえないけど、ゼロよりはましなんだから…。
これは、経済学の原理にもかなった考えなのだとか。
でも、実際には、「999円」と書くAは非常に少ないのだという。半分くらいの人は、「500円」にするのだそうです。私も「500円」と書こうとしましたが、せっかく選ぶ権利があるのだからと、みみっちく「600円」と書きました。もちろん、相手のBの人に了解ももらえました。
Bのほうも、全員がOKしたわけではなく、あまりにも自分の取り分が少ない数字を提示されて、憤慨?して拒否する人も、中にはいたようです。
「999円」と書かない(というか書きたくない)Aの「気前の良さ」、そして、取り分ゼロになっても取引を拒否するBの態度は、合理的な経済学の考え方とはずいぶんかけ離れています。つまり、現実の経済は、必ずしも合理的なものではないということ。人間は、「フェアでありたい」、「相手に対して誠実でいたい」という気持ちが必ずある。一方で、人より儲けたいとかお金をたくさん持ちたいという気持ちも当然あって、両者の間でいつも揺れ動いているのだなと感じました。
もう一つのワークは、これは割と有名で、私も聞いたことがありました。
次のどちらかを必ず選んでください。
A すぐに1万円もらう。
B 1週間後に1万1千円もらう。
結果はほぼ半々でした。続いて、
C 1年後に1万円もらう。
D 1年と1週間後に1万1千円もらう。
こちらは圧倒的に「D」を選ぶ人が多い。これも合理的なものの考え方をすれば、「A」を選んだ人は「C」、「B」を選んだ人は「D」を選ぶように思われますが、実際には「A・D」のパターンが一番多いのだそうです。つまり、1週間待って1,000円増えるよりは今すぐ1万円をもらいたいけど、1年後なら1週間くらい待っても1,000円多い方がいいや。これは、借入金利の高さにかかわらず、クレジットカードによる負債が多いということにつながっていきます。なるほどね。
こういうワークを中学生や高校生にしてもらうのは、決して意味がないことではないでしょう。人間誰しも大人になれば、いろいろな形で「経済」とつきあっていかなければならないのですから。
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