カクレマショウ

やっぴBLOG

ハーブのこと。

2011-06-16 | ■世界史
ある店から、おいしいハーブが入ったという連絡をもらって、さっそく出掛けてみました。

首都圏をはじめ、全国各地の有名レストランに新鮮で豊富な種類のハーブを提供している六戸町の大西ハーブ園で手に入れたという数種類のハーブ。なにしろ新鮮なので、サラダで、しかもドレッシングも何もつけないで、そのままいただく。初めて口にするハーブもあり、どれもこれも味がしっかりしていて、豊穣な大地の味わい。満喫できました。

ところで、食べながら、「ハーブ」の定義っていったい何だっけ?いつ頃からあるんだっけ?という話になりました。ハーブと聞くと、なんとなく、地中海周辺あたりのイメージが浮かび、確かクレオパトラもハーブ風呂を楽しんでいた…んじゃなかったっけ…などと、とにかく記憶がおぼつかない。帰ってから調べてみると、やはり元々はラテン語で、Herba(ヘルバ)という言葉に由来するのだそうです。もともと、Herbaの意味は、「草木」でしかない。転じて、ヨーロッパでHerb(ハーブ)という場合には、薬用やスパイスなど、「人間の体や暮らしに役に立つ植物」を指すようになったのだとか。

ま、よく考えてみると、毒草は別としても、あらゆる植物は食用、医療用、嗜好品用など何かしら人間に恩恵をもたらしてきたわけで、古代エジプトでは、既にハーブ・ガーデンがあって、医療用のハーブが栽培されていたといいます。すべての植物がハーブだという、ラテン語の意味は、ある意味で正解なのかもしれません。

ハーブは、エジプトからギリシア、ローマにももちろん伝えられていきました。そういえば、聖書によく出てくる「没薬」とか「乳香」というのも、ハーブなのですね。中世ヨーロッパでも、たとえば修道院の庭なんかで、医療用のハーブが栽培されていたらしい。貴族が館の敷地にハーブ・ガーデンを持つのは、ステイタスの証しでさえありました。

ハーブは、調味料や医療用に使われてきただけではありません。種類によっては、香りを楽しんだり気持ちをリラックスさせたりする効果もあります。アロマ・テラピーなんかはその典型ですね。おそらく、ですが、ハーブをそういう目的で本格的に用い始めたのは、ルネサンス以降のことではないかと思います。こうして、近代以降、ヨーロッパにおける「ハーブの文化」が広がっていきました。

ただ、ヨーロッパでは「ハーブ」と呼んでいるだけで、植物を人間の体や暮らしに役立てることは、世界中ほとんどの場所で行われていたことです。中国では漢方薬、インドでは各種のスパイスを使うアーユルベーダ、日本でもセリとかミツバとかサンショウ、ミョウガなど独特の「薬草」が古来から使われてきました。中国には中国の、インドにはインドのハーブがそれぞれあるのですね。

今回いただいたのは、バジル、カモミール、ミント…あと覚えていない(T_T)のですが、10種類くらいはあったのではないでしょうか。けっこう苦みや辛みの強いものもありましたが、なんとなく体が浄化されたような気分でした。大西ハーブ園では、幾百種類ものハーブを、できるだけ「自然のまま」に育てているのだそうです。殺虫剤なんかもちろん使わない。たとえば、虫が寄ってくるハーブの横には、虫が嫌いな香りを持つハーブを植えることによって、無農薬のみずみずしいハーブが育つ。もともと植物は「自然のもの」なのだから、自然に任せて育てるのが一番理にかなっているのかもしれませんね。本来の植物の持つパワーを一番引き出すためには、自然のままにしとくのがふさわしいようです。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (モン吉)
2011-06-17 13:51:42
こんにちは。
あんな独り言のようなコメントに返事をくれるなんて、うれしいです。有難うございます。
私は教員ではないのですが、縁あって進路指導に携わることになり、「キャリア教育」とはどういうこと?といろいろ検索していくうちにやっぴさんにたどりつきました。
やっぴさんのおっしゃるることはとても説得力があり、理解しやすく、勉強になります。
同じ青森県在住ということもあってか、いろんな話題にも共感できます。         ノスタルジックで詩的な文章に、なぜか涙がでてきておもわずコメントしてしまったモン吉でした。
返信する
Unknown (やっぴ)
2011-06-19 02:26:19
モン吉さん

いいえ、こちらこそ身に余るお言葉をいただき、ありがたく思っています。

これからもどうかよろしくおつきあいください。
返信する

コメントを投稿