カクレマショウ

やっぴBLOG

元・楽天副社長(32歳)公立中学校長に!

2004-12-30 | └キャリア教育
横浜市の東山田中学校という新設校の校長を公募したところ、楽天の非常勤取締役・本城愼太郎氏が内定したそうです。御年なんと32歳!

たとえば、大卒ですぐ教員になり、学校しか知らない32歳の先生は、どう逆立ちしたって校長にはなれません。では本城氏はどうか。学生の頃からインターネットビジネスを始め、三木谷氏と「楽天」を設立。若くしてビジネスの世界で大成功を収めた人物です。2年前から同社の非常勤取締役に退き、「理想の学校づくり」の準備に取りかかっていたとはいえ、学校現場での経験はゼロ。

私はビジネスのことはまったく知りませんが、たぶん「マニュアル」(形式知)がものを言う世界なのではと勝手に考えています。そのあたりは「学校」とは決定的に違う点なのではないでしょうか。

私が学校の外に出てみて感じたのは、学校がいかに狭い世界であるかということでした。なにせ、新卒の何も知らない若者がいきなり「先生」と呼ばれ、学級経営のノウハウなんか知らないのに、30人か40人の生徒を任され、「一国のあるじ」と化していくのです。教育の現場にいながら、教員としての「教育」はほとんど受けることはなかったような気がします。もちろん学校内外の研修はありましたが、学級経営や授業の進め方についてはほとんど自己流で獲得していくしかありませんでした。つまり、学校はいわゆる「暗黙知」がけっこう幅をきかせる世界なのです。

本城氏が、ビジネス世界のノウハウをもって学校にどう斬り込んでいくのか、どんなくさびを打ち込んでいくのか、とても楽しみです。

それにしても、これだけ「教育」の重要性が叫ばれているのに、「教員」の採用については、根本的な改革の動きがあまり見られないのは不思議です。これからの時代、「大学生からいきなり先生」つまり「学校以外の世間を知らない教員」には、「世間を生き抜く子どもたち」を育てるのはそもそもむずかしいのではないでしょうか? 

教員は、学校という枠の中で「人間を育てる」プロフェッショナルだと思います。つまりは子どもたちが「将来どんな人間になるか」ということを踏まえた教育をしなきゃいけないのですから大変です。それだけの重大な責任が課せられる教員には、「それなりの人間」にしかなれないようなしくみが必要で、教員にはもっと名声と報酬が与えられてしかるべき職業だと思います。いろんな世界を生き抜いてきた人が、最後の理想として「学校の先生」になる…。今回の本城氏は例外としても、そんな先生が増えていくことがたぶん「学校」を変える突破口になっていくのではないでしょうか。

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